ロシア疑惑記事の撤回でCNN記者3人辞職

ロシア疑惑記事の撤回でCNN記者3人辞職


 CNNは先月、「米議会はトランプ大統領の上級顧問アンソニー・スカラムッチ氏とロシア人投資家との関係疑惑を調査中」という記事を同社ウェブサイトに掲載したが、「記事は同社の編集基準を満たしていなかった」として同記事を撤回し、スカラムッチ氏に謝罪した。
 その後、記事を書いたトーマス・フランク記者、記事内容を確認した調査報道部門編集者でピュリッツァー賞受賞者のエリック・リクトブラウ氏、調査報道部門の責任者レックス・ハリス氏ら3人の辞職が発表された。評判の高いジャーナリストの辞職に関係者間でも波紋が広がった。
 通常、CNNでは記事を掲載前に事実関係を複数の機関で確認する。ジャーナリズム専門家や弁護士などいくつかの担当部署を通過してからでないと報道しない規則だが、該当記事はそのプロセスが勝手に省かれていた。スカラムッチ氏は「CNNの対処は正しい」とツイートし、謝罪を受け入れている。トランプ大統領がフェイクニュースの代表として忌み嫌うCNNの今回の失態に対するRedとBlueの意見は?

出典『Money CNN』
元記事「Three Journalists Leaving CNN After Retracted Article」:
http://money.cnn.com/2017/06/26/media/cnn-announcement-retracted-article/index.html

RED: CNNにおけるジャーナリズム文化の崩壊
「Meltdown of Journalism Culture at CNN」

 CNNは、もはやニュース組織ではない。客観的なジャーナリズム、倫理基準、正確な新聞報道というあり方は、ジェフ・ザッカー現CNN社長兼CEOが2013年に就任して以来、完全に消え失せたようだ。
 CNNプロデューサーのジョン・ボニフィールドが最近告白した「トランプ大統領とロシアの共謀に関するすべてはテレビの視聴率を稼ぐため」という発言は、CNNの報道の基準は視聴率に基づいたもので事実ではないという、CNNの体質をよく表している。さらに、辞職した3人のジャーナリストはアンソニー・スカラムッチ氏(ドナルド・トランプと関係を持つアメリカ人投資家)に、議会はスカラムッチ氏がロシアのプーチン大統領と親しいロシア人ビジネスマンと連絡を取っていたかどうかを調査中である、といって汚名を着せようとした。
 この記事の問題は「唯一の情報源に頼った作りごと」で、信憑性が確認されていないところにある。彼らはトランプ大統領を非難できるものなら何でも見つけようと夢中になるあまり、ジャーナリストとして客観的であることを忘れ、つまずいた。
 とにかくCNNは終わった。彼らが報道することは最初から何もかも疑わしい。CNNはニュース組織ではない。彼らは扇情記事で興味をひいて金を儲ける「イエロー・ジャーナリスト」だ。


BLUE:CNNの記者は責任を取って辞職した。トランプも彼らに見習うべき
「These CNN journalists did the right thing. Trump should follow their example」

 ドナルド・トランプが、CNNの報道は全て「フェイクニュース」だという証明に使おうとさえしなければ、これは新聞のトップニュースになるような話題ではなかったはずだ。CNNは記事を撤回するという「責任ある対応」をし、それに関係した記者は会社の編集基準に従わなかったために辞職するというあっぱれな行動をとっている。そして、記事の対象とされた人物は、既にCNNの謝罪を受け入れている。
 ところがトランプはこの話に飛びついてこうツィートした。「おおっ、CNNがロシアの記事を撤回して、3人の記者が辞任を強いられた。他のインチキ記事はどうだ? フェイクニュース!」
 該当のCNNの記事がフェイクだとは証明されていない。ただ、調査が未熟なまま掲載したということだが、それは置いておくとしよう。ひとつのCNNの記事における事実が、すべての記事に該当するというトランプの誤った推論も置いておこう。
 大事なことは、トランプがナンセンスなことだ。大統領でありながら事実ではないことをツィートし続け、アメリカ人と世界に対して嘘をつき続けていることである。もしもトランプが、CNNの辞職した記者を見習って、自分の人間観における事実を受け入れて辞任してくれたら、我々はみんなずっと楽になるだろうに。

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

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