アマゾン・ドットコムで家が買える時代に

アマゾン・ドットコムで家が買える時代に

アメリカン・ドリームと聞いて多くの人がイメージするのは、「広い庭やプールがついた大きな家」。しかし時代の流れと共にこうした考え方は変わりつつあり、「必要最低限のものがあれば生活できる。家も小さい方が良い」と考える人がアメリカでも増えつつある。そんな時代の変化を象徴するのが、アマゾン・ドットコムで売られている家かもしれない。


配送料が無料という魅力

 今やすっかりアメリカ社会に必要不可欠なサービスとして根付いた「アマゾン・ドットコム」。「アマゾンで買えないものはない」と言われるようになって久しいが、とうとうアマゾンで家まで購入できる時代がやってきた。

 現在、プレハブ式の家をアマゾンで販売する企業は複数あるが、どの会社も売れ行きは上々だという。例えばLillevilla社がアマゾンで販売しているコテージ・ハウスは、畳約18畳サイズ。値段は18,800ドル、日本円で200万円強という価格だ。水回りには別工事が必要だが、2ベッドルームでロフトつき。家は組み立てに必要な道具と共に配達され、大人2人が作業して2~3日で完成させられるという。しかも、その配送料は無料。この家を紹介した映像はこちら。

小さい家はAirbnbや親の呼び寄せに、大きなサイズは……

 前出のLillevilla社の家は、生産してもすぐに売り切れる状況が続いており、オーダーから発送までに最低でも3週間、平均5週間を要するという。このコテージ・ハウスの購入用途は、自宅の庭に設置してAirbnbを運営したり、年老いた親の呼び寄せ用の住まいとして使うというケースが多いようだ。

 同様の業者の中には、2階建てでキッチン、お風呂なども完備したプレハブの家を販売している会社もある。こうした本格的な家の場合、購入者が自身の自宅にするのがほとんどで、値段も50,000ドル台(日本円で約550万円)が平均。所得がそれほど高くなくても手が届きそうな値ごろ感だ。

 市場調査会社IBISWorldによると、2013年から2018年にかけて、プレハブ・ハウス業界の売上高は年率8.6%増の105億ドルに達し、2018年だけで4.1%の成長を記録している。大きな家だけがアメリカの幸せの象徴ではなくなってきた今、「家の購入はアマゾンで」というのが主流になる時代が来るかもしれない。

この記事の寄稿者

関連する投稿


「えっ、そうなの?」 日本とは全く視点の異なるアメリカでの家探し(3)

「えっ、そうなの?」 日本とは全く視点の異なるアメリカでの家探し(3)

NYやLAなどの沿岸都市部に比べると、圧倒的に知られていないアメリカ南部。その文化、習慣、宗教観などをケンタッキー州よりジョーンズ千穂が紹介するコラム『アメリカ南部のライフスタイル』。「アメリカでの家探し」の第3回目、今回は新築の家を購入する際に気をつけたいことを説明しよう。


「えっ、そうなの?」 日本とは全く視点の異なるアメリカでの家探し(2)

「えっ、そうなの?」 日本とは全く視点の異なるアメリカでの家探し(2)

NYやLAなどの沿岸都市部に比べると、圧倒的に知られていないアメリカ南部。その文化、習慣、宗教観などをケンタッキー州よりジョーンズ千穂が紹介するコラム『アメリカ南部のライフスタイル』。「アメリカでの家探し」の第2回目は、新築よりも中古物件の方が人気ある理由を解説しよう。


米アマゾンの年末商戦、「子供の目線」のカタログ配布は功を奏すか?

米アマゾンの年末商戦、「子供の目線」のカタログ配布は功を奏すか?

昨年、米アマゾンドットコム社が突如開始したオモチャのカタログ。今年もホリデーシーズンに先駆けて、アメリカ国内の家庭にカタログが届き始めた。しかし昨年とは異なり、今年のアマゾンのカタログのマーケティングにはひねりがある。このカタログは、完全に子供たちに向けたものなのだ。


2020年版、「アメリカで最も求められる企業トップ100社」発表

2020年版、「アメリカで最も求められる企業トップ100社」発表

米ESG評価機関NGO「JUST Capital」による恒例の「America’s Most JUST Companies」の2020年度ランキングが発表された。地域への還元や雇用の創出、環境保全への取り組みなどの公共性など、時代を反映する各項目でそれぞれ高得点を得た米企業とは?


「えっ、そうなの?」 日本とは全く視点の異なるアメリカでの家探し(1)

「えっ、そうなの?」 日本とは全く視点の異なるアメリカでの家探し(1)

NYやLAなどの沿岸都市部に比べると、圧倒的に知られていないアメリカ南部。その文化、習慣、宗教観などをケンタッキー州よりジョーンズ千穂が紹介するコラム『アメリカ南部のライフスタイル』。今回から3回連続で、アメリカで家を買いたい方や、不動産投資を考えている方々にも参考になる「アメリカでの家探し」について解説しよう。






最新の投稿


米大統領選ガイド(9)「スーパー・チューズデーはなぜ重要なのか?」

米大統領選ガイド(9)「スーパー・チューズデーはなぜ重要なのか?」

2020年11月3日に実施される米大統領選挙。トランプ現大統領率いる共和党とリベラルな民主党が政権奪回を争う選挙戦は、その後の世界情勢にも大きく影響するが、米大統領選のルールはかなり複雑だ。そこで、米大統領選を2000年から取材しているジャーナリスト・西森マリーによる、どこよりも分かりやすい解説をお届けしよう。


【Red vs. Blue】トランプの弁護士一家が慈善基金から約71億円も受け取っていた件

【Red vs. Blue】トランプの弁護士一家が慈善基金から約71億円も受け取っていた件

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された新聞記事について各派のアメリカ人が見解を披露する。今回はトランプ大統領のお抱え弁護士であるセクロウ氏と彼の家族が慈善団体から約71億円も受け取っていたことについて。


環境問題をまじめに考えるアメリカの若者たち 

環境問題をまじめに考えるアメリカの若者たち 

ニューヨークにある名門コロンビア大学バーナードカレッジの学生・光田有希が、アメリカの大学生たちの文化やトレンドなどの情報をお届けするコラム。今回はアメリカの若者たちの環境問題への意識の高さや具体的な行動について。


12星座「ハリウッド開運術」2020年2月の運勢

12星座「ハリウッド開運術」2020年2月の運勢

ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスが、お届けする開運指南。星座が織りなす神秘のメッセージが、あなたを幸せへと導きます!


米大統領選ガイド(8) 「大統領選はカネで買えるのか?」

米大統領選ガイド(8) 「大統領選はカネで買えるのか?」

2020年11月3日に実施される米大統領選挙。トランプ現大統領率いる共和党とリベラルな民主党が政権奪回を争う選挙戦は、その後の世界情勢にも大きく影響するが、米大統領選のルールはかなり複雑だ。そこで、米大統領選を2000年から取材しているジャーナリスト・西森マリーによる、どこよりも分かりやすい解説をお届けしよう。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング