アメリカはバカと悪人の国

アメリカはバカと悪人の国


 ブルームバーグのコラムニスト、ジャスティン・フォックス氏が、米国が保守とリベラルが明確に分裂している原因について考察した。同氏は、双方の政策の違いが分裂を招いているのではなく、一般に保守派はリベラル派を「ナイーブでバカだ」と考えており、リベラル派は保守派を「悪人だ」と考えていると指摘。それに伴う両者の言葉や態度が分裂の原因であり、トランプ大統領は、それを分かった上で過激な態度や言語を好んで用い、忠誠を要求し、意図的に二者の分裂を深めていると主張している。同氏は、人は個人的に知り合えば理解し合えるという「性善説」を取っているが、RedとBlueはどう考えるか?

出典『Bloomberg』
元記事:One Nation, of Idiots and Evil People

RED:政治とは信念の同義語だ
“Politics is another word for Principles”

 メディアは政治を、ひとつの集団がもうひとつの集団に対抗するという、単なる集団主義の形として表現することが好きだ。メディアにとっては、誰かの政策が妥協や変化、進化への前提となっていると主張する方が簡単だからだ。しかし、政治は集団文化の問題ではない。名誉、真実、正義、平等、同情、信仰など、自分が何を信じるかという、信念の問題だ。例えば、個人の名誉は重要である。もし他人に嘘をついたとしよう。ほとんどの場合、嘘をついても公的に責任を負わされないだろうが、社会に対して恥ずかしいだけでなく、自分自身にとって不名誉なことだ。かつて私は仕事を教えてくれた人にこう言われたことがある。

 「誠実であるということは、水の入ったコップのようなものだ。自分に妥協したり、不名誉なことをしたり、嘘をついたり、ごまかしたり、盗んだりすると、そのたびにコップから水が少しずつこぼれる。何度もそういうことをすれば、コップは空になる。そうなったら、それは自尊心のない人間と同じだ」


 この記事を書いたようなリベラルは、左派と右派の政治的な分裂は主に個性や集団文化的な問題だと示唆したがっている。そうすれば、政治的信念は無関係なものとして排除し、正しいか間違っているかではなく誤解だとすることが容易だからだ。しかし、そうはいかない。真実は真実で、名誉は名誉だ。ただ単に、ヒラリー・クリントンやバラク・オバマのようなリベラルの行いを弁解するのに便利だからという理由で、これらの価値を貶めることはできない。


BLUE:本当に2種類のアメリカ人がいるのだろうか?
“Are There Really Two Americas?”

 アメリカでは、ほとんどの人が学校で忠誠の誓いを暗唱する。その誓いは、「私はアメリカ合衆国国旗と、それが象徴する万民のための自由と正義を備えた、神の下の分割すべからざる一国家である共和国に、忠誠を誓います」というものだ。アメリカはひとつの国だ。ただ、ひとつの国家だ。そして、自由と正義は私たち全てに帰属するものであり、自分たちが好きな人たちだけに属するものではない。

 もちろん、政党とインターネット・メディアは、国の分裂を都合よく利用することができる。アメリカ人は、まるで自分が応援するスポーツチームを選ぶように、政党を選ぶことに奮い立たされる。政治家は、「我々対彼ら」という心理から発生する政治的忠誠心によって利益を得られるからだ。最良の候補者を選ぶのではなく、我々は「あちら側」を勝たせてはならない、と言われる。ウエブサイトやソーシャルメディアは、議論が始まるとクリック数が増える。分断していると言われるアメリカでは、そんな議論は簡単に始まる。

 私たちが忘れていることは、みんな本当は同じこと――家族にとっての最善、国にとっての最善――を望んでいるということだ。もしも私たちが、ばかばかしい政治的な分離や相違を俯瞰して見ることができれば、アメリカ人には自分たちが思っているよりも、もっと共通点があることを発見できるに違いない。

この記事の寄稿者





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