マリファナ生産市場の拡大、一般嗜好品にも影響か?

マリファナ生産市場の拡大、一般嗜好品にも影響か?

昨年、5年間の農業政策などを定めた「2018年改正農業法案」が成立したアメリカでは、全土で産業用大麻(マリファナ草、ヘンプ草)の大規模栽培ができるようになった。こうした動きに押されるように、消費者市場にも様々な動きが出ているようだ。


アイスクリームがマリファナ入り?

 ユニリーバ社が同社傘下にある人気アイスクリーム・ブランド「ベン&ジェリーズ(Ben & Jerry’s)」の新商品のアイスクリームに、大麻由来のカンナビジオール(CBD)を追加する計画をしているという。

 大麻やマリファナというと「違法薬物」がすぐに頭に浮かんでしまうが、CBDとは大麻植物に含まれる主成分のひとつであり、厚生労働省の認可を得たものであれば、日本でも販売されている。大麻植物由来で問題になる成分は、テトラヒドロカンナビノール(THC)で、こちらは酩酊など、高い精神・神経系への作用を引き起こす。しかし、CBDもTHCも大麻草から抽出される成分であることが薬物を連想させるため、使用を危惧する声は高い。また現時点においては、CBDの食品への混入は、アメリカ食品医薬局(FDA)が認めていない。

 ベン&ジェリーズはCBD合法化に向けてFDAとの交渉を続けており、FDAが許可を出し次第、商品化に向けて具体的に動きたい意向だ。

一般嗜好品へのCBD導入、高まる期待

 同社は今月まで、FDAとの交渉を密に続けることを計画していると発表。合法化されれば、同社は同ブランドの本社を置くバーモント州内から、安定してCBDの調達が可能になるように動く予定だという。ベン&ジェリーズのCEO、マシュー・マッカーシー氏は、「私たちはベン&ジェリーズのアイスクリームのファンのために、この計画を実現する」と語っている。

 こうした動きは、何も同社だけに限ったわけではない。CBDを一般嗜好品に追加したいと願っている企業には、ウォルマートやターゲットなど、米大手小売りチェーン店なども含まれる。ウォルマートは、飲み物やグミのようなキャンディー系の商品や、スキンケアに使える局所用クリームとしてCDBを取り入れたい意向もあると話している。

 CBDはTHCとは異なるものの、ストレス軽減や慢性的痛みを和らげる効果などがあると言われている。「マリファナではない」と言われても、こうした効果を聞けば不安になる人は大勢いる。「子供たちが大好きなアイスクリームにまで、マリファナ解禁の影響が派生しているのでは?」という懸念を表す人たちは、さっそくソーシャルメディアを中心に声を上げ始めているが、いずれにしても来月以降には、本件における何等かの見解がFDAから示されるはずだ。

この記事の寄稿者

関連する投稿


米大リーグ、マリファナを禁止薬物から除外

米大リーグ、マリファナを禁止薬物から除外

大谷翔平選手や田中将大選手など、日本人の野球選手たちも所属する米大リーグ機構、メジャーリーグ・ベースボールが、日本では大麻と呼ばれるマリファナを禁止薬物リストから除外し、酒類と同等の扱いに変更することが決まった。


犬好き同士の出会い系アプリ登場! デートは愛犬と一緒に

犬好き同士の出会い系アプリ登場! デートは愛犬と一緒に

犬を飼っている人や、犬が好きな人を対象にした出会い系アプリ「WOWZER」。これを始めたのは、全米で最も犬にフレンドリーだといわれる都市シアトル在住の愛犬家2人だ。犬と一緒に生活したい人同士をマッチングするアプリとは?


ストレス過多の味方! 「重い毛布」トレンドで米寝具市場が熱い

ストレス過多の味方! 「重い毛布」トレンドで米寝具市場が熱い

ストレスは万病の敵。少しでもストレスを軽減するための商品は星の数ほどあれど、数年前から注目されている「重い毛布(Weighted Blankets)」の市場の成長が止まらない。大手もキックスターター企業も入り乱れ、重い毛布が次々と市場に登場。今年のクリスマス商戦の目玉商品のひとつになることは間違いなさそうだ。


マインドフルネスの味方! テックな瞑想クッション

マインドフルネスの味方! テックな瞑想クッション

「マインドフルネス」という言葉がアメリカに浸透して久しいが、「マインドフルネス」を手に入れるために最も推進されているのが「瞑想」だ。グーグル社などの大企業や米軍など、生産性の向上のために精力的に瞑想を取り入れている組織も多い。そんな中、慣れない人でもすぐに深い瞑想に入れるように開発中の商品が早くも話題になっている。


アメリカでも人気のタピオカ・ドリンク とうとうアルコール入りも

アメリカでも人気のタピオカ・ドリンク とうとうアルコール入りも

日本でも大人気のタピオカ・ミルクティー。アイスティーをはじめとするタピオカ入りドリンクの人気がアメリカでも沸騰し、全米に様々な店舗が現れている中、各社が斬新なブランド・イメージや独自メニューを打ち出して競争している。






最新の投稿


米大統領選ガイド(10)「トランプは勝てるのか?」

米大統領選ガイド(10)「トランプは勝てるのか?」

2020年11月3日に実施される米大統領選挙。トランプ現大統領率いる共和党とリベラルな民主党が政権奪回を争う選挙戦は、その後の世界情勢にも大きく影響するが、米大統領選のルールはかなり複雑だ。そこで、米大統領選を2000年から取材しているジャーナリスト・西森マリーによる、どこよりも分かりやすい解説をお届けしよう。


BizSeeds編集部スタッフがお届け!『ロックダウン・アメリカ』スタート

BizSeeds編集部スタッフがお届け!『ロックダウン・アメリカ』スタート

新型コロナウイルス、死者・感染者ともに拡大を見せているアメリカ。ロックダウンが始まって1ケ月今日、アメリカのフツーの人は、どうやってロックダウン生活を過ごしているのか? 


新型コロナウイルスでトランプ叩きをする米大手メディア

新型コロナウイルスでトランプ叩きをする米大手メディア

米テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、米国内でも報道されにくい保守派の声をお届けする、西森マリーの「トランプ支持がなぜ悪い? アメリカ保守派の考え方」。今回はトランプ大統領を嫌っている米大手メディアと民主党によるトランプ・バッシングが、度を超えているという著者の意見を例を挙げて紹介しよう。


コロナウイルスにどう立ち向かう? 12星座「ハリウッド開運術」特別編

コロナウイルスにどう立ち向かう? 12星座「ハリウッド開運術」特別編

ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスが、お届けする開運指南。今月は新型コロナウイルスが猛威を振るう世の中における、今後の動向を星の配置や数秘の観点からお伝えしていきます。


トイレットペーパーを買い溜めても、コロナが招いた問題は解決しない

トイレットペーパーを買い溜めても、コロナが招いた問題は解決しない

圧倒的にリベラル派が多く住む米西海岸から、トランプ大統領と共和党の政策に真っ向から反対する日系アメリカ人ジャーナリスト、マイク佐藤がお届けする「トランプを支持しない人たちの声」。今回は、新型コロナウィルス感染防止で自宅に篭るべく、個々が食料品や雑貨の買い溜めをして備えているが、「忘れられている備え」があることについて。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング