アメリカで電子タバコ製品が買えなくなる? サンフランシスコで規制

アメリカで電子タバコ製品が買えなくなる? サンフランシスコで規制

日本でも需要が高まる電子タバコ。アメリカでは、電子タバコは若い世代、特にティーンエイジャーたちの間で圧倒的に支持されている。そんな中、未成年者をニコチン中毒から守るために、カリフォルニア州のサンフランシスコ市が先月、電子タバコの販売を禁止する法案を可決した。


ティーンに大人気の電子タバコ「JUUL」を排除するため?

 日本でもアイコスやプルームテックのような電子タバコが普及しているが、アメリカで断トツな人気を誇る電子タバコといえば、「JUUL」だ。

 本誌の記事「アメリカの若者たちに大人気の電子タバコ、JUULとは?」でも触れたが、「JUUL」はニコチン入りの電子タバコ、いわゆるバイプ(Vape)と呼ばれるタイプのたばこで、紙巻きたばこのような臭いがなく、見た目もメモリースティックのようでサイズも小型。言い換えれば、未成年者が所有していてもタバコではなく、メモリースティックだと思われたり、小型なので簡単に隠すことができ、フレーバーもフルーティーなものが揃っていて吸いやすいとのことで、未成年者たちの間で人気に火がついたのだ。

 この商品を開発販売しているのは、カリフォルニア州サンフランシスコにあるJUUL Labs社で、純資産は約$38ビリオン(約3兆8,000億円)と言われる。マルボロなどの銘柄で知られるたばこ産業大手、Altria社がJUUL Labs社の株のうち35%の株(約128億ドル)を保有しており、Robb Report誌によると、「JUUL」の2019年の売り上げは昨年の約3倍の売り上げが予測されている。同社はつまり、急成長中の企業なのだ。

 ところが冒頭にあるように、このJUUL Labs社の拠点であるカリフォルニア州サンフランシスコ市で先月末、電子タバコの販売を禁止する法案が可決された。

この新法律を小さいと見るか、大きいと見るか

 もちろんアメリカでも、21歳未満の喫煙は法律で禁止されているが、未成年者がオンライン・サイトなどを利用して電子タバコを入手するのは難しいことではない。その証拠に、高校生などの若い世代が気軽に校内や自宅などでJUULを吸引し、ニコチンを含む液体が使用されていることから(JUULの公式サイトにも大きな文字で「警告:この商品はニコチンを含んでおり、ニコチンは常習癖がつきやすい化学物質です」と書かれているが)ニコチン中毒になる未成年者が増えていることが社会問題にまで発展している。

 そこで、「ティーンエイジャーたちを守るため」という名目のもと、アメリカ国内の主要都市としては初めてサンフランシスコ市が、FDA(米食品医薬品局)の認可のない製品の販売を禁止し、オンライン・サイトで購入した商品の配送も禁止するという法案を議会に提出。それが先月末に可決されたのである。JUULをはじめとするすべての電子タバコ類(バイプ関連製品)は現状FDAは認可していないので、事実上、すべての販売が禁止されるわけだ。

 現状店頭にある商品は、これから半年以内にすべて排除しなければならず、半年以降も店頭に商品を置いていた場合は店舗が罰せられるとのこと。とはいえ、それはサンフランシスコ市内だけの話だ。同市内だけで販売を規制しても、未成年者のJUUL人気を止めることは難しいだろうという声も聞かれる中、「たばこ大国」と言われてきたアメリカで、このような法案が通ったことは、今後たばこ産業に大きな変化を呼ぶとも見られている。この新法律、アメリカに大きな変化を生むだろうか。

この記事の寄稿者

関連する投稿


マリファナ生産市場の拡大、一般嗜好品にも影響か?

マリファナ生産市場の拡大、一般嗜好品にも影響か?

昨年、5年間の農業政策などを定めた「2018年改正農業法案」が成立したアメリカでは、全土で産業用大麻(マリファナ草、ヘンプ草)の大規模栽培ができるようになった。こうした動きに押されるように、消費者市場にも様々な動きが出ているようだ。


育毛もテックな時代に?!

育毛もテックな時代に?!

米ノースキャロライナ州に拠点を置くPhotonMD社が販売しているテックな育毛医療機器が、密かな話題を呼んでいる。男女問わず、いわゆる若ハゲ(アンドロゲン性脱毛症)やストレス性脱毛などに高い効果があるという。どんな商品なのだろう?


スターバックスも大迷惑? シアトルの薬物政策

スターバックスも大迷惑? シアトルの薬物政策

保守とリベラル派の対立が激化し「分断された」と言われるアメリカだが、実際には中道派も多く存在する。二つの異なる思想の間で様々な思いを抱く中道派の視点で、グッドイヤー・ジュンコが語る。薬物依存は、アメリカにおける深刻な社会問題のひとつ。その薬物ユーザーを庇護するかのような政策を行ったシアトルの未来は?


今どきのファッションはレンタルが主流!?

今どきのファッションはレンタルが主流!?

アメリカではオンライン・ショッピングが主流となり、名門デパートや専門店が惜しまれながらもその看板を下ろすケースが増えている。それでも景気が良いと言われるアメリカで、突如として頭角を現したショッピング・トレンドが、「レンタル」だ。流行のデザインや色の移り変わりが速いファッション分野に合うこのトレンドが今後の主流となるのか?


アメリカの若者たちに大人気の電子タバコ、JUULとは?

アメリカの若者たちに大人気の電子タバコ、JUULとは?

ニューヨークにある名門コロンビア大学バーナードカレッジの学生、光田有希が、アメリカの大学生たちに人気のアプリやサービス、学生たちのトレンドなどの情報をお届けする。今回は、アメリカの若者たちの間に急速に浸透したフレーバー入りの電子タバコ「JUUL」(ジュール)と、それにまつわる様々な問題について。






最新の投稿


コロナウイルスにどう立ち向かう? 12星座「ハリウッド開運術」特別編

コロナウイルスにどう立ち向かう? 12星座「ハリウッド開運術」特別編

ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスが、お届けする開運指南。今月は新型コロナウイルスが猛威を振るう世の中における、今後の動向を星の配置や数秘の観点からお伝えしていきます。


トイレットペーパーを買い溜めても、コロナが招いた問題は解決しない

トイレットペーパーを買い溜めても、コロナが招いた問題は解決しない

圧倒的にリベラル派が多く住む米西海岸から、トランプ大統領と共和党の政策に真っ向から反対する日系アメリカ人ジャーナリスト、マイク佐藤がお届けする「トランプを支持しない人たちの声」。今回は、新型コロナウィルス感染防止で自宅に篭るべく、個々が食料品や雑貨の買い溜めをして備えているが、「忘れられている備え」があることについて。


【Red vs. Blue】コロナウイルスで混乱するアメリカと渡航禁止令

【Red vs. Blue】コロナウイルスで混乱するアメリカと渡航禁止令

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された新聞記事について各派のアメリカ人が見解を披露する。今回はトランプ大統領による渡航禁止令で混乱するアメリカ、事前警告がなかったと困惑するEUの件などについて。


12星座「ハリウッド開運術」2020年3月の運勢

12星座「ハリウッド開運術」2020年3月の運勢

ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスが、お届けする開運指南。星座が織りなす神秘のメッセージが、あなたを幸せへと導きます!


スーパー・チューズデーは何が“スーパー”なの? リベラルの言い分

スーパー・チューズデーは何が“スーパー”なの? リベラルの言い分

圧倒的にリベラル派が多く住む米西海岸から、トランプ大統領と共和党の政策に真っ向から反対する日系アメリカ人ジャーナリスト、マイク佐藤がお届けする「トランプを支持しない人たちの声」。今回は、アメリカ中が注目する「スーパー・チューズデー」の「何がそんなにスーパーなのか?」について。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング