マイクロソフトが米国防省のクラウド契約を獲得

マイクロソフトが米国防省のクラウド契約を獲得

米国防省、通称「ペンタゴン」のクラウド・コンピューティング契約をマイクロソフト社が獲得した。これは破竹の勢いで拡大を続けるアマゾンドットコム社(AWS)が取ると見られていたため、米国防省のこの決定に業界がざわついている。


本命だったアマゾンを蹴落としたマイクロソフト

 今月26日、米国防総省は「JEDI(ジェダイ:Joint Enterprise Defense Infrastructure)」と呼ばれるクラウド・コンピューティング契約を米マイクロソフト社と行うことを発表。同省はこの検討に約2年をかけ、契約対象社にはアマゾンドットコム、グーグル、IBM、オラクルなどが含まれていた。アマゾンが選ばれると予想されていたため、マイクロソフトが選ばれたことに業界がざわついている。

 JEDIは10年間で総額100億ドル(日本円で約1兆800億円)に相当する事業になると言われており、戦闘情報をAI処理しながら、航空機や船舶、ドローンなどの間で情報を共有できるようにする米軍の次なる重要戦略の位置づけだ。

トランプ大統領によるアマゾン潰しの噂も

 この契約は基本期間が2年間で同期間中に約2億1000万ドル(約228億円)の支出があると予想され、それ以降は10年間延長可能という超大型プロジェクトだ。そのため世界の大手のテック企業が契約を狙い、なかでも既に米中央情報局(CIA)を含む政府機関と契約しているアマゾンが最有力候補とみられていた。

 あまりにも大型なプロジェクトだけに入札企業間では熾烈な戦いが繰り広げられ、契約企業の決定までに時間がかかった。最終段階に残っていたIBMとオラクルが不服申立てをしたため連邦請求裁判所と米政府監査院の審査を通すことになったり、共和党議員によるロビー活動が繰り広げられたり、国防長官の息子が入札に参加しているIBMの元社員だったことが判明したりと、次から次へと問題が持ち上がった。

 この大型契約を射止めたマイクロソフトとは反対に、この契約獲得を視野にいれ、国防省のあるバージニア州に第二本社を建設するなどの新事業展開を進めていたアマゾン社には大打撃となるとみられている。今回の決定には、アマゾンCEOジェフ・ベゾス氏を以前から攻撃しているトランプ大統領が職権を乱用して「アマゾンを契約から外すように指示をした」という噂も出ており、ベゾス氏がオーナーのワシントン・ポスト紙はもちろん、米メディア各紙が「トランプ大統領がJEDIの裁定に介入した可能性があり、法律違反になり得る」と非難している。

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