クレジットカード社会のアメリカらしい、子供向けサービス

クレジットカード社会のアメリカらしい、子供向けサービス

日本とは異なり、アメリカでは50ドル以上の現金を持ち歩く人はとても少ない。「現金はまったく持たず、クレジットカードかデビットカードのみ」という人も大勢いる。そんなカード社会だからこそ重宝されている、子供向けのサービスがある。


アメリカの子供たちの“お小遣い事情”

 日本では、子供たちの「毎月のお小遣い」と言えば、現金が一般的だろう。しかし、クレジットカード社会のアメリカでは、子供に現金を渡す親はほとんどいない。そもそもアメリカでは、多くの州で13歳以下の子供が家の中にひとりでいたり、大人の同伴なしで外出することが禁じられているため、「小遣い片手に、子供がひとりで近所にお菓子を買いに行く」というような微笑ましい光景は、ほぼ見ることができない社会的な背景もある。子供が渡された現金をどう使うかということから金銭感覚を学ぶことは重要だが、現金社会ではない国では、なかなか簡単にはいかないのである。

 それでは、アメリカの子供たちは、どのようにクレジットカード社会の現実を学ぶのだろう? それに悩む親が多い中、多くの親たちのニーズを満たすデビットカード・サービス「Greenlight」が評判を呼んでいる。そのサービスを紹介した映像はこちら。

決済する前に、それを支払うかどうかを親が選択できる

 このサービスが優れている点は、アプリを通じて親が子供の支払いに関与できることだ。親の同伴なしで外出できる年齢の子供が買い物に出掛けてお金を使おうとしても、親の承認なしには決済ができない仕組みになっているのである。また、写真メッセージ機能を使って、事前に子供から親へ「この商品を購入していいか?」と聞ける点も、親が安心できる機能だ。アプリを通して子供とやり取りすれば、子供は親に相談しながら買い物ができるので、親が知らない間に露出度の高い洋服や、禁止されているゲームやガジェットを購入してしまうことも防ぐことができる。

 アメリカのクレジットカードは、日本のクレジットカードとは基本的機能が異なる。日本ではカードを使った翌月に全額精算、あるいは金額を均等に割った「リボ払い」が一般的だろう。しかしアメリカの場合は、最低支払金額さえ支払えば、自分でその月の返済金額を決めることができ、かつ支払い期限を特に定めることなく分割払いを続けられる仕組みになっている。そのため、クレジットカードをいくつも作って最低支払金額だけを払い続け、結果的に借金が膨れて自己破産してしまうケースは後を絶たない。

 だからこそ、アメリカの親たちは、「将来、子供たちが多重債務を抱えないように、正しい金銭感覚を教育する必要がある」と考える人が多い。そういう背景ゆえ、「親が子供の買い物に関与しながら、子供に金銭的自立を促す機会を与える」ことができる「Greenlight」が、高い支持を得ているようだ。

この記事の寄稿者

関連する投稿


アメリカ生活に欠かせない「持ち寄り&助け合い」最強アプリ

アメリカ生活に欠かせない「持ち寄り&助け合い」最強アプリ

アメリカでは、夏の行楽シーズンや、卒業・学年末などのシーズンになると「SignUpGenius(サインナップ・ジニアス)」というサイトを使ったEメールが頻繁に飛び交う。学校やサークル、ボランティア活動、様々な集会などに欠かせない便利なツールの具体的な使われ方とは?


ワッパーが1円! バーガーキング、カンヌ広告グランプリ受賞

ワッパーが1円! バーガーキング、カンヌ広告グランプリ受賞

米バーガーキングがキャンペーンで採用した“トンデモナイ発想から生まれた冗談のようなアプリ特典”が、カンヌ・ライオンズ広告賞を受賞した。同社の宿敵であるハンバーガー・チェーンの王者マクドナルドの店員たちと、バーガーキングのワッパーを求める客たちの両者を大混乱させたお騒がせアプリ特典とは?


アメリカ中のBBQを食べ歩いて1万ドル貰える、おいしい仕事とは?

アメリカ中のBBQを食べ歩いて1万ドル貰える、おいしい仕事とは?

アメリカを代表する肉料理のひとつ、バーベキュー・リブ。どの街にも我こそが一番だと名乗るバーベキュー自慢の店があり、独自のスパイスや焼き方を追求している。そんな中、ある大手企業が「1万ドルを貰って、アメリカで最も美味しいバーベキュー・リブを探してくれる人」という求人広告を出し、大きな話題を呼んでいる。


アヒル型ロボットをがんと戦う子供たちへ

アヒル型ロボットをがんと戦う子供たちへ

医療・がん保険の「アフラック」と聞けば、多くの人はコマーシャルに登場する、コミカルでちょっとトボけたアヒルを思い出すだろう。そのアヒルを模したロボットを、がんの子供たちに届けようという取り組みが始まった。同社がロボテック会社のSproutel社と共に開発したアヒルを紹介しよう。


キッズがおねだりする洋服の秘密

キッズがおねだりする洋服の秘密

最近、アメリカの子供たちの間で爆発的な人気を集めている洋服がある。ロサンゼルスのメーカーが販売している「Cubcoats」だ。可愛くて便利な上着の全容とは?






最新の投稿


どんなに銃撃事件が続いても、銃を手放さない米保守派の言い分とは?

どんなに銃撃事件が続いても、銃を手放さない米保守派の言い分とは?

米テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、米国内でも報道されにくい保守派の声をお届けするコラム、西森マリーの「トランプ支持がなぜ悪い? アメリカ保守派の考え方」。今回は、罪のない大勢の人々が犠牲になる悲惨な銃撃事件が立て続けに起きているアメリカで、銃規制に断固として反対し続ける保守派の見解を著者が解説する。


今週の神秘ナンバー占い(2019年8月23日〜29日)

今週の神秘ナンバー占い(2019年8月23日〜29日)

当たりすぎて怖い? ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスがお届けする今週の神秘ナンバー占い。神秘ナンバーとは、東洋数秘術、西洋数秘術、アステカ秘術など複数の占術をベースに導き出す、運気を読み解く数字のこと。あなたの運勢はどのように変化する?!


ヴィーガンが崇める植物製肉「ビヨンド・ミート」の勢いが止まらない!

ヴィーガンが崇める植物製肉「ビヨンド・ミート」の勢いが止まらない!

「健康維持と環境保護ができる代替肉ブーム」が、北米で止まらない勢いを見せている。なかでも、植物ベースの代替肉としてベジタリアンやヴィーガンなどの健康志向の人たちを中心に大人気の「ビヨンド・ミート」は、今年5月に上場して以来、株価が2カ月弱で9倍にまで上昇。一時はIPO幹事行が投資判断を引き下げたほど注目が集まっている。


【Red vs. Blue】「白人共和国」を望む共和党は、自由の国アメリカを破壊するのか?

【Red vs. Blue】「白人共和国」を望む共和党は、自由の国アメリカを破壊するのか?

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された新聞記事について各派のアメリカ人が見解を披露する。今回はタイム誌の「共和党はアメリカを白人共和国にするためにトランプを支持し、アメリカを破壊しようとしている」という記事について。


世界初! サンフランシスコ空港「プラスチック製の水ボトル販売禁止」を決定

世界初! サンフランシスコ空港「プラスチック製の水ボトル販売禁止」を決定

米カリフォルニア州のサンフランシスコ国際空港が、8月20日から空港内における使い捨ての飲料水入りペットボトルの販売を禁止することを発表した。世界的にプラスチック製ゴミの問題が大きくなる中、それを減らすために市をあげて取り組む姿勢だ。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング