環境問題をまじめに考えるアメリカの若者たち 

環境問題をまじめに考えるアメリカの若者たち 

ニューヨークにある名門コロンビア大学バーナードカレッジの学生・光田有希が、アメリカの大学生たちの文化やトレンドなどの情報をお届けするコラム。今回はアメリカの若者たちの環境問題への意識の高さや具体的な行動について。


今の若者たちは環境問題への意識が高い

 年々さらに深刻化が進む地球温暖化と気候変動。これから社会を担っていく若者たちにとっては、自分たちの命にかかわる問題だ。昨年9月に世界中で行われた気候変動に対するプロテスト、#FridaysForFuture は、政治家、そして権力を持つ大人に向けられた若者の必死の叫びを表したものだった。大規模なデモは、昨年国連でもスピーチをした当時16歳だったグレタ・トゥーンべリさんの気候変動への強い問題意識から実現化された。

 今の若者たちは、他の世代と比べて環境問題への意識が一段と高いと思う。もちろん人にもよるだろうが、「プラスチック製品を使わない努力」、「動物や加工品をなるべく避ける食生活」、「新品ではなく古着を購入する」ことなど、簡単にすぐ始められる努力を心がけている学生が多い。

 大学の寮には、いらなくなった家具や本、洋服を寄付できる箱が用意されていたり、大学のフェイスブック上ではオンライン古着屋のようなシステムも確立されている。洋服を購入するのではなく、借りられる「Rent the Runway」という会社なども人気が出てきている。

 また、大学では学生たちによってリサイクルへの取り組みが管理されていたり、カフェテリアには肉も魚も食べないビーガンやベジタリアンでも困らないようなメニューが揃っている。そもそもアメリカにはいろんな食生活をする人が暮らしているため、たいていのレストランにはオプションが用意されていて、たとえば、チャーハンやヌードルを頼む場合にも、具材を肉、魚介類、豆腐、野菜の中から選べる店が多い。

「環境に悪い製品はなるべく避けよう」という動き

 このように多くの若者たちは、自分たちの行動や手に入れる製品がどう環境に影響しているのかを理解し、「環境に悪い製品をなるべく避けよう」という動きにつながっている。

 しかし、日本のような「もったいない」という精神は、アメリカ文化にはまだ根付いていないように思う。個人主義者が多いこともあり、シェアするのではなく、自分のものとして買いたいと思う人が多いようにみえる。また、日本社会のように、戦争を経験した世代から「ひもじい」という感覚を教え込まれていないため、必要以上にものを買ってしまう人が多い。人口がはるかに多いインドや中国と比べても、アメリカが世界の中で圧倒的に二酸化炭素を排出しているのは、そういう物に囲まれた生活が豊かだとする文化背景も関係するのだろう。日本でも「もったいない」とういう意識が薄れ、当たり前の生活がどれだけ貴重なものであるかを正しく認識していない人が増えたことをここ最近さらに実感するが、人々の精神面での西洋化の進行が関係している。

 アメリカ内で環境問題を解決に導くためには、まず政府レベルでの改革、そして消費者の意識を変えさせる努力が必要だろう。たとえば、エネルギー使用を効率化したり、都市をあげて二酸化炭素の排出を削減する目的で可決された政策の中に、ニューヨーク市で昨年可決された法律「グリーンルーフ法」がある。これは、これから新たに建築する建物や改装改築をする建物の屋上に、植物、太陽光パネル、または小型の風力発電機を設置しなければいけないという規則だ。

 たとえばこの政策が可決したように、環境問題を重要視している政治家に投票すれば、若者でも大きな変化に貢献できる。今年は大統領選。候補者それぞれの環境問題への意識に対して、若者たちの支援がどう影響するだろうか。

この記事の寄稿者

1997年生まれ、21歳。東京都出身。青山学院初等部・中等部を卒業後、米国バージニア州の女子校、St. Margaret’s Schoolに2年通う。2015年にコネチカット州のWestminster Schoolに転校し、卒業。現在はニューヨークにあるコロンビア大学・バーナードカレッジにて都市計画と国際関係、教育を専攻し、国際貢献の分野を志している。

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