フェイスブックに政治観を明記するか否か

フェイスブックに政治観を明記するか否か

保守とリベラル派の対立が激化し「分断された」と言われるアメリカだが、実際には中道派も多く存在する。二つの異なる思想の間で様々な思いを抱く中道派の視点で、グッドイヤー・ジュンコが語る。フェイスブックのプロフィール・ページの基本データの中にある「政治観」という欄。ここに「保守派」と堂々と書ける人とは?


政治の話がタブーではなくなったアメリカ

 来年は大統領選挙の年なので、政治ネタは日々の生活でも尽きることがない。以前のアメリカなら「政治の話は仲が良い間柄でもタブー」と言われていたが、そんな慣習は「ひと昔前のもの」という感じもある。

 リベラル派同士が集まれば、トランプ批判に会話が流れることは良くあるだろうし、保守派や中道派の間でも、もはや「政治の話題はタブー」という感じではない。あえて政治の話ばかりをする人は少ないかもしれないが、一旦、話に火がつけば、誰もが臆することなく自分の意見を発言するという場面は、珍しいことではなくなってきた。

今回も保守は「だんまり」を決めているのか?

 政治の話がオープンになったところで気になるのが、「隠れトランプ」たちの存在だ。前回の大統領選挙の前後、日本でも「トランプ支持や保守であることを口外すると、叩かれてしまうのであえて口にしていない人たち」のことが、さんざん取り上げられた。あれから数年経って、その状況はどのように変わっただろうか。

 私の住んでいる場所はリベラル派が大多数を占めるワシントン州シアトル市の近郊だが、人口構成的にいうと保守派も程よく混ざり合っているような場所だ。絶対数はリベラル派の方が多いが、教会やホームスクール・コミュニティを基盤に、保守派の結束も強固だと言える。

 先般、「次回の選挙で国を分断させないためには、隠れず堂々と自分たちの考えを示そう」ということが、知人の通う教会で話題になったそうだ。そして、それを機に今までだったらあえて空欄にしていたフェイスブックの「政治観」の欄に、「保守派」とカミングアウトする人が増えているらしい。リベラル優位の地域に住んでいて、この欄に「保守派」と書き込むのは、かなり勇気がいる行為だったはずだ。彼女の話が本当かどうかを確かめるべく、自分の友達400人強のうち、100人をランダムに調べたところ、「保守派」を公言している人が20人もいた。これには少し驚いた。前回の選挙では声をあげなかった人たちが、声を上げ始めているということなのかもしれない。

 トランプ政権にはさまざまな問題があるという認識が多い中、同時にそこに反発する過激リベラル派への不満も増幅している。リベラルな州に住んでいても、隠れることを止めたトランプ(保守)支持者たちが、選挙を通じて、どのような影響を社会に及ぼしていくのか、これから目が離せないところだ。

この記事の寄稿者

青山学院大学卒業。コマーシャルなどの映像コーディネーターを経て1998 年、宝塚歌劇団香港公演の制作に参加。その後プロデューサーに転身。株式会社MJ コンテスほか複数企業の代表として、ネバダ州立大学公認のピラティススタジオ日本進出事業や各種研修事業、2007 年に行われた松任谷由実の 「ユーミン・スペクタクル シャングリラⅢ」をはじめとする国内外の舞台・イベント制作など、さまざまな事業を展開。これまでにベストセラー数冊を含む70以上の書籍、DVD 作品を企画、プロデュース。現在も様々な事業を展開しながら“Go Tiny”(大切なものが、すべて半径5メートル以内にあることに気づこう!の意)というライフスタイルの提案も展開中。

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