写真で見る分断 アメリカとメキシコの国境地域

写真で見る分断 アメリカとメキシコの国境地域


 昨年の大統領選におけるトランプ大統領候補の「メキシコとの国境に壁を建てる」という公約に興味を持ったイタリアの写真家2人(Edoardo Delille、Giulia Piermrtiri)がアリゾナ州内のメキシコ国境地域を訪れ、国境を巡回する軍事民兵部隊、国境を横断する密入国者、ボランティア「サマリタン」(困った人を助ける人の通称)の人々と9日間を過ごし、国境における彼らの姿を撮影した。 

 アメリカとメキシコの国境は太平洋岸からメキシコ湾岸まで2,000マイルもの長さにおよび、アメリカ側では4州にまたがる。毎年およそ3億5千万人が合法的に国境を越えるが、非合法に通過する人数はわかっていない。米国境警備は、昨年だけで40万8千人(うち4分の1は子供)の密入国者を捕らえており、少なくとも333人の死体を発見している。

 前述した2人の写真家による写真シリーズ『Far South(遠い南)』には、国境周辺をパトロールする物々しい民兵たち、喉の渇きと疲れと安堵で泣きながらボランティアの足元にひれ伏す密入国者、ボランティアが補給する給水所のドラム缶などの写真が収められ、 「自国を守ろうとする人々と、自分たちの人生を守ろうとする人々」のそれぞれの姿を映し出している。心打たれる写真の数々に、RedとBlueはどう反応するのか?

出典『Wired』
引用元:Wanna See How Divided the Country Is? Visit the US-Mexico Border

RED: 米国とメキシコ間に国境がある理由
“Wired.com gets one thing right…there is in fact a U.S. – Mexico Border”

 アメリカの大半の左派メディアは、トランプ大統領が言うこと、すること、賛成していること、あるいはコメントしたことなど、何に対しても異様なほど嫌悪感を持っている。だから、アメリカとメキシコの国境に関する問題が、しばしばジャーナリストやメディア・ブロガーたちの議論の対象に上るのだ。

 このWired.comの記事の解説には、幸いなことに害がない。しかし、彼らの論拠にはひとつだけ欠陥がある。国境は、ひとつの国を分断するものではない。国境とは二つの国、メキシコとアメリカを定義するものであり、二つの国の境界線である。国境の一方の側であるアメリカは、個人の自由と権利を認める法で統治された国家であり、移民たちにとっては希望の象徴になりうる。もう一方の側はメキシコだが、メキシコはアメリカと同じ国ではない。メキシコは良い国だが、自由、チャンス、信頼できる政府、より良い生活、法による統治国家、個人への尊厳を望んでいる者にとっては、移住したい国とは言い難いだろう。

 国境は尊重されなければならない。国としてのアメリカ、アイデアとしてのアメリカが何らかの意味を持つのだとすれば、それは土地、人間、そして領土の境界が絶対だからだ。国境を違法な形で超える違反行為は、それが個人、団体(テロリストなど)、外国の軍隊など問わず、許されるべきではない。不法移民がそれを越えようとすることは、隣国との信頼・友好関係への冒涜に等しいと言えるだろう。


BLUE:外部からの視点で見る米メキシコ国境は、我々に真実を見せてくれる
“An Outsider's View of the US-Mexico Border Helps Us See the Truth”

 イタリアの写真家は、アメリカの政治の影響を受けずに国境の状況を見ることができた。メキシコからアメリカへの国境を越えるのは人間なのだ。この事実は、アメリカの政治的な誇張のせいで見失われている。トランプと彼の支持者たちは、移民について否定的な側面ばかりを話したがる。トランプ支持者ではない人たちは、アメリカに不法に移民する人たちのほとんどが貧しく、飢えて、恐怖を感じ、ただ単によりよい暮らしを望んでいるだけだということを理解している。

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