エアバス社の「空飛ぶタクシー」、まもなく飛行テストを開始 

エアバス社の「空飛ぶタクシー」、まもなく飛行テストを開始 


 車の運転中に渋滞にはまって、「もし、このまま空に浮かんで車の列を飛び越せたら」と思ったことはないだろうか? その空想の実現化が近づいてきた。現在、欧州の航空大手エアバス社は、エア・タクシーの飛行テスト準備を進めている。同社傘下企業である、米シリコンバレーの「A³(エイ・キューブド)」が、電動一人乗りの自動操縦飛行機「バハナ(Vahana)」の試作機第一号を組み立て中だ。

 「バハナ」とは、ヒンディー語の「空飛ぶじゅうたん」に由来する。強く軽いカーボンファイバー製の客室に、8枚の羽をもち、垂直に離着陸して水平に飛行移動する。一回の充電で、およそ40マイル(約65キロメートル)の連続飛行が可能だ。同プロジェクトの責任者ザック・ラヴァリング氏によると、同機は11月から米オレゴン州ペンドルトンのイースタン・オレゴン地域空港で飛行テストを始める予定だ。

 バハナは、タクシーや配車サービスのように、アプリで呼び出して利用する。乗客が最寄りの発着地(当初は既存のヘリポートなどを利用)へ向かう間に、管制センターが自動で搭乗前チェックを行い、飛行ルートを決定する。そして、乗客が機体に乗り込み、シートベルトを締めて離陸準備が完了すると、空をさっと飛んで目的地まで運んでくれるという。エアバス社の「バハナ」PR動画リンクはこちら。「車で1時間〜1時間半かかった場所に、15分以内で行けるようになる。運賃は同じ距離を走るタクシーと同程度。これは交通の未来に多大な影響を及ぼすだろう」と、ラヴァリング氏。ペンドルトンの無人航空機システム(UAS)試験場のマネージャー、ダリル・アブリング氏も、「こんな革命的な飛行機の初回飛行を行えるのは、大変な幸運だ」と同プロジェクトの開始を喜んでいる。

 もちろん飛行テストの後、実際に都会の上空をエア・タクシーが飛び交うようになるには、 連邦航空局(FAA)による安全性の認可取得(約3年はかかる見込み)に加え、電池の重量や収容人数の問題、そして利用者心理の問題など多くの課題がある。米航空コンサルタント会社リーハム社の航空分析専門家ビヨルン・フェルム氏は、「10席以下の小型機なら、10年以内に電動飛行が可能になるだろう」と予測しているが、元戦闘機のパイロットでもある同氏は「パイロットのいない飛行機に客として乗り込むのはためらうかも知れない」と、コメントしている。

 この軽量機「ハバナ」の競合は、米配車サービス大手のウーバー社が立ち上げたプロジェクト「ウーバー・エレベート」だ。さらに、航空機大手ボーイング社とジェットブルー航空の出資を受けたワシントン州カークランドのスタープアップ企業「ズーナム・エアロ」社が10〜50席の中型機を開発中で、同社もウーバー・エレベートと同様、2020年のエア・タクシー就航を目指している。

 航空・宇宙産業誌「アヴィエーション・ウィーク・アンド・スペース・テクノロジー」によれば、現在、都市の通勤市場をターゲットとする電動の垂直離着陸機(VTOL)の開発プロジェクトは、世界中に20社ある。その中には、エアバス社の他、エンブラエル社(ブラジル)、ベル・ヘリコプター社(米国)などの大手グローバル航空企業から、これまで無名だったロシア、ドイツ、イスラエルのスタートアップ企業までが名を連ねている。

元記事:Airbus Flying Robo-Taxi Readied For Testing In Oregon

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