学校給食改善に努めたオバマ夫人、トランプ政権に憤慨

学校給食改善に努めたオバマ夫人、トランプ政権に憤慨


 アメリカの肥満問題は深刻だ。アメリカで生活する子供の1/3近くが太り過ぎで、糖尿病予備軍とされている。オバマ政権時代、ミッシェル・オバマ大統領夫人は子供の肥満撲滅キャンペーン「レッツ・ムーブ」を立ち上げた。その取り組みのひとつに、家庭や学校給食で栄養バランスのよい食事を提供する仕組みがある。これは大統領夫人としての彼女の遺産とも言えるべき功績とも言われている。
 ところがトランプ政権は5月初め、同キャンペーンを通じて規定された「塩分を減らし、全粒粉を用いる」という学校給食の規制を辞めさせた。そして同時に、レストランやスーパーマーケットでのカロリー表示の義務付けに対しても「待った!」がかけられた。
 こうした企業側の都合に合わせる米新政権の動きに対し、オバマ夫人は健康についての会議(Partnership for a Healthier America)の会場で「なぜ子供たちが栄養バランスの取れた給食を食べてはいけないのか? 何かがおかしくないか?」と聴衆に語りかけ、「それは子供のことなどどうでもいい、国民は無知でよいと思っているからだ」と、名前は言及しなかったがトランプ政権を非難した。オバマ政権下で夫よりも人気の高かったミッシェル夫人が子供の健康に捧げる情熱について、Redに反論はあるのか? また、それに対してBlueはどう応えるか。

出典『The Gardian』
元記事「Michelle Obama Savages Trump Administration for Gutting Her Legacy」
https://www.theguardian.com/us-news/2017/may/12/michelle-obama-trump-school-lunches-childhood-obesity

 200年以上も前に書かれたアメリカ憲法では、貴族制度および君主制の設立が禁じられている。一般的に言って、アメリカ人は他人に指図されるのを好まず、元大統領夫人だからと言え、考え方はもちろん、自分の食べるものまで指図されたくなどない。残念ながらミッシェル・オバマは、そういう国民からのメッセージが受け取れないようだ。
 そんな彼女がこよなく愛する「学校給食プログラム」について、少々言いたいことがある。まず、給食はまずい! オバマ夫人は、子供たちは本当に何が好きなのかを忘れてしまったようだが、子供は不満を表すことに遠慮はしない。2012年から2013年の間、120万人もの子どもが学校給食を「購入すること」を辞めている。それは、なぜか? トランス脂肪酸を取り除き、1/2カップの果物や野菜を添え、低脂肪ミルクにしたオバマ夫人の学校給食規則のせいなのだ。
 子供たちは、つまらないものは正直に拒絶する。しかし、ありがたいことに、そのプログラムは終了した。アメリカ中の子供たちが、クッキーやポテトチップス、ピザ、チョコレートミルクなど高カロリーなものが給食メニューに戻ってくるのを大喜びしているに違いない。

 アメリカの学齢に値する子供の17% は肥満で、この20年間で子供の2型糖尿病の数は急増した。それなのに学校で、脂肪や塩分・糖分をもっと与えることに、どんな得があるというのだろう? 
 トランプ大統領が、オバマ政権下に設置された学校給食に対する規制を取り除くことによって得られる利益は、「質の劣る食材を使い、その差額を儲ける企業」だけである。「子供たちは健康的な食事を好んで食べないこと」を理由に、学校給食の質を下げても良いとするのは、まるで「宿題は面白くないから、やらない」という子供と同じくらい、子供っぽい発想だ。しかも、給食にジャンクフードを出させない規制を排除したことを選択権の勝利のように誇らしげに語るトランプ大統領は、空港のセキュリティー・チェックを排除して安全性の勝利だと言うのと同じだといえるほどナンセンスだ。

記事トピックスは過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

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