再生紙はもはや常識? 環境に優しいファストフード

再生紙はもはや常識? 環境に優しいファストフード

アメリカのファストフード企業の多くは、このところ環境配慮を全面に押し出したマーケティングを行っている。環境配慮の一環としてパッケージに再生紙を利用し、プラスチック・ストローを廃止し、パッケージのリサイクルなどを行うだけでなく、商品を包むパッケージの全てを「堆肥化可能なもの」にしたという企業も現れた。


地元に根づき、環境に優しい「Taco Time Northwest」

 ワシントン州発祥のメキシカン・ファストフード・チェーンの「Taco Time Northwest」。元は全米とカナダで1962年からビジネスを展開する「Taco Time」チェーンの一部だったが、「Taco Time」のコンセプトは引き継ぎつつ、食材調達法やビジネス哲学にこだわり、1979年にワシントン州西部以外でビジネス展開できる経営権を「Taco Time」から買い取ったという、少し変わった歴史を持つファストフード・チェーンだ。

 その「Taco Time Northwest」の現在の店舗数は75軒。同社が徹底しているのが「地産地消」で、現在同社で使われている食材のほとんどがワシントン州内から調達されている。これは地域の産業を助ける意味もあるが、同時に遠くの州や海外から輸入したものを使わないことで、長距離輸送を抑え、二酸化炭素排出を最小限にするという同社の環境配慮対策のひとつだ。

 この「環境に徹底配慮する」という姿勢は、彼らのビジネス・モットーでもある。地産地消以外にも、環境問題に意識の高いリベラル州の企業らしく、店舗で使われるパッケージは、リサイクルのみならず、すべて「堆肥化できる」ものを利用している。

店舗で容器や食べ残しを積極回収

 アメリカの多くの州では、普通ゴミとリサイクル・ゴミの他に、「Yard Waste(直訳では庭ゴミ)」と呼ばれるゴミの回収を行っている。この「Yard Waste」はガーデニングや庭の掃除で出る堆肥化可能なゴミを指すが、地域によってはシアトル市のようにYard Wasteの中に生ごみを入れても良い地域もある。

 Taco Time Northwestの容器は全て堆肥化可能なので、客の食べ残しも含め、基本的にはこのYard Wasteとしてゴミに出せる。万が一、Yard Wasteの中に食べ物やパッケージを入れてはいけない規則がある地域の場合は、店舗の袋に容器や残り物を入れて同社へ持っていけば、同社がゴミを堆肥化することを約束している。

 アメリカでは総体的に、環境配慮の意識が年々高くなりつつある。ことリベラル派の州では、もはや環境配慮は生活常識のひとつと言っても良いほどだ。しかし、Taco Time Northwestのように隅々まで行き届く徹底した環境配慮を行っているファストフード・チェーンはまだ少ない。昨今のアメリカの社会的な動きを見る限り、今後こうした配慮はアメリカのファストフード・ビジネスで標準化されていくことだろう。

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