カタログで紹介されている商品には値段の記載がない

カタログは一見すると、よくある「年末ギフトカタログ」のようにしか見えない。80ページからなる内容はすべてオモチャで、カタログはもちろんユーザーである「親」宛てに届く。しかし、よく見ると、このカタログに記載された商品には「値段」が一切記載されていないのだ。
しかも、子供たちが自分が欲しいオモチャに目印をつけるために使うステッカーや、欲しいプレゼントを書き出す「ウィッシュ・リスト」カードがついていたり、アマゾン社の配送用段ボールを再利用して作る「熊」のコスチュームの作り方が掲載されている。つまり、このカタログの利用者ターゲットは親ではなく、子供たちなのだ。
QRコードでショッピング・サイトに誘導、値段はそこで確認
気になる商品の値段は、オンラインの特設ページで確認するか、アマゾンドットコム・アプリ専用の「スマイルコード」と呼ばれるQRコードでチェックできるようになっている。もちろんアマゾンのAI、アレクサにオーダーを依頼することもでき、大人が関わるべきことは、すべてテック対応だ。25ドル以上購入すれば、プライムメンバーでなくても送料は無料というサービスも見逃せない点といえるだろう。
「なぜ、オンラインのアマゾンが今さらアナログなカタログを?」と思うだろうが、子供をターゲットにしている点では、「プレゼントを期待する子供たちが、値段を気にしながらカタログを見る必要がない」という、これほど良くできたマーケティング・ツールはないと言えるだろう。子供にとっては「楽しい」が一番なのだから。
ちなみに、このカタログの表紙を開いた1ページ目には、こんな言葉が書いてある。
「ひとたびページをめくれば、年末ホリデーの夢が生まれる世界に入れるよ。クッキーを高く積み上げて、ココアを準備して。キミはきっとこの“本”を2回はチェックするはずだから!」