AppleとAmazonがジェームズ・ボンド映画の配給権レースに参加

AppleとAmazonがジェームズ・ボンド映画の配給権レースに参加


 映画「007シリーズ」の配給権獲得にAppleとAmazonが乗り出したことを、『Holly Wood Reporter』が報じた。1962年に「007シリーズ」は、第1弾『ドクター・ノオ』公開以来24作、50年以上にわたるロングランを続けている娯楽映画だが、2015年公開の前作『007スペクター』を最後にソニーの配給権が切れたことから、業界で熱い注目を浴びている。現在名乗りを上げている筆頭はワーナー・ブラザーズだが、従来の映画配給会社ユニバーサル、ソニー・ピクチャーズ、20世紀フォックスはもちろんのこと、ストリーム放映に力を入れているApple、巨大資本のAmazonが新たに加わって、激しい権利獲得合戦が繰り広げられそうだ。本連載には珍しく政治とは関わりのなさそうな話題だが、RedとBlueはこれをどう受け止めているのだろう?

出典『The Hollywood Reporter』
引用元:Apple, Amazon Join Race for James Bond Film Rights

RED: ハリウッドの時代は終わるかもしれない
“The Age of Hollywood May Be Coming to an End”

 ハリウッド映画スタジオは、アメリカにおける劇場娯楽の制作と流通を長きにわたって独占してきた。そのことが慣習的に、スタジオ経営陣に対して、社会的・政治的な運動をアメリカの文化全体に広める多大なステージを与えることになった。しかし、1960年代以来、ハリウッドはゆっくりと継続的に移行し始め、ここ数十年の間にテレビや映画の内容のほとんどがアメリカの左翼の主張を公然と、または暗にサポートするところまで政治的に左寄りに偏ってしまった。『2 Broke Girls』、『Black-ish』、『The Daily Show』、『The Colbert Report』 、『Girls』 、『I Am Cait』、『I Am Jazz』、『Madam Secretary』等のテレビ番組は、ハリウッドが、政治的および社会的に左翼的な主張を広めているほんの一例だ。

 しかし今や、AmazonやNetflixが自社の番組を制作してインターネットを介して消費者に直接届ける時代になった。このことは、これまでのハリウッドのリベラルなエンターテインメント集団を迂回しながら、なおかつ質の高いエンターテインメントが実現できる、という希望を私に与えてくれる。娯楽の中心は、左派的な文化的見解のみを反映するのではなく、幅広いアメリカの事象を提供することが重要だ。あらゆる種類の芸術は、左翼、社会主義者、共産主義者が、単に彼らの課題を促進するための宣伝ツールとして用いられるのではなく、インスピレーション、そして自身の反映の源泉であるべきだ。


BLUE:ジェームズ・ボンドがアメリカの政治と何の関係があるんだ?
“What Does James Bond Have to Do with American Politics?”

 新しいボンドの映画だって? 素晴らしいじゃないか! ジェームズ・ボンドは、『Carry On』や『ゴジラ』と並んで、これまで最も長く続き、多くの作品を作り出してきたシリーズ映画のひとつだ。どの俳優が最高のボンドを演じたかは、何年もの間、しばしば楽しい論争の的に上っている。

 AppleとAmazonがこのシリーズの配給権入札に関わっているというのは、ビジネスの観点からみると興味深い。この2社は最近ビデオ制作に参画し、いくつかの自社オリジナル作品とエキサイティングなエンターテインメントを生み出している。

 また、このニュースが本連載のトピックに上った理由を推測するのも面白い。保守はFoxニュースを見すぎて、ハリウッドに多くのお金と企業の関心が集まっていることに憤慨しているのだろうか? 右派はそもそも、映画スターが政治的な意見を持っていると、それをとても嫌う。おそらく、ほとんどの場合がリベラルな意見だからだろう。リベラル派の私としては、ボンドがまた、エキサイティングな冒険を披露してくれるのは、よいニュース以外の何ものでもない。

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