「肉食」が消える? ゴールデングローブ賞の選択とその後の騒動とは?

「肉食」が消える? ゴールデングローブ賞の選択とその後の騒動とは?

アメリカ人の肉の消費量は、年々増加の一途を辿っている。昨年の米農務省の調べによると、牛肉だけでその年間消費量が1人100キロを超えるというから驚きだ。しかし、肉の消費が増加する一方で、「肉食をやめる」という動きが加速している。その理由とは?


ゴールデングローブ賞のディナーがヴィーガン食に

 1月5日に開催された、「ゴールデングローブ賞2020年」の式典では、ホアキン・フェニックスが主役を演じた『ジョーカー』が話題をさらった。同氏は堂々の主演男優賞を受賞して注目を集めたが、『ジョーカー』以上に注目を集めたのが、彼が授賞式に提供したディナーへのアドバイスを行っていたことだ。

 今年の授賞式で提供された食事は、何と「ヴィーガン(完全菜食主義食)」だった。同賞の運営母体である非営利団体「Hollywood Foreign Press Association(HFPA)」は、持続可能性への取り組みを強化するために、魚を含むオーソドックスなメニューを提供することを土壇場で変更。ビバリー・ヒルトン・ホテルのエグゼクティブシェフであるマシュー・モーガンの手によって、ゴールデン・ビーツのスープ、マッシュルームで作ったホタテ風リゾットなどが振舞われた。このメニューの制作に、アメリカを代表する環境活動家であり、完全菜食主義を貫いているホアキン・フェニックスが協力したことが後から判明し、話題を呼んだ。

 HFPAは「1度の食事で世界を変えられるとは思わないが、意識を高めるために小さなステップを踏むことにした」と公式声明を発表している。

ホアキン・フェニックス、受賞後に逮捕!その理由も……

 アメリカでは最近、ヴィーガンに食生活を切り替えようとする人が後を絶たない。理由は環境問題だ。そこには、「食肉、酪農は温室効果ガスを排出し、気候変動の主な要因になっている」という主張がある。

 だからと言って、これだけ肉が好きなアメリカから「肉食」が完全に消えるとは思えないが、ゴールデングローブ賞がヴィーガン食を取り入れたことは、時代が「反肉食」に向かう傾向になりつつあると、見てもいいかもしれない。ちなみに前出のフェニックスは「地球環境維持のためには、食習慣を変えること」と訴え続けており、ゴールデングローブ賞でメニュー開発協力に白羽の矢が立ったのも、そんな理由からだ。

 しかし、そのフェニックスが、同賞受賞後からわずか数日後に逮捕された。理由は、やはり環境問題だ。今月10日、ワシントンDCで行われた気候変動に関するデモ「ファイアー・ドリル・フライデーズ(金曜日の火災訓練)」に、同氏は俳優仲間のマーティン・シーンや女優スーザン・サランドンなどと共に参加。約300人が米議会議事堂の階段に座り込んで抗議を続けたが、警官の警告に従わずに動かなかったために公務妨害容疑などで147人が逮捕されてしまった。その中にフェニックスも入っていたのだ。

 現在オーストラリアで続いている山火事のこともあり、アメリカではあちこちで環境保護団体が抗議集会を開いている。フェニックス氏もゴールデングローブ賞のスピーチでこの問題に言及しており、活動家にとっては「アイコン」のような彼が逮捕されたことで、さらにデモの数が増えるのではないか、という声もあがっているようだ。

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