ヴィーガンが崇める植物製肉「ビヨンド・ミート」の勢いが止まらない!

ヴィーガンが崇める植物製肉「ビヨンド・ミート」の勢いが止まらない!

「健康維持と環境保護ができる代替肉ブーム」が、北米で止まらない勢いを見せている。なかでも、植物ベースの代替肉としてベジタリアンやヴィーガンなどの健康志向の人たちを中心に大人気の「ビヨンド・ミート」は、今年5月に上場して以来、株価が2カ月弱で9倍にまで上昇。一時はIPO幹事行が投資判断を引き下げたほど注目が集まっている。


ベジタリアンだけでなく、肉食の人たちも植物性の代替肉を食べ始めた

Beyond Burger

Beyond Burger

 当サイトでも何度か紹介しているが、最近の欧米における「肉なしバーガー・パテ」や「肉なしソーセージ」の人気が目覚しい。なかでも人工肉の最大手であるビヨンド・ミート社が上場して一世を風靡してからというもの、「植物ベースの代替肉」という商品が一般に知られるようになり、日常生活に入り込んできている。

 同社の看板商品である「ビヨンド・バーガー」はエンドウ豆などを使って作られており、米国内1万5,000店余りの食料品店で販売されている。味もかなり本物の肉に近いと評判が高いものの、一般的にこのような開発商品は普通の肉に比べて値段が高いため、「富裕層が食べるもの」というイメージがついていた。そんな中で、同社のCEOイーサン・ブラウン(Ethan Brown)氏は、外食チェーン店などとの提携に注力。アメリカとカナダでは既に数千カ所にも及ぶレストランやファストフード・チェーン店で同社の製品がメニューに加えられている。

Beyond Sausage

Beyond Sausage

 「富裕層がものすごくヘルシーなものを食べることに、わたしはあまり興味がない。それでは根本的な変化をもたらしていることにはならない」とブラウンCEOが語っているように、「食べたことがないもの」が一般に普及するための近道のひとつがファストフードだ。

A&W Beyond Meat Sausage & Egger

A&W Beyond Meat Sausage & Egger

 日本でも知る人ぞ知るファストフード店の「A&W」は、早い段階からビヨンド・ミート社の製品を使ったブレックファスト・ソーセージ・サンドイッチを提供している。

Del Taco Beyond Meat

Del Taco Beyond Meat

 また、メキシカン・タコスのファストフード・チェーン「デル・タコ(Del Taco)」も人工肉のタコスをメニューに加えて大ヒットを飛ばした。

この人気に便乗!「サブウェイ」が北米685店舗でビヨンドミートのサンドイッチ販売決定

Subway beyond meatball marinara

Subway beyond meatball marinara

 この人気に便乗しようと乗り出したのは、サンドイッチ・チェーン店のSubway(サブウェイ)だ。同社は9月から、アメリカとカナダの685店舗で「ビヨンド・ミートボール・マリナーラ・サンドイッチ」を販売すると発表。このサンドイッチには、ビヨンド・ミート社がサブウェイのためだけに特製した植物ベースの代替ミートボールが使われるという。

 ビヨンド・ミート社はすでに、ドーナツでお馴染みの「Dunkin' (ダンキン)」のブレックファスト・ソーセージ・サンドイッチや、前述の「Del Taco(デル・タコ)」の新メニューであるビヨンド・ブリトー、ファミリーレストランの「TGI Fridays(TGIフライデーズ)」のビヨンド・ハンバーガーなどを提供している。富裕層だけが買う商品ではなく、一般の人たちが代替肉を食べない限り、環境保護には繋がらないという同社の狙い通り、着々と新商品が普及していく様子は、北米の食品業界に新しい波が明確に押し寄せていることを物語っている。噂ではかのビル・ゲイツ氏や俳優のデカプリオ氏も出資しているといわれるビヨンド・ミート社。同社がこれからどう動くのか、次の一手が楽しみだ。

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