世界初の遺体の堆肥化施設、アメリカに今年オープン予定

世界初の遺体の堆肥化施設、アメリカに今年オープン予定

火葬か土葬しか選択肢がなかったアメリカに、遺体を堆肥化して土に返す「コンポースト」が加わることになった。それを行える法案が昨年、全米ではじめてワシントン州で施行され、世界初の死体堆肥化施設のオープン準備が進んでいる。


サスティナブルで環境にやさしい埋葬法

 アメリカ西海岸に位置するワシントン州シアトルに今年、世界初の遺体堆肥化施設「Recompose」がオープンする。同州では昨年5月に全米で初めて遺体を堆肥にすることを認める法案が施行されたため、それができる施設を12月に開業するための準備が着々と進められている。

 この施設「Recompose」では、遺体を入れて何度も使えるチューブ型の容器(vessel)の中で、遺体を徐々に堆肥にし、その堆肥を新しい生命のために使うというコンセプトを打ち出している。環境保全が世界中で叫ばれる中、持続可能な(サスティナブルな)環境を最も支えることができる埋葬法として、遺体を堆肥化するアイデアは以前から注目を集めていたが、従来からある自然葬とは(施設を使用するため)異なることなどから、法的な壁が高いという問題があった。

気になる埋葬費用は?

 同社によると、施設に運ばれた遺体は木材チップ(木屑)で覆われて通気され、バクテリアが効果的に繁殖する環境が整った中に置かれる。約30日に遺体が完全に堆肥化したら、その堆肥を家族や友人で分け合ったり、他の生命のために使うことができるという。

 遺体ひとつから作られる堆肥は、手押しの一輪車の数車分。同社によると、高音の炎が必要とされる火葬や、木製の棺に入れての土葬とは異なり、この堆肥化埋葬法だと二酸化炭素の排出量を抑えることができ、環境に優しいそうだ。

 この堆肥化施設で埋葬する費用は、約5,500ドル(日本円で約60万円)。二酸化炭素の排出量を抑えることに貢献するだけでなく、新しい命を育てる土を作るという埋葬法が、これから世界的に広がっていくのかが注目される。

この記事の寄稿者

関連する投稿


オーストラリアの大火災と環境保護に逆行する米大統領

オーストラリアの大火災と環境保護に逆行する米大統領

圧倒的にリベラル派が多く住む米西海岸から、トランプ大統領と共和党の政策に真っ向から反対する日系アメリカ人ジャーナリスト、マイク佐藤がお届けする「トランプを支持しない人たちの声」。今回は、世界的な環境保護政策や気候変動への動きに逆行して、そうでないことを推し進めるトランプ大統領と彼に献金する人たちについて。


「肉食」が消える? ゴールデングローブ賞の選択とその後の騒動とは?

「肉食」が消える? ゴールデングローブ賞の選択とその後の騒動とは?

アメリカ人の肉の消費量は、年々増加の一途を辿っている。昨年の米農務省の調べによると、牛肉だけでその年間消費量が1人100キロを超えるというから驚きだ。しかし、肉の消費が増加する一方で、「肉食をやめる」という動きが加速している。その理由とは?


気候変動対策を訴える若者たち:沈黙を続けるトランプ大統領と仲間たち

気候変動対策を訴える若者たち:沈黙を続けるトランプ大統領と仲間たち

圧倒的にリベラル派が多く住む米西海岸から、トランプ大統領と共和党の政策に真っ向から反対する日系アメリカ人ジャーナリスト、マイク佐藤がお届けする「トランプを支持しない人たちの声」。今回は、気候変動への対策を訴えるスウェーデンの少女、グレタ・トゥーンベリさんら若者たちの話を聞こうとしない米大統領や政治家たちについて。


マイ・エコバッグより、さらに一歩進んだエコ袋とは?

マイ・エコバッグより、さらに一歩進んだエコ袋とは?

環境に配慮した日用品が市場に増えて来たアメリカでは、捨てずに何度も使用できるストローや、店で買い物をした際に自分のエコバッグを持参することなどがかなり定着してきた。最近ではエコバッグはもちろん、そのバッグ中にいれる商品の小分けに使う袋も洗って何度も使えるものや、土に返せるコンポースト素材のものが増えている。


16歳の対応がクレバーだと絶賛!トランプ大統領の皮肉に大人な対応

16歳の対応がクレバーだと絶賛!トランプ大統領の皮肉に大人な対応

国連の温暖化対策サミットで各国の代表を前に、怒りの涙を浮かべながら迅速な温暖化対策を熱望するスピーチをしたスウェーデンの16歳の活動家、グレタ・トゥーンベリさん。温暖化対策に後ろ向きといわれるトランプ大統領がツイートでトゥーンベリさんを皮肉ったところ、彼女の対応が「クレバー(賢い)!」だと世界的な話題になった。






最新の投稿


今週の神秘ナンバー占い(2020年1月24日~30日)

今週の神秘ナンバー占い(2020年1月24日~30日)

当たりすぎて怖い? ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスがお届けする今週の神秘ナンバー占い。神秘ナンバーとは、東洋数秘術、西洋数秘術、アステカ秘術など複数の占術をベースに導き出す、運気を読み解く数字のこと。あなたの運勢はどのように変化する?!


オーストラリアの大火災と環境保護に逆行する米大統領

オーストラリアの大火災と環境保護に逆行する米大統領

圧倒的にリベラル派が多く住む米西海岸から、トランプ大統領と共和党の政策に真っ向から反対する日系アメリカ人ジャーナリスト、マイク佐藤がお届けする「トランプを支持しない人たちの声」。今回は、世界的な環境保護政策や気候変動への動きに逆行して、そうでないことを推し進めるトランプ大統領と彼に献金する人たちについて。


CES2020で最も笑いをとった新商品 「猫好きなあなたへ」

CES2020で最も笑いをとった新商品 「猫好きなあなたへ」

毎年1月、米ラスベガスで開催される電子機器業界最大の見本市、CES。今年も約4,500社が最先端の技術を駆使した新製品を紹介した。そんな中、「もっともバカげた商品」との呼び声が高かった商品を紹介しよう。


ニューヨーク女子大学生殺人事件 〜そこから読み解くアメリカの刑事裁判〜

ニューヨーク女子大学生殺人事件 〜そこから読み解くアメリカの刑事裁判〜

ニューヨークにある名門コロンビア大学バーナードカレッジの学生・光田有希が、アメリカの大学生たちの文化やトレンドなどの情報をお届けするコラム。今回は著者と同じ大学に通っていた女子学生が大学キャンパスのすぐそばで殺害された事件と、それにまつわる周囲の反応を紹介する。


米大リーグの名監督3人が「サイン盗み」で続々解任! どうなる今季?

米大リーグの名監督3人が「サイン盗み」で続々解任! どうなる今季?

2017年のワールドシリーズの王者、ヒューストン・アストロズ。この強豪球団が、ハイテク機器を使用して相手のサインを盗んでいた疑惑が浮上し、それを調査していた米大リーグ機構が不正があったと断定。それを受けて、わずか4日間で3球団の監督が解任されるという緊急事態に米球界はもちろん、野球ファン以外の人たちも注目している。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング