砂漠の大祭典「バーニングマン」は何故これほど人気が高いのか?

砂漠の大祭典「バーニングマン」は何故これほど人気が高いのか?


 毎年、夏の終わりから秋にかけて、ネバダ州のブラックロック砂漠で1週間に渡って開催される大規模なアートイベント「バーニングマン」をご存知だろうか? 

 奇抜な衣装やボディ・ペインティングを身にまとった大勢の人々(なかには全裸の人々も)が、店もホテルも何もない砂漠に世界中から集まってくる。大きな彫刻や参加型展示作品の数々に囲まれ、ときには激しい砂嵐が襲う中で、 参加者たちはかなり過激とも言える10カ条の根本理念にのっとったフェスティバルを「共に創造」するのだ。 最終日の前夜には、同イベントのシンボルである巨大な木製の人形(バーニングマン)に火が放たれる。

 1986年に開始されたこのイベントの名称はアメリカでは広く知られているが、一般的な人々が持つイメージは、超特大のヒッピー集会かパーティーピープルが集まる過激なアートイベントであろう。砂漠の中にあるイベント会場へ行くだけでも相当大変なだけでなく、会場には何も売られていないため、参加者は1週間分の食料と飲料水など、サバイバルに必要なものを持参しなければならない。

 しかし実際には、このフェスティバルの人気は凄まじい。入場チケットが425ドル(約47,000円)とかなり高額であるにもかかわらず、2017年の参加者は7万人を超えた。有名人や芸能人の参加者も多く、近年の顔ぶれには、歌手のケイティ・ペリー、俳優のウィル・スミス、グーグル共同創業者ラリー・ペイジ、テスラ社CEOのイーロン・マスクらもいる。同イベントは非営利組織ながら巨額の収入を上げており、たとえば2015年の売上げは3,700万ドル(約41億円)だ。売上げの大部分が翌年に再投資され、イベント運営が継続されている。今や世界中に80もの同名イベントが誕生し、南アフリカやイスラエルでの開催時には、それぞれ1万人を超す人々が押し寄せた。

 一体なぜ、これほどまでに人気があるのだろうか? 先月、英BBC放送が同フェスティバルの最高責任者マリアン・グッデル氏(54歳)をインタビューした。同氏は1995年にこのイベントに参加者として初参加した際にイベントに魅せられて、翌年からスタッフになり、2013年からは初代チーフ・エグゼクティブとして、サンフランシスコにある本部で約100名のスタッフを率いている。彼女の仕事は、「バーニングマン」が、ただの「砂漠の8日間イベント」ではないことを世界に示し、知名度を高め、資金を集めること。フェスティバル運営に加え、 自然災害や貧困と闘うコミュニティ支援運動「国境なきバーナーたち」や、社会事業のスタッフ育成を行う「バーニングメン・リーダーシップ会議」など世界中でチャリティー活動も行っているそうだ。

 もちろん、イベント運営はいつも順風満帆なわけではなく、「すべての人を受け入れる」、「隣人と協力する」といった根本理念の実現は難しい。昨年のフェスティバルでは、豪華なキャンプ・エリアを狙った盗難や破壊事件が起き、さらに今年はメインイベントである燃え盛るバーニングマンの炎に参加者が飛び込んで焼死するという事件も起きた。また、チケットが入手困難なあまり、一部の特権的な人のイベントになってしまったという批判も起きている。だが、グッデル氏は、「バーニングマンは参加者の人生を変え、誰もが新しい自分になって帰って行くような強烈なイベント。誰にとっても、それほど特別なフェスティバルなのだ」と話している。

 お金を使わないユートピアで過ごすために、何も売られていない砂漠に7万人が集まる。8日間にわたる熱狂的な昼夜のパーティーを快楽主義だと言うか、スピリチュアルな旅、または新しいアイデアを交換する旅だと言うかは参加者次第だが、それを体験したい人たちで、来年のチケットも飛ぶように売れることだろう。ちなみに来年2018年のバーニングマン開催日程は8月25日〜9月1日だ。

引用元:What does it take to run the Burning Man festival?
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