米食品医薬品局(FDA)、タバコのニコチン含有量引き下げを計画 

米食品医薬品局(FDA)、タバコのニコチン含有量引き下げを計画 


 米国では毎年48万人以上の人が、タバコに関連する死因で亡くなっている。米食品医薬品局(FDA)は、紙巻きタバコのニコチン含有量を中毒性のないレベルまで引き下げるという新計画を7月末に発表し、さらに、電子タバコがFDA認可を得るための製品情報提出期限を2018年から2022年へ先送りすることを発表。この二つの案が、専門家の間で賛否を呼んでいる。

 FDAのスコット・ゴットリープ長官は、「米国人をおびやかすタバコの中毒問題とその解決策の核となるのはニコチンだ。FDAは可燃性タバコに含まれるニコチンの中毒レベルに取り組むことも戦略に入れる」と語った。ちなみに英国やカナダでは、タバコでダメージを受けた臓器の写真をパッケージに掲載するなどして消費者を警告しているが、米国では憲法が保障する「表現の自由」のため、画一的デザインの導入を行うことができない。

 これに対し、「ニコチンを減らすというのは一見名案だが、すべてのタバコ製品からニコチンを除去しない限り、事態はむしろ悪化する。ニコチン摂取量を確保しようとして喫煙本数が増え、喫煙者がますます有害な煙に晒される」と語るのは、英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのロバート・ウェスト教授だ。英国タバコ・酒類研究センター副所長で、スターリング大学のリンダ・ボールド教授も同意し、非合法の闇市場が活発化する可能性を指摘する。

 電子タバコの情報提出期限の延長についても、意見が分かれている。賛成派は、電子タバコは紙巻タバコより安全性が高いという根拠があり、英国医学会会報(BMJ)上の最近の研究でも電子タバコが禁煙を助けるかもしれないと言われている点を指摘。しかし、認可期限を厳しくすると、市場から電子タバコがなくなってしまうかもしれない。英国の民間禁煙団体「タバコフリー・キッズ・キャンペーン」のマシュー・L・マイヤース会長は、「FDA認可が遅れると、グミベアーやチェリークラッシュやバナナスマッシュの味をした子供向けの悪質な電子タバコが、監視なしに売られることになるだろう」と、反対している。

 米ノースイースタン大学のグレゴリー・コノリー教授は、電子タバコ認可の先送りによって、アイコス(iQos)のような加熱式タバコが市場参入してくることを危惧している。加熱式タバコは、煙は出ないがニコチンが含まれているため中毒性がある。対して、英国の禁煙推進団体アッシュ(ASH)の最高責任者デボラ・アーノット氏は、「英国ではタバコで人の命に関わるのはニコチンではなく煙だと長く認識されてきた。紙巻タバコをやめて煙の出ないニコチン製品に切り替えるよう喫煙者をサポートすべき、という英国政府の声は最近まで耳を傾けられてこなかった」と、加熱式タバコを歓迎している。

元記事:FDA plans to reduce nicotine in cigarettes to non-addictive levels
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