アメリカで人気の配車サービス 田舎での普及が課題

アメリカで人気の配車サービス 田舎での普及が課題

広大なアメリカでは、日本のように公共交通機関が発達していないため、車だけに頼る生活をしている人が多い。そのため米沿岸部で始まった配車サービスは瞬く間に普及し、タクシー業界に大きな痛手を与えているが、田舎ではほとんど普及していない状況だという。


たった3年で配車サービスの普及率21%アップ

 米カリフォルニア州サンフランシコで、2009年にUber(ウーバー)が誕生するまでは、「アプリを使った配車サービス」がこれほど欧米で普及するとは誰も想像していなかっただろう。アメリカでは2012年には競合のLyft(リフト)が市場に参入し、サービス内容や価格競争が激しくなったことで、利用者は格段に増えた。

 米ピュー・リサーチ・センターが今年1月に発表した調査では、アメリカ人の36%がUberや Lyftなどの配車サービス・アプリを使用したことがあるという結果が出ている。2015年の調査ではその数字は15%しかなく、当時のアメリカ人の3分の1に当たる人が「そんなサービスは聞いたこともない」と回答していたことを考慮すると、急激な伸び率だ。

駐車場代も安い地方では自家用車を所有する不便を感じない

 配車サービスの使用率は地域、年齢、学歴、収入レベルによってかなり異なるという調査結果も出ており、たとえば18歳〜29歳のアメリカ人だと51%が配車サービスを普段から利用しているか、したことがあると回答している。しかし、50歳以上のアメリカ人となると、利用したことがあるのは24%と下がる。

 また、年収が$75,000(約800万円強)以上の人は、年収が$30,000(約325万円)以下の人たちの2倍以上の人が同サービスを利用しており(53%対24%)、大卒以上の学歴を持つ人の55%が同サービスを利用する中、高卒以下の学歴を持つ人たちの利用率は20%だ。

 都市でみると、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトルなど都会とその近郊の住民は45%が同サービスを利用している。しかし、これが地方になると利用率は19%にまで下がる。調査の中でも「地方性による差異」が最も色濃く、たとえば同じ年収75,000(約800万円強)以上で、都会の住民と地方の住民を比べると、都会71%に対して地方32%と大きな差がわかる。都会に比べて地方は公共交通機関が発達していない地域が多く、配車サービスはそのひとつの解決法になる可能性が高いものの、アプリの使い方を含め、地方の人たちの間では配車サービスはほとんど普及していない。

 この背景には、地価が高い都会とは異なり、地方は駐車場の安さや車自体の安さなど、自家用車を所有する不便がないという推測がたつ。配車サービス企業各社は地方でのサービス拡大に力を入れているのは、この大きな市場をビジネスに繋げたいからに他ならないが、それにはどのくらいの時間がかかるだろう。来年の同調査の結果はいかに?

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