ワッパーが1円! バーガーキング、カンヌ広告グランプリ受賞

ワッパーが1円! バーガーキング、カンヌ広告グランプリ受賞

米バーガーキングがキャンペーンで採用した“トンデモナイ発想から生まれた冗談のようなアプリ特典”が、カンヌ・ライオンズ広告賞を受賞した。同社の宿敵であるハンバーガー・チェーンの王者マクドナルドの店員たちと、バーガーキングのワッパーを求める客たちの両者を大混乱させたお騒がせアプリ特典とは?


バーガーキングのワッパーをマクドナルドで買うアプリ? 

 世界中の広告の最高峰を競う恒例のカンヌ・ライオンズの結果が発表され、「Direct Lions」部門のグランプリは米バーガーキングのアプリ特典が受賞した。その斬新な発想が評価されたこのアプリ特典は、昨年末にバーガーキングが自社のモバイルアプリを活性化するために仕掛けたキャンペーンだ。アプリをダウンロードすると、バーガーキングの看板商品である人気のハンバーガー、“ワッパー”(Whopper定価$4.19、約420円)が、競合相手のマクドナルドの店舗で1セント(約1円)で買えるという、訳のわからない企画だ(しかし実際マクドナルドでは、この商品は買えない)。

 これまでも同社はファストフードの王者マクドナルドを相手に「ハンバーガー戦争中」などと様々なジョークを発信してきたが、今回は「マクドナルドに行って、ワッパーを注文すると1セントで買えるクーポンがもらえる!」と誰もが勘違いするような広告を打った。1円でワッパーが買えると聞いて、ハンバーガー好きのアメリカ人は大喜びし、たった9日間のキャンペーンでバーガーキングのアプリは150万ダウンロードを達成。大きな成果を生んだ。

 しかし、このキャンペーンは「全米で約1万4000店舗あるマクドナルドで、バーガーキングのワッパーを注文すると1セントで買えるクーポンがもらえる」のではなく、「マクドナルドの店舗の半径600フィート内でしか、このクーポンはダウンロードできない」という仕掛け。この宣伝が誤解を呼んだまま広がったうえに、このことをあえて「マクドナルドには伝えていなかった」ため(笑)、バーガーキングのアプリを手にした客がマクドナルドへ殺到。客はもちろん、マクドナルドの店員も混乱する様子を面白おかしくまとめた動画も話題を呼んだ。その両者の混乱ぶりがわかる動画はこちら。

何も知らされていないマクドナルドの店員の対応がおもしろい

 ワッパーが1セントで買えるクーポンの正しい取得方法は、まずバーガーキングのアプリをダウンロードして、マクドナルドの半径600フィート内に行くとアプリからクーポンが取得でき、取得と同時にアプリが最寄りのバーガーキングへ案内してくれるというもの。これにより同社はアプリの利用者が内蔵のナビ・システムをきちんと利用できているか否かがわかるわけだ。

 その説明を読み違えた大勢の客が、マクドナルドの店舗へ行って「バーガーキングのワッパーを下さい」と押し寄せてしまったため、マクドナルドの店員は意味がわからず「ここはバーガーキングじゃありません」、「うちにはワッパーはない」、「なんで今日はみんなそんなことを言うのか?」などと困惑。しかし、なかにはこの理不尽なオーダーに対して、「正直、ワッパーの方が美味しいわよね」と答えたり、バーガーキングへの行き方を丁寧に説明する店員もいたことで、マクドナルドの店員の好感度がアップするような場面もあり、面白いと評判になった。

 例年、このように斬新、かつ強引ともいえるアプローチで注目を集めるバーガーキングの広告だが、今年は「Direct Lions」部門のグランプリの他2部門でもゴールドを受賞。審査員が絶賛する結果となった。それでも業績はマクドナルドに及ばないのが残念だが、次の広告への期待も高い。今回のキャンペーンでは実際に何人の客が無事に1セントのバーガーを購入できたのかも気になるところだ。

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