ウォルマートが狙う巨大な自動販売機戦略とは?

ウォルマートが狙う巨大な自動販売機戦略とは?

オクラホマ・シティに出現した巨大な箱。サイズはトラックのコンテナーより少し大きめで約20メートル×6メートル。その箱にデカデカと書かれた「ウォルマート」の文字。一体、ウォルマートは何を仕掛けようとしているのか?


 この「巨大な箱」の正体は、11,695店舗(2017年1月調べ)を展開する北米スーパーマーケットの王者、ウォルマート社が、新しい戦略のテスト・ケースとして導入を始めた「自動販売機」だ。

 オンラインで購入した品物をこの自動販売機で受け取れるという試みで、オーダーが30ドル以上ならば手数料は無料。利用方法は極めてシンプルで、顧客はオンラインで品物をオーダーすると最後に5桁の「ピックアップコード」を渡され、その番号を持って自動販売機に行くだけ。番号を入力すると、自分がオーダーした商材が、袋に詰められた状態で出てくる。このサービスならば1分たらずで買い物が終わるため、巨大なスーパーの中を歩いて品物を探さずに済むと、利用者の評価は高いという。

 この自動販売機は年中無休の24時間営業。生鮮品も含め、購入できる品物は3万点以上揃っている。自動販売機の内部は冷蔵管理ができ、顧客からオーダーが入ると、ウォルマートの従業員がオーダーされた商品をピックアップコードごとにまとめて袋詰めし、それを自動販売機内に設置する。今後、同社がどのような展開を予定しているのかについては発表されていないが、同社はサービスを自動化することで、店舗を構えるよりも遥かに人員を抑えたビジネスが展開できると試算しており、自動販売機型ウォルマートが全国各地に出現する可能性は高いと考えられている。つまり、コストダウンが最大の目的だ。

 昨今、AI化や自動化サービスが猛スピードで増え続けており、こうした「お手軽ショッピング」の開発には日本でも様々な企業が着手しているが、アメリカではサービスそのものよりも、次々と自動化されていくサービス自体に社会的不安要素として懸念を抱く人が少なくない。「労働力をすべて自動化したら、働く場所がなくなるのでは?」と不安を抱える人の層が多いだけでなく、貧富の差が大きいアメリカではフードスタンプと呼ばれる政府の補助的栄養支援プログラムに頼って生活している国民が13%もおり(2016年7月米農務省データ)、スーパーマーケットが最低利用賃金を設定し、安い品物を選びにくい仕組みになったら経済的に困窮している人たちはどうやって暮らしていけばいいのか?などという声も上がっている。

 ウォルマートがサービスの全てを自動販売機化するとは考えにくいが、「庶民の味方」を売りにしている、格安スーパーマーケットの代表格が、このような無人サービスに乗り出したという動きは無視できない。先日もアマゾンドットコム社がホールフーズマーケットを買収したことが大々的に報道されたが、巨大スーパーが姿を消し、すべてが「オンライン+自動販売機」、あるいは「宅配デリバリー」で購入できる時代は、すぐそこまで来ているのかもしれない。

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