遺伝子検査の結果に落胆する白人至上主義者たち

遺伝子検査の結果に落胆する白人至上主義者たち


 「23 and me」や「haplotype」など、アメリカでは多くの企業が唾液から簡単に遺伝子検査ができるサービスを提供しており、昨今注目を集めている。そんな遺伝子検査について、白人至上主義をうたう極右派ウエブサイトの中で最も長い歴史を持つ「ストームフロント」の読者フォーラムが白熱している。

 社会学者のアーロン・パノフスキー氏とジョアン・ドノヴァン女史は、共同研究の一環として同ウエブサイトのフォーラムにおける遺伝子検査に関するスレッドを細かく調べた。その結果、サイト上のコメントなどから、3,000人以上の白人が遺伝子検査を受けた経験があることが分かった。しかし、その検査結果をシェアーしたのは153人だけで、そのうち白人の遺伝子のみの家系の人は3分の1しかいなかった。他人種の遺伝子が混ざっていた結果をシェアーした人たちは、「遺伝子検査が間違っている」、「検査などより、自分の家系のことは誰よりも自分がよく知っている」などとコメントし、科学を非難している。

 この研究者たちの研究目的は、白人以外の遺伝子しか入っていない白人至上主義者の数や比率などの調査ではなく、白人主義者たちが自分に白人以外の遺伝子が入っているという事実に気づいたとき、「彼らは、それにどう対応するか」を社会学的な見地で検証しようというもの。同研究の調査では、 他人種に対しては激しい怒りを感じて暴力的に排斥しようとする白人至上主義者たちだが、同じ白人コミュニティーのメンバーたちが、本人が思っていたような遺伝子検査の結果が得られなかった(他人種の遺伝子が入っていた)際、多くの矛盾点に言い訳や特例をつけて、その人のために「白人」の定義を再考し、引き続き仲間でいられるように事実の改ざんをするなどの様子が見られたという。この研究結果がカナダの学会で発表されたのは、シャーロッツビルで起きた白人至上主義集会を巡る暴動の直後だったが、研究発表のタイミングはまったくの偶然だそうだ。

 企業の検査法に問題があると考える白人至上主義者たちの間では、遺伝子検査の結果が100%白人だと出ることを祈って、異なる企業の遺伝子検査を次々に受け続ける人も多いという。受ける側だけでなく、企業側にとっても、この流行りは複雑な心境ではなかろうか。

元記事:White Nationalists Are Flocking to Genetic Ancestry Tests — but Many Don't Like Their Results
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