
全米で最も尊敬する医師にも選ばれた 神経外科医としての輝かしい経歴を持つ鬼才、ベン・カーソン住宅都市開発省長官。自身が2015年に大統領選に立候補した際にも話題になったが、一般人の生活実情から“かけ離れた発言”を繰り返す政治家のひとりとして知られている。そんな彼がラジオ番組のインタビューで、「大きな意味でいうと、貧困は当事者の心理状態に起因する」と発言し、またしても波紋を呼んだ。
同長官は、「健全な思考態度を持つ人なら、全てを取り上げて道に放り出しても、少し時間が経てば必ず元いた場所に戻ることができると私は保証する。しかし、間違った思考傾向にある者は、たとえ世界中から必要なものを取り揃えて与えたとしても、何かの理由をつけて再び最低の場所に戻るはず。そこには、貧困精神ともいえるようなものがある」と述べた。
親の借金や不当な教育方針が理由で、本人の意思に反して生れながらにして “負のスパイラル”に落ちるような人は少なくない。そんな人々に最も理解を示す必要があるべき住宅都市開発省長官(ホームレス問題、低所得者家屋の配当などの監督)のこの発言は、不適当として非難が殺到しているという。しかし、トランプ大統領からのカーソン長官による信頼は厚く、政権的には同長官の発言は何の問題にもならないと予想される。