「フィアレス・ガール」像を考案した企業の女性賃金差別が明らかに

「フィアレス・ガール」像を考案した企業の女性賃金差別が明らかに


 ニューヨークの金融街ウォールストリートの観光名所として有名な「猛牛の像」。今年3月の国際女性デーに、その猛牛の像に向かって立ちはだかる小さな少女の像「フィアレス・ガール(恐れ知らずの少女)」が造られて以来、その像と一緒に写真を撮る大勢の観光客でにぎわっている。

 この可愛らしくたくましい像の設置を考案したのは、ボストンの金融サービス会社、ステイト・ストリート社。性別多様性(ジェンダー・ダイバーシティ)を重視する企業に投資する同社の株価指数連動型投信「SHE」のプロモーション活動の一環として設置された。この像によって一般にも広く名前が知られるようになった同社は、自社内の女性登用や女性の活躍も大きく宣伝していたが、現実はそれと異なっていた可能性が発覚し、ニュースになっている。

 米労働省による2012年度の監査で、同社が300人以上の上級職の女性社員に、同じランクの男性よりも少ない給料しか払っていなかったことが明らかになったのだ。同社はこの監査を踏まえ、このほど500万ドルの調停金の支払いに同意したという。さらに今後、黒人の幹部の給料が白人の幹部より少なかったという申し立てに対しても、しかるべき対処がなされる予定だ。

 労働省によると同社側は女性および黒人社員に対する、いかなる賃金差別も否定している。同社の担当者は、ビジネス雑誌『フォーチュン』誌の取材に対し、「ランクごとの同一賃金の実施には熱心に取り組んでおり、いかなる差別も起こらぬよう定期的に審査している」、「当社は労働省の分析と指摘事項には同意しないが、調査には完全に協力してきた。」と話しているが、『ブルームバーグ』通信の調べでは、同社は、2017年の性別賃金に関して、11の株主提案のうち2つにしか同意していないことも明らかになっている。

  「フィアレス・ガール」像は、設置後にニューヨーク市運輸局によって公共アート・プロジェクトの一部と認められ、女性の地位向上のシンボルとなっている事実は何ら変わらない。しかし、この像の考案者であるステート・ストリート社は当分の間、社会から懲らしめられるだろう。

引用元:The Company Behind the Fearless Girl Statue Will Pay a $5 Million Settlement Over Equal Pay for Women
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