NY市警が仕事を止めたら犯罪が減った?

NY市警が仕事を止めたら犯罪が減った?


 2014年7月、ニューヨークである黒人男性が路上でタバコを売っていた容疑で逮捕された。その際、警官の取り押さえが原因でその男性が死亡したが、関与した警官は不起訴になった。これをきっかけに抗議運動が発生し、警官2名が射殺されるなど、市民と警察の間の緊張が高まった。
 そこでニューヨーク市警は2014年後半から2015年前半にかけて、殺人、レイプ、強盗、自動車泥棒などの重大事件のみに取り組むようにし、軽犯罪の取り締まりを緩めたところ、同期間中の犯罪件数が減少したという調査結果がこのほど報告された。しかも、軽犯罪だけでなく重犯罪の件数も減少していたという。この事実をRedとBlueはどう受け止めるのか?

出典『ars TECHNICA』
元記事:NYC Cops Did a Work Stop, yet Crime Dropped

RED:リベラル派の幻想の中でのみ有効、現実には無理
“This only works in liberal fantasies…not in reality”

 リベラル派は、都市や地域の警察が犯罪の発生を抑止することに対して、ほとんど効果がないと主張している。これは、警察の戦術は役に立たないだけでなく、黒人とラテン系アメリカ人に対する差別である、という説を助長するものだ。

 この論証は嘘だ。1990年代初頭、民主党のニューヨーク市長、デイビッド・ディンキンズの元で犯罪率が急上昇した後、ルディ・ジュリアーニ市長が「壊れた窓」として知られる、警察が軽犯罪法を積極的に施行する戦術を用いて検挙に尽力し、その後、犯罪率が下がった。その際、ニューヨークでは地下鉄での重罪が75%減少し、回転式改札の不正通過者の7人に1人は武器を所持しているか、重罪で指名手配中の犯罪者だったことが分かった。

 この記事には、数字に裏付けられた事実がひとつもない。実際に2015年にニューヨークで警備を減らした結果、犯罪が減ったという証拠の数字は出ていない。このリベラル派の幻想が事実であるという信頼できる証拠を見るまでは、私の疑いは変わらない。


BLUE:警官は、彼らが敵ではないということを立証できる
“Police Can Show They Are Not the Enemy”

 多くのアメリカ人が、自国の警官を信用できないというのは悲しい事実だ。その理由のひとつには、毎年、警官に多くの人々が射殺されているということがある。人(多くの場合、特定の人種)によっては、ただ警官に話しかけただけで違反チケットを切られたり、逮捕されたりすることもある。

 しかし、そういうことを多くの警官が行っていることを、まったく知らないアメリカ人たちも多い。そういう人たちにとって警官は、パトカーでパトロールしてくれて、深刻な事件が発生した時には武器を携えて武装した車で出動する人たちというイメージなのだろう。警官が通りを歩いてパトロールする地域などアメリカでは相当少なくなったが、そういうことが行われている地域は犯罪率が低く、そこに住んでいる住民は警官を信頼する傾向が高いのは当然だ。

 アメリカのいくつかの地域では、警官が馬に乗っているところもあり、人々は馬を見るのを楽しみ、警官とフレンドリーに話したりできる。馬を所持できる地域は往々にして裕福で、犯罪も少ない。貧しい地域には馬に乗った警官などおらず、犯罪率も高い。そうした地域では、警官も誰かに撃たれるかも知れないので歩いてパトロールなどしたくないだろうし、誰にでもフレンドリーにはなるのは難しいだろう。

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