アメリカのデキるビジネスウーマンはスーツを着ない

アメリカのデキるビジネスウーマンはスーツを着ない

これまでアメリカでは、ビジネスにおける女性たちの服装はスーツ・スタイルが主流で、「パワー・スーツ」という言葉が浸透していた。それが近頃では、企業のトップに立つような女性たちはスーツではなく、ワンピースを好む傾向が高くなっているという。


「パワー・スーツ」はもう古い! これからは「パワー・ドレス」

 大手企業の管理職や政治家など、権力が行使できる立場についている女性たちのビジネスウェアといえば、これまではパンツスーツや、スカートの上にジャケットを羽織るスーツスタイルが主流だった。それが「パワー・スーツ」を呼ばれてきたが、最近ではスーツよりもワンピースを着るビジネスウーマンが増え、「パワー・スーツ」ではなく、「パワー・ドレス」が好まれているという。

 1988年にハリウッド映画「ワーキング・ガール」が公開されると、ニューヨークのウォール街で働く女性たちは、皆こぞって映画に登場したシガニー・ウィーバー扮する敏腕女性部長の服装を真似て、分厚い肩パッド入りのジャケットを羽織り、男性社会を意識したイメージのスーツを着始めた。その服装がいつしか「できる女性」のイメージを象徴するようになり、「パワー・スーツ」として定着していったと言われている。

 しかし時代は変わり、ビジネスシーンのファッションも変化してきた。先日、『ウォールストリート・ジャーナル』誌に、大手企業の管理職として働くビジネスウーマンや女性起業家、政治家などの女性たちが、こぞって体にフィットしたワンピースを着るようになったという記事が出た。ちなみに、アメリカでは丈の長さにかかわらず、ワンピースのことを「ドレス」と呼ぶため、「パワー・ワンピース」ではなく、「パワー・ドレス」と呼ばれるのはそのためだ。

なぜ、ワンピースが好まれるようになったのか?

 アメリカではビジネスの世界で活躍する女性や、政治の世界で活躍する「できる女性たち」と言われる人たちは、「ここぞ」という時にはフォーマルで、エレガントな凛としたドレス(ワンピース)を着ていることが多く、そもそもスーツとワンピースをうまく使い分けていた。

 ワンピースを着ることの方が多くなった傾向は、わざわざ従来型の堅苦しいイメージを演出する必要がないほど、女性の地位が向上したからだという説もある。それと共に、「腕を動かしにくい堅苦しいスーツを着て仕事をするよりも、ワンピースのほうが動きやすくて仕事に集中できる」などの意見もあるようだ。出張が多いビジネスウーマンの間では、「スーツをいくつも持参するよりも、ワンピースの方がかさばらず、応用も利く」という利点から、「脱スーツ派」が増えた。また、体にフィットしているワンピースが多いと言っても、品のあるシルエットのものが選ばれており、ワンピースの上にジャケットを羽織るアレンジも多く見かけられる。

 女性政治家たちも、TPOに合わせて品のあるワンピースを着ている。政見放送の際などは、政治家たちが選んだ服の色や形などを見て、それを選んだ裏にはどのような狙いや思惑があるのかを想像するのも面白い。今ではパンツスーツが定番になっているヒラリー・クリントン女史も、以前は公の場でよくワンピースを着ていた。つまり、権力を持った女性はみんなワンピースを着るようになったのではなく、「スーツを着ないビジネスウーマンが、とても増えた」という話なのだが、そんなパワー女子たちの間では、ノースリーブのドレスをビジネスシーンで着るのはNGらしい。「セクシーだと思われるような服をビジネスシーンで着るのは、仕事以外でも注目されたいジュニアの子だけ」(注:ジュニアとは管理職よりずっと下の職)という認識らしい。

 ワンピースならなんでもいいのではなく、TPOに合わせた服選びが大事であることは、スーツと同様のようだ。

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