日本の「べんとう箱」をアメリカ人がローカライズすると?

日本の「べんとう箱」をアメリカ人がローカライズすると?

日本語の「弁当(べんとう)」という単語が、「Bento」として欧米文化に浸透するようになってから久しい。今では「べんとうばこ」=「Bento Box」の説明も欧米を代表する辞書に掲載されるようになった。とはいえ、日本の弁当箱そのものがアメリカに定着したのではない。あくまで米市場に出回っているのはアメリカ人が考える「Bento Box」だ。


弁当箱を直訳した「Bento Box」という単語が定着

 米ウェブスター辞書の「Bento Box」の説明には、「名詞:複数の仕切りがある箱で、通常は日本食の昼食コース料理の品々を入れるために用いられる」と書かれている。そのせいか、多くのアメリカ人が考える「Bento」とは、アメリカの日本食屋ならたいていメニューに載っている幕の内風定食(漆塗りを模したプラスチック製の四角い容器に入った照り焼きチキンや巻き寿司などの盛り合わせ)のことと、理解されている場合が多いようだ。

 そんな背景もあり、最近ではアメリカの食文化に合うようにローカライズされた弁当箱も次々と市場に現れている。ビビットな色使いのカラフルでポップなデザインが揃い、子供はもちろん、オフィスで働く女性たちを中心に人気が広がっている。2019年の子供用、人気おべんとう箱ベスト7はこちら

なかでも大人気はミッション・ステートメントも伴う「Bentgo」

 子供用の弁当箱として最も人気が高いのが「Bentgo」だ。音読みすると「べんとう、ゴー!(Bento Go!)」となる素晴らしいネーミングで、先のベスト7ランキングでもトップを走っている。化学物質ビズフェノールA(BPA)を使用していないプラスチックで作られた容器は電子レンジにも食洗機にも対応でき、仕切りごとに蓋がついていて使いやすいことが評判を呼んでいるようだ。

 この「Bentgo」の企業ミッションは「子供たちがランチタイムを楽しみながら健康を保つこと」。この言葉を体現するかのように、同社は貧困層の子供たちに長年にわたり食事を無料で提供している米非営利団体「 Feed the Children」とパートナーシップを組み、アメリカ国内をはじめとする世界10カ国の子供たちに食べ物を届ける活動を支えている。

 豊かな国に見えるアメリカでも5人に1人の子供が空腹に苦しんでいる。また世界的には4人に1人の子供が発育を妨げるような慢性的な栄養失調状態にあるという。40年前から貧困児童にむけた活動を継続しているFeed the Childrenは、2015年の1年間だけで、1.3億ポンド(約7,085万キログラム)の食料、金額にすると約393ミリオン・ドル(約427億円)を子供たちに配布している。「Bentgo」が Feed the Childrenの活動への協力を開始したのは2017年からだが、これまでに既に150,000ドル(約1,628万円)を超える金額を寄付している。欧米では、企業が行う社会的貢献がその企業が販売する商品やサービスの人気に繋がる流れができあがってきたが、こうした姿勢が企業の「標準」になる日も近そうだ。

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