OKサインはOKじゃない!? アメリカでNGなジェスチャーとは

OKサインはOKじゃない!? アメリカでNGなジェスチャーとは

NYやLAなどの沿岸都市部に比べると、圧倒的に知られていないアメリカ南部。その文化、習慣、宗教観などをケンタッキー州よりジョーンズ千穂が紹介するコラム『アメリカ南部のライフスタイル』。今回は日本ではOKでも、アメリカではOKではないジェスチャーやポーズについて。


あの「OKサイン」ジェスチャーが社会問題に

 親指と人差し指で丸を作って「OK」を意味するジャスチャー。この指の形を誰かに見せたことも、見せられたことがある人も多いはずだ。日本では何の問題もないこのジェスチャーが、アメリカでは社会的な問題になっている。

 数年前からこの「OKサイン」を巡ってさまざまな意見や批判が浮上していたところに、昨年末、さらに大きな事件が起きた。

アメリカではプロはもちろん、大学のアメリカン・フットボールもテレビ中継が入るほど人気が高い。事件は、TVキャスターの後にいた白人学生が指でOKサインを逆さにしたジェスチャーを出したことだ。

 昨今のアメリカでは、この「OKサイン」は「白人至上主義の象徴=ホワイト・パワー」を意味するとされており、このサインを見せることは人種差別だということになっている。このサインを逆さや横にしたり、どこかに置いた手の指でそっと出したりと様々なバージョンがあるが、TV画面に映ったこの白人学生のジェスチャーが騒ぎになり、犯罪捜査が入るほどの騒動となったのだ。この件では、この学生が「逆さOKサインを腰の辺りで見せて、それを見た人が肩に軽いパンチを受けなくてはいけない」というティーンの間で流行っている「サークル・ゲーム」をしていただけ、ということで収まったが 、その理由が認められなければ、この学生は退学処分になっていたかもしれない。

「OKサイン」を出して職場をクビになった人も

 この「OKサイン」が白人至上主義のシンボルだと思われるようになったのは、2017年の4chan(日本でいうところのネット掲示板の5ちゃんねる:旧2ちゃんねる)におけるHOAX、つまりは悪ふざけの「でっちあげ」がきっかけだと言われている。このジェスチャーにおける中指、薬指、小指の3本で「White」のW、そして丸の部分で「Power」のPということで、「White Power」を意味するとのことなのだ(写真参照)。

 しかし、「ポリティカル・コレクトネス」に敏感なアメリカでは、この「悪ふざけ投稿」がただの悪ふざけでは済まされないという状況になっており、このジェスチャーをしたことで謹慎処分を受けたり、職場をクビになる人まで出ている。昨年、ユニバーサル・スタジオで起きた事件はアメリカではあまりにも有名だ。

 日本では、これは「OK」を意味する他に、「お金」を意味するジェスチャーとしても使われているが、アメリカでは、OKサインを逆さにして見せることは前述のゲームのサインである他に、薬物の売買の合図としても使われているため、アメリカ国内の街角でこのサインを出している人を見かけたら注意が必要だ。

写真を撮られるときのピースサインも要注意

 他にも日本人が知らずにやってしまうジェスチャーで多いのが、「中指でメニューや地図を指す」ことだ。これはなぜか日本人男性に多いジェスチャーで、アメリカでみかけるたびにヒヤヒヤするが、ヨーロッパでも侮辱行為(喧嘩を売る行為)として取られることがあるので、「どうしても中指でなければメニューを指せない」という強固な理由がないならば、意識的に他の指を使うようにした方がよいだろう

 また、日本の女子がよく使っている、ピースサインを裏返してみせる「裏ピースサイン」も危険だ。日本では女子たちが小顔効果だといって、その「裏ピースサイン」をアゴの部分に持ってきて写真を撮ったり、そうすることが可愛く見せるためのポーズだと思われているようだが、アメリカではそれは「女性器を舐める」というジェスチャーだ。つまり、それをすると自分は「発情中」、「そういう行為を求めている」ことを意味するので、知らずにやってしまうと、とんでもない目に遭ってしまうかも知れない。

 東京オリンピックまで約半年。ポリコレに敏感になりすぎると息が詰まるかもしれないが、オリンピック時には世界各国から人が集まる。自分はそのつもりがなくても誤解を生んだり、相手を不快にするようなジェスチャーは、避けられるならば避けた方がよいのではないだろうか。訪問者から「日本は素敵な国だ」、「日本人は素晴らしい」と思われたいと願うのは、私のように外国に住んでいる日本人も同じなのである。

この記事の寄稿者

 東京都出身。アメリカ人航空機パイロットの婚約者の米本土転勤に伴い、一般企業を退職。K-1 Visa にて渡米したのち結婚。現在、アメリカ南部アーカンソー州在住。移住後はパイロットを夫に持つ婦人の会や、日本語補習学校を通じての活動、現地日本人や移民•マイノリティーへの支援、生活アドバイス、ネット上でのアメリカ生活に関する相談・コンサルテーション、翻訳、通訳、観光案内など、国際線パイロットの夫のスケジュールに翻弄されながらも、さまざまなボランティア活動に力を注いでいる。

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