レイオフは本当に悪いことなのか?

レイオフは本当に悪いことなのか?


 会社の業績が傾けばレイオフで社員を減らすのは当然のことだが、業績が好調でも組織変更などの理由でレイオフは起こる。最近の例では、7月にマイクロソフトが大規模なレイオフを行った。(元記事) 約5000人が職を失ったことになる。

 もちろん、自分がレイオフの対象者となり、仕事を失うことは大変なことである。次の仕事がすぐに見つからなければ経済的なダメージもあるし、精神的なダメージは人により様々である。しかし、レイオフは忌み嫌うべき悪なのかというと、そういうわけでもない。労使双方にとって良い面もそれなりにあるのだ。

 労働者側から見ると酷い話に聞こえるかもしれないが、経営者にとってレイオフは効果的である。業績悪化時には経費削減が必要であり、経費の大部分は人件費であることが多い。雇用を守ろうと頑張って経費削減が遅れるより、すぐにレイオフを行った方が会社の財務状況が良くなるのは当然である。また、なんらかの事業から撤退する場合、その事業に関わっている従業員は余剰人員になってしまう。余剰人員を配置転換するより、会社から去ってもらったほうが効率的なのだ。

 労働者側から見ても、実は良い面はいろいろある。

 まず、配置転換などにより意に沿わない仕事をやる必要がなく、心置きなく自分の望む仕事を探すことが出来る。「会社に残るならば、今までと全く違った仕事をしなければならない。しかし会社を辞めると、経済的に苦しくなる」という状態は非常にストレスフルなものである。そういう大変な選択をするぐらいならば、強制的にレイオフの特別退職金を渡されて外に出される方が楽なこともままある。

 また、内容は会社によってまちまちだが、特別退職金の存在も大きい。ほとんどのアメリカ企業では退職金は無いが、大企業で長期勤務した人ならばレイオフ時に年収に近い額をもらえることもある。その後すぐに次の仕事が見つかれば、新会社でのサインアップ・ボーナスなども含めて、その年の収入が倍以上になることも珍しくはない。多くの他社が人材募集している、景気が良い時のレイオフは「ラッキー」なのだ。

 そして、一番大きいのが雇用の流動性である。従業員のパフォーマンスが原因でレイオフになるわけではないので、大規模レイオフでは優秀な社員が大量に放出されることになる。人材不足に悩む他社にとっては大きなチャンスで、優秀な労働者のプールから自社に必要な人材を雇うことができる。数年前にツイッター社がレイオフを行った際には、様々な会社のリクルーターがツイッター上でレイオフ対象者に応募を呼びかけた。レイオフされた従業員にも選択の幅があり、労使双方にとって幸せなジョブマッチングが行われることになる。

 会社にとっても従業員にとっても、適材適所が一番幸せな状態である。会社が社員を抱えていられなくなった時に起こるレイオフは、自分のスキルを磨いて「次がある状態」にいる労働者にとっても、かなり良い仕組みといえるのではないだろうか。

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