「餅屋」に任せて時間を買う

「餅屋」に任せて時間を買う


 夏が来た! 長年、大学では夏学期も授業をしてきたが、今年の夏は思い切って「夏休み」を取ることにした。「人生の夏休み」とでも言おうか?大人になってから、こんなにまとまった時間を使うのは初めてで、妻と長年の夢だった図書館巡りのドライブ旅行にでかけることが出来た。今日も私はこの原稿を旅先の宿で書いている。

 広大な大地に一本の道路が地平線まで続いている景色の中を走っていくと、アメリカは本当に広いと実感する。日常生活の中では自分の周囲が全てだと思いがちだが、こうして旅に出てみると、日々の暮らしでは気が付かなかったことに出会える。また、旅は自分自身と対話できる機会を与えてくれる。時間の貯金を少しだけ引き出して夏を楽しみ、新しい発見をして、人生の船旅の次章をつづっていく準備をしている感覚を楽しめる。

 日本語に「餅は餅屋」ということわざがあるが、私は餅が大好物で(特に醤油味の)この表現が気に入っている。今回の第二の人生への旅立ちは、たくさんの「餅屋」の鮮やかな仕事や豊富な知識、アドバイスに触れる機会にもなった。

 人生のダウンサイジングと再出発に関しても、ファイナンスや不動産の面はもとより、仕事や生活が便利になるようなハイテク技術の導入をプロに依頼した。老親や妻の体調管理も信頼のおけるドクターや専門家チームに任せられ、家族ともども安心して次のステージに行く準備が出来た。

 プロたちは、その道の専門家になるために、長年勉強をして経験を積んできている。時に失敗をすることもあるだろうが、そこから多くを学んで、強靭な精神で、気概を込めた仕事をしている。だからプロであるのだし、それに対する報酬を受け取る価値がある。
 プロの仕事の対価(費用)は低くはないので、出来るならば自分でなんとか対処したいと思うこともある。だが、もし自分たちの限られたリソースと素人判断だけで進めていたら、莫大な時間と労力が必要になり、常に不安とストレスを抱え、場合によっては事態を混乱させてしまうかもしれない。または、散々な「失敗の泥沼」に陥っていたかもしれない。プロの仕事への対価を支払ったことの見返りとして、かえってきたのは見事な仕事ぶりの結果と、その結果が私に与えてくれる満足感、そして何よりも私に「時間」を与えてくれた事だった。

 限られた人生の船旅の中では、「餅」は「餅屋」に依頼することも大切な選択だと思う。本物のプロの仕事は本当に「プロフェッショナル」だ。人生の新しい章に進む決断とその段取りは、決して私だけの力では出来なかった。サポートしてくれたプロの皆さんに敬意を示し、また旅を続けていこうと思う。

この記事の寄稿者

関連する投稿




竹刀と真剣 下積みから得る知識と精神力

竹刀と真剣 下積みから得る知識と精神力


日本のTV番組がアメリカでヒット 「何も起きないのが、たまらない!」

日本のTV番組がアメリカでヒット 「何も起きないのが、たまらない!」

フジテレビがネットフリックスと共同制作したリアリティーTV番組「テラスハウス」が、アメリカでヒット中だ。しかも、ヒット最大の理由は「つまらないから」。荒々しくて騒々しいアメリカのリアリティー番組とは似ても似つかない日本のリアリティー番組が、アメリカ人にはとても新鮮なようだ。


LinkedInがアメリカで重要視される理由

LinkedInがアメリカで重要視される理由






アクセスランキング


>>総合人気ランキング

企画

保守派とリベラル派、2つの視点でニュースを読む。