50歳以上の女性を対象にした一軒家シェア・マッチングとは

50歳以上の女性を対象にした一軒家シェア・マッチングとは

地域などで差はあるものの、一般的に個人主義と言われるアメリカ人は、高齢になってもひとり暮らしを好む傾向が高い。しかし50歳を過ぎて独身の場合は、必ずしもそうとは言えないようだ。一軒家の所有者で同居人を探している人と、賃貸マンションやアパート暮らしに不安を感じている人をマッチングさせるサイトの人気が上がっているという。


一軒家に住みたいが、ひとりで住むのは不安というケースに最適

 アメリカ人は車を所有し、庭付きの一軒家に住むライフスタイルを好む。そんな「アメリカン・ドリーム」の典型的なイメージ、あるいはプライバシーを何よりも重視する人の人数が単に日本人よりもずっと多いことなども手伝ってか、一軒家に住む人たちがとても多い。

 しかし、一軒家は住宅ローンも含めて維持するのがなかなか大変だ。賃貸に移行したいと考える人の数も昨今では増えつつある中、アメリカでは「ベイビー・ブーマー」、つまり団塊世代といわれる現在60歳代後半から70歳代を中心とする50歳代以上の人たちの多くが、住宅問題に直面していると言われている。ハーバード大学の住宅事情研究所によると、今後20年で65歳以上で賃貸住宅が必要な人の数は現在より8割増え、1,150万人になる見込みだという。

 家族との死別や子供が巣立った後に離婚して、ひとりで一軒家に住む50歳以上の人が増え、その家の維持を含めてひとりで老後を迎えることに不安を抱える人が増える中、借家でひとり暮らしをするベイビーブーマーも多い。そこに誕生したのが、ベイビーブーマーを対象とした有料ルームメート探しのサイトだ。

ベイビーブーマー同士で暮らす、新しいカタチ

 これらのサイトはどれも会員制で、一軒家の持ち主と、一軒家に間借りをしてゆったりと暮らしたいと考える人をマッチングしてくれる。たとえばルームメート・フォー・ブーマーズRoommates4boomers.comは月会費が$29.99(約3,250円)。メンバーになれるのは50歳以上で女性のみというサービス特性や、50歳を過ぎてから「生涯の親友」と出会えるかもしれないというコンパニオンシップを得られる可能性を大きな売りにしている。

 団塊世代のハウスメートを年齢括りで対象にしているマッチング・サイト、シルバーネストSilvernestは、一軒家の持ち主は月$24.99(約2,700円)だが、入居する家を探している人は1カ月$29.99(約3,250円)の月会費を払ってマッチングをしてもらうシステムだ。徐々に会員も増え、今では年間で約4,000組のマッチングをしているという。

 一軒家の一部屋を借りる方が、マンションやアパートの一部屋を借りるよりも相場が安く、使用できる面積も広いため経済的に助かるだけでなく、突然倒れたときなどにも「家の中に他者がいるから、助けを呼んでもらえる」という安心感が得られる。しかし、AARPポリシー・インスティチュート のディレクター、ロドニー・ハレル氏によると、「団塊世代は経済的な問題を回避するためだけでなく、他者との繋がりを求めて同居人を探している人が増えている」と話す。

 マッチングが成立後は追加料金を払って犯罪歴などを調査することもでき、そのサービスが特に人気が高いというのもアメリカらしいが、個人主義で知られてきたアメリカに変化が出はじめたのは間違いなさそうだ。

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