リサイクルよりすごい! 完全再利用パッケージで商品を配達する新事業

リサイクルよりすごい! 完全再利用パッケージで商品を配達する新事業

プラスチックやガラスの容器などのリサイクルは、もはや常識だ。でも、リサイクルするよりも、容器をそのままの形で再利用すれば、さらに環境に優しくなる。アメリカでそれを実現した画期的なエコ・ビジネスが「Loop」だ。


いつもの商品を完全再利用できる容器に入れてお届け

 ニュージャージー州に拠点を構えるTerraCycle社が開始したLoopというサービスが話題だ。

 Loopは米配送業界最大手のひとつ、UPS社との提携のもと、様々な消費商材ブランドとパートナーシップを組み、それらのブランドの商品を使い捨て容器ではなく、Loop専用の完全再利用容器に入れて配達するサービスだ。食品や洗剤など、日常生活で愛用している商品が、このサービス専用のパッケージに入れられて自宅に届き、使用後はUPSの配達員が再びそのパッケージを回収する。この循環により、容器は何度も繰り返して使うことが出来るため、徹底した環境配慮を実現できるというわけだ。同社のサービスを紹介した映像はこちら。

リサイクルと完全再利用の違いとは

 使い捨て容器の普及は、1950年代以降に主流になった。その当時に比べ、人類は70倍以上の商品を製造し購入していると言われているが、それら商品のほとんどが使い捨てパッケージに収められている。人間が利便性を追求して広めたこの使い捨て文化こそが、現在、地球が抱える深刻な環境問題の主な原因だ。1年間に発生する廃棄物の約4分の1は海に流れると言われており、残りのほとんどは燃やされるか、埋められるかという形でゴミとなる。

 1950年以前の社会では、例えば「牛乳配達」のようなビジネスモデルも機能していた。新鮮な牛乳を入れる瓶は完全再利用で容器はゴミにならなかった――つまり、今よりずっとサステイナブルだったのだ。その時代の状況に限りなく近づけようというのが、このLoopのミッションでもある。

 容器を再利用することは、リサイクルするよりも環境に優しい。理由は、リサイクルをして新しい商品として生まれ変わらせるためには、時間やエネルギー、そして商品化するために補填する必要がある原材料などが必要だが、それを使わずに済むからだ。リサイクルは、あくまで「廃棄物」を原料とした新しい製造だ。しかし容器を回収し、それを再度使うことは製造ではない。

 同社はその配達、容器回収にUPS社と提携しているが、その配送マネージメントにも細心の配慮がなされている。最小限の運送距離を実現する集配ルートをモデル化し、二酸化炭素排出量を抑える工夫をしているという。

 地球の環境を改善していくためには、こうした徹底的な取り組みが求められるものの、その実現は簡単なことではない。そんな中でも、このような徹底さを追求する企業の試みを多くの人たちが支持し始めていることは注目に値するだろう。地球上のほとんどの商材が完全再利用可能な容器に入れられる日が、近い将来に実現するのも夢物語ではないかもしれない。

この記事の寄稿者

関連する投稿


環境に優しくエシカルなダイヤモンドの婚約・結婚指輪の新市場

環境に優しくエシカルなダイヤモンドの婚約・結婚指輪の新市場

愛のシンボルといえるダイヤモンドの婚約指輪や結婚指輪などが、市場価格の約80%オフで購入できるオンライン・ジュエリーストアがある。高級ジュエリーが安く購入できるのは、訳あり商品だからなのか?


犬好き同士の出会い系アプリ登場! デートは愛犬と一緒に

犬好き同士の出会い系アプリ登場! デートは愛犬と一緒に

犬を飼っている人や、犬が好きな人を対象にした出会い系アプリ「WOWZER」。これを始めたのは、全米で最も犬にフレンドリーだといわれる都市シアトル在住の愛犬家2人だ。犬と一緒に生活したい人同士をマッチングするアプリとは?


ストレス過多の味方! 「重い毛布」トレンドで米寝具市場が熱い

ストレス過多の味方! 「重い毛布」トレンドで米寝具市場が熱い

ストレスは万病の敵。少しでもストレスを軽減するための商品は星の数ほどあれど、数年前から注目されている「重い毛布(Weighted Blankets)」の市場の成長が止まらない。大手もキックスターター企業も入り乱れ、重い毛布が次々と市場に登場。今年のクリスマス商戦の目玉商品のひとつになることは間違いなさそうだ。


ハリウッドに続け! ベガスに「セルフィー・ミュージアム」がオープン

ハリウッドに続け! ベガスに「セルフィー・ミュージアム」がオープン

映画の街ハリウッドにオープンして話題の「セルフィー・ミュージアム」。ハリウッドに続けと、今度はエンターテイメントの都・ラスベガスにもオープンした。本物そっくりな人気番組のセットやイルージョンに見える背景など、SNSで目立つこと間違いなしのセットが揃うミュージアムで、思う存分セルフィー撮影を楽しもう!


ビールのお供にドーナツ! 高カロリー・マッチングは流行るのか?

ビールのお供にドーナツ! 高カロリー・マッチングは流行るのか?

アメリカ生活には欠かせない食べ物のひとつ、ドーナツ。子供たちだけでなく、大人も大好きなスイーツだ。「おやつ」のイメージが強いドーナツだが、ビールと合わせてドーナツを楽しむことをトレンドにしようと頑張る人たちがいる。






最新の投稿


【Red vs. Blue】アメリカには、なぜドナルド・トランプが必要だったのか?

【Red vs. Blue】アメリカには、なぜドナルド・トランプが必要だったのか?

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された新聞記事について各派のアメリカ人が見解を披露する。今回は「アメリカには、なぜトランプが必要だったのか?」という米メディア記事について。


今週の神秘ナンバー占い(2019年12月13日~19日)

今週の神秘ナンバー占い(2019年12月13日~19日)

当たりすぎて怖い? ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスがお届けする今週の神秘ナンバー占い。神秘ナンバーとは、東洋数秘術、西洋数秘術、アステカ秘術など複数の占術をベースに導き出す、運気を読み解く数字のこと。あなたの運勢はどのように変化する?!


あなたの作品が永久保存される「スケッチブック・プロジェクト」

あなたの作品が永久保存される「スケッチブック・プロジェクト」

ニューヨークの「ブルックリン・アート・ライブラリー」が主催する「スケッチブック・プロジェクト」。これまでに世界101カ国から16万人を超えるクリエイターが参加している、ユニークなアート・プロジェクトとは?


米大統領選ガイド(4)「フェイスレス・エレクターとは?」

米大統領選ガイド(4)「フェイスレス・エレクターとは?」

2020年11月3日に実施される米大統領選挙。トランプ現大統領率いる共和党とリベラルな民主党が政権奪回を争う選挙戦は、その後の世界情勢にも大きく影響するが、米大統領選のルールはかなり複雑だ。そこで、米大統領選を2000年から取材しているジャーナリスト・西森マリーによる、どこよりも分かりやすい解説をお届けしよう。


「えっ、そうなの?」 日本とは全く視点の異なるアメリカでの家探し(3)

「えっ、そうなの?」 日本とは全く視点の異なるアメリカでの家探し(3)

NYやLAなどの沿岸都市部に比べると、圧倒的に知られていないアメリカ南部。その文化、習慣、宗教観などをケンタッキー州よりジョーンズ千穂が紹介するコラム『アメリカ南部のライフスタイル』。「アメリカでの家探し」の第3回目、今回は新築の家を購入する際に気をつけたいことを説明しよう。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング