無償の愛! 高齢になった愛犬を救う、アメリカの非営利団体

無償の愛! 高齢になった愛犬を救う、アメリカの非営利団体

お年寄りが大切にしていたペットが、飼い主の病気や死去のため、行き場を失ってしまうことがある。飼い主とともに高齢になったペットは、新しい貰い手を見つけるのが特に大変だ。アメリカには動物愛護団体が多いが、高齢のペットを支援している非営利団体もある。その活動内容は、高齢化が進む日本でも何かのヒントになるかも知れない。


高齢ペットの支援を専門にする動物愛護団体

 ワシントン州シアトルで活動を続ける動物愛護団体「Old Dog Haven」。2004年に設立されたこの非営利団体は、様々な事情によって飼えなくなってしまった老犬を保護することをミッションとしている。

 飼い主が高齢となって飼うことが難しくなったケースや、死別してしまったケースが多いが、なかには相応しくない飼い主の元で虐待されている犬もいるという。同団体では、出来る限り新しい飼い主を見つけるように働きかけるが、見つからない場合は犬たちが最後の日を迎えるまで、団体のメンバーが愛情をかけて見守ることを約束している。必要に応じて提携獣医の診察も用意しており、犬たちが安心して暮らせるような配慮が手厚い。ひとつの大きな施設ではなく、メンバーのネットワークで運営しており、平均すると常時200頭の犬がネットワーク内の家で暮らしており、毎月かかる医療費だけでも日本円にして750万円強だというから驚きだ。しかも、これらの金額はすべて善意の寄付によって賄われているそうだ。

 引き取られた犬たちの様子を紹介した映像はこちら。

遺産から寄付、そして意図的に「見送る」ことも、また愛

 アメリカでは一般的にペットが自力で立てなくなったり、生活のクオリティの維持が難しいと判断された場合、安楽死を選ぶケースが多い。この団体でも、生活することが困難だと判断された犬たちは、獣医師の見解を仰ぎながら安楽死させることを選択している。動物は人間のように自分の言葉で体の不調や痛みを説明することは出来ないため、愛情をもって意図的に「見送ること」も必要な愛だと、同団体は説明している。

 運営費は前述したように寄付で賄っているが、その中には、ここに愛犬を預けざるをえない状態になった飼い主たちからの遺産金も多く含まれるという。アメリカでは生前に残す遺言書内に、残された遺産の全額あるいは一部を、特定の非営利団体等に寄付してほしいと明記する場合が多く、飼い主たちはそうして最後まで大切なペットに愛を注ぐようだ。また、飼い主が、自分のお葬式の際には、遺族へ花やお金を贈ってもらう代わりに、故人が指定する非営利団体への寄付を依頼する場合もあり、そうした流れで寄付される金額は少なくないそうだ。

 日本とアメリカでは非営利団体の運営法なども異なるが、こうしたアメリカのケースは、日本の動物愛護の現場でも何かの参考になるかもしれない。

この記事の寄稿者

関連するキーワード


ペット 高齢化 動物愛護

関連する投稿


50年前より野鳥が30億羽も減少 北米の調査結果にショック

50年前より野鳥が30億羽も減少 北米の調査結果にショック

世界中で気候や環境が大きく変化している中、北米で過去50年間に野鳥の数が極端に減ったという研究結果が発表され、大きく報道された。


猫好き悶絶! キュートなバスボムの中身は?

猫好き悶絶! キュートなバスボムの中身は?

暑くても寒くても、季節には関係なくアメリカで人気を博している入浴剤があるという。ソーシャルメディアの話題をさらっている入浴剤とは?


可愛い子犬たちと泡が部屋に届くルームサービス?!

可愛い子犬たちと泡が部屋に届くルームサービス?!

米キンプトン・ホテルチェーンの「ホテル・モナコ・デンバー」が、8月26日の「National Dog Day」を祝い、部屋に子犬たちとスパークリングワインのボトルが届くパッケージを提供することを発表。そのプロモーション写真の犬たちの可愛らしさでSNSが沸いている。


シアトルの「犬を飼うならシェルター」事情

シアトルの「犬を飼うならシェルター」事情

アメリカ生活も20年を過ぎた翻訳家の高柳準が、アメリカ文化とそれにまつわる矛盾を語る「アメリカで暮らしながら想うこと」。今回は、犬を飼いたい人たちが増えているという話。全米でも「ドッグフレンドリー」な街で有名なシアトルでは、家族の一員として迎える犬を見つけるまでが一苦労という事態が発生しているという。


クールなバブル・リュックに猫好き悶絶!

クールなバブル・リュックに猫好き悶絶!

猫好きなアメリカ人の中には、犬と同じように猫を散歩に連れ出したいと願う人がかなりいる。そんな人たちのニーズを満たすべく開発されたリュック型バブル・キャリーバッグに愛猫を入れて出掛ける人たちの写真がインスタグラムを賑わせている。






最新の投稿


米アマゾンの年末商戦、「子供の目線」のカタログ配布は功を奏すか?

米アマゾンの年末商戦、「子供の目線」のカタログ配布は功を奏すか?

昨年、米アマゾンドットコム社が突如開始したオモチャのカタログ。今年もホリデーシーズンに先駆けて、アメリカ国内の家庭にカタログが届き始めた。しかし昨年とは異なり、今年のアマゾンのカタログのマーケティングにはひねりがある。このカタログは、完全に子供たちに向けたものなのだ。


ハリウッドに続け! ベガスに「セルフィー・ミュージアム」がオープン

ハリウッドに続け! ベガスに「セルフィー・ミュージアム」がオープン

映画の街ハリウッドにオープンして話題の「セルフィー・ミュージアム」。ハリウッドに続けと、今度はエンターテイメントの都・ラスベガスにもオープンした。本物そっくりな人気番組のセットやイルージョンに見える背景など、SNSで目立つこと間違いなしのセットが揃うミュージアムで、思う存分セルフィー撮影を楽しもう!


2020年版、「アメリカで最も求められる企業トップ100社」発表

2020年版、「アメリカで最も求められる企業トップ100社」発表

米ESG評価機関NGO「JUST Capital」による恒例の「America’s Most JUST Companies」の2020年度ランキングが発表された。地域への還元や雇用の創出、環境保全への取り組みなどの公共性など、時代を反映する各項目でそれぞれ高得点を得た米企業とは?


今週の神秘ナンバー占い(2019年11月15日~21日)

今週の神秘ナンバー占い(2019年11月15日~21日)

当たりすぎて怖い? ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスがお届けする今週の神秘ナンバー占い。神秘ナンバーとは、東洋数秘術、西洋数秘術、アステカ秘術など複数の占術をベースに導き出す、運気を読み解く数字のこと。あなたの運勢はどのように変化する?!


米大統領選ガイド(1)「アメリカの大統領選は、なぜ重要なのか?」

米大統領選ガイド(1)「アメリカの大統領選は、なぜ重要なのか?」

2020年11月3日に実施される米大統領選挙。トランプ現大統領率いる共和党とリベラルな民主党が政権奪回を争う選挙戦は、その後の世界情勢にも大きく影響するが、米大統領選のルールはかなり複雑だ。そこで、米大統領選を2000年から取材しているジャーナリスト・西森マリーによる、どこよりも分かりやすい解説をお届けしよう。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング