こんなに違う! アメリカの「就活」常識

こんなに違う! アメリカの「就活」常識

ニューヨークにある名門コロンビア大学バーナードカレッジの学生、光田有希が、アメリカの大学生たちに人気のアプリやサービス、学生たちのトレンドなどの情報をお届け。今回は日本とは異なる、アメリカの「就活」の常識について。


アメリカの就活には必須?「インターン」制度

 日本では就職活動がそろそろ終わりを迎える時期だが、アメリカの学生はどのようにして次のステップを見つけるのだろうか。学生から社会人になるという同じプロセスでも、その時期や戦略など異なる点が多々ある。もちろん個人差もあるが、今回はこの二国の学生を比較して紹介してみようと思う。

 まずは時期。日本の就活は大学3年生の終わり頃から4年生のはじめにかけて本格的に行われる。一流企業は短期インターンを通して採用する場合もあるため、大学3年生の終わりから活動する学生もいるが、基本的には4年生のはじめの数カ月で申請から面接を経て、夏頃までには就活を終える流れが一般的だろう。

 一方、アメリカではインターン制度が就職の行方を決めるカギとなる。学生たちは夏季、また学期中に企業や団体などでインターンをさせてもらうことが主流で、その長期インターンの働きぶりを通して内定をもらうことが多い。こういった内定のもらい方をリターン・オファー(卒業したら正社員として採用)という。就活の時期も基本的には決まっておらず、卒業しても内定をもらっていない状態、次の年に何をするかも分からないというケースも少なくない。選ぶ業種によっては企業の決めたスケジュールで動かなければいけないこともある。たとえば投資銀行に勤めたい学生は、一年前から申請や面接の準備をしなければならない。私の友達は今夏、ある投資銀行でインターンをしているが、その申込書は昨年の夏に書いたそうだ。

学部卒では不十分。アメリカで就職優位な最終学歴

 日本と異なり、アメリカの4年制の大学を卒業した学生の多くが、修士号をとるのも大きな違いだ。アメリカの企業は修士号の取得過程でしっかりと専門知識を勉強した学生の採用を優先する。そのため文系の学生であっても、数年働いた後に大学院に戻る選択をする若者が多い。理系の学生は、自分の興味のある研究をしているラボ(研究室)に入るために、自分の研究に磨きをかけなければいけない。

 4年制大学を卒業した直後に大学院へ進学したい場合は、4年生の半ばに行きたい大学院に願書を申請する。アメリカの大学院に入るにはGREという試験を受ける必要があるが、これは高校生が大学に入る際に受けるSATという試験の難しいバージョンのような試験だ。大学院を目指す学生は、3年生の終わりから4年生のはじめにかけて勉強を開始して、試験に臨む。

採用基準は、学生の可能性ではない?

 日本とアメリカの就活で最も異なるのは、企業側の採用基準だと感じる。日本企業は学生の「可能性」を見て採用するが、アメリカの企業はそれに加え、その時点の能力、いわば「即戦力として期待できる部分」を見る。例えば、大学での成績(GPA)や課外活動の内容などは細かく審査される。同時に学生たちは、今までの活動や学業面での興味が、その企業での仕事にどのように生かされ、関わっていけると考えているかなどを口頭や文面で説明する必要がある。また、学生はキャリアフォーラムやネットワーキングのイベントにも積極的に参加し、企業はそういったソーシャル・イベントで学生たちがどう行動するのかを観察する場合が多い。こうして企業は一対一の面接だけではわからない学生の性格を見ているのだ。

 このように同じ就活でも日米の学生生活の文化が異なるため、就活のかたちも異なる。しかし、就活という重要な人生の決断をする期間を大事に過ごし、自分が心から情熱を注げる仕事に就くことが大切なのは、日本の学生にもアメリカの学生にも共通して言えることだと思う。私もこの9月から大学3年生になるので、次のステップを考え始めなければいけない。同じ学生として、これからも若い世代がどのように次のステージを見つけて行動していくのか、その様子をしっかりと観察し、自身でも体験していきたい。

この記事の寄稿者

1997年生まれ、21歳。東京都出身。青山学院初等部・中等部を卒業後、米国バージニア州の女子校、St. Margaret’s Schoolに2年通う。2015年にコネチカット州のWestminster Schoolに転校し、卒業。現在はニューヨークにあるコロンビア大学・バーナードカレッジにて都市計画と国際関係、教育を専攻し、国際貢献の分野を志している。

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