アメリカでウケる日本の意外なモノ① 消しゴム

アメリカでウケる日本の意外なモノ① 消しゴム

アメリカの子供たちの間で、秘かに人気を集めている「IWAKO」という名のおもちゃがある。子供たちがねだる「IWAKO」とは何なのか。大人は知らなくても、アメリカの小学生の多くが普通に知っている商品らしい……。


 この「IWAKO」は、実はおもちゃではない。正確にいうと「消しゴム」だ。しかも、日本でもよく見かけられているはず。なぜなら「IWAKO」とは消しゴムの名称なのではなく、日本の消しゴムメーカー、株式会社イワコ―のことなのだ。つまり、この商品は日本製なのである。

 株式会社イワコ―が販売する消しゴムのシリーズは、アメリカでも非常に人気が高く、最近はコレクションする子供たちも増えているという。犬や猫などの動物、果物やケーキなど食べ物の形をしたものなどがあり、アメリカ製にはない細やかで可愛いらしい造りが、アメリカの子供たちの心を虜にしている。ほとんどのアメリカ人の子供たちは、この商品を消しゴムとしては利用しない。あくまで、小さな「フィギュア」として楽しんでいるようだ。文具コーナーに置いてあるよりは、おもちゃ屋、あるいは書店での扱いが主流ということもあって、そもそも「これは、消しゴムだ」と認知していない子供も多いと推測される。

 ちなみにアメリカの子供たちの発音は「イワコ―」ではなく、「イワコ」に近い。そして、「ワ」に強いアクセントがつく。IWAKOは、たいていは店のレジ横に置かれている。値段も数ドルということで、子供たちも親におねだりがしやすい値ごろ感だ。通常、とても目立つところに陳列されているので、自然に子供たちの手が伸びる。しかし、アメリカには類似する消しゴムを展開するメーカーはIWAKOだけではなく、日本製以外にも韓国製、中国製の消しゴムもいろいろ出ている。そんな中で、どうして子供たちは「IWAKO」という名称だけを覚えているのだろうか? その秘密は、パッケージにある。なんとこの商材、パッケージの商品名部分が日本語のままなのだ。

 普通に考えたら、アメリカで売るならばパッケージ、特に商品名は英語のほうが親切だと思うだろう。それなのにIWAKOの商品にはデカデカと日本語で「日本製」という文字とともに「動物くんけしごむ」、「雪だるまけしごむ」などの文字が並んでいるのだ。でも、この場合、それがプラスに働いているように思う。なぜなら日本製で、特に雑貨類などに関していうと、間違った英語やアメリカではありえない表現をパッケージに採用してしまったために、意味不明になっている商品が少なくないからだ。これをあえて日本語で商品名を書いたパッケージのままで押し通したことが、このメーカーの商品認知にプラスに働いていることは間違いないだろう。

 日本では広く使われているカタカナ英語を使ったり、ネイティブでない人が行なったとしか考えられない英語訳が入ったパッケージよりも、「そのまま」というのは、直球勝負で潔い。どのパッケージにも、これが消しゴムだとわかる「Eraser」という控えめな文字と、それよりずっと目立つロゴ使いの「IWAKO」の文字くらいしかアルファベットは使われていないため、アメリカの子供たちはそこしか見ない。よって、本当は消しゴムなのに、社名の方が自然に子供たちに認知され、親しまれるようになったのだ。

 同社がそれを最初から意図したかどうかは分からないが、結果としてマーケティング的に成功した売り方となった。すべての商材のアメリカ販売において、この手法が通用するわけではないが、少なくとも「IWAKO=おもしろ消しゴム」という図式で広くアメリカで認知された理由は、「日本語のままのパッケージ」のおかげだろう。

IWAKO HP:http://www.iwako.com/IWAKO/index.htm

起業に関する記事 >
Bizseedsでは、アメリカの注目新サービスを日本に展開するお手伝いをしています。ご興味のある方はお気軽にお問合せください。

この記事の寄稿者

関連する投稿


米アマゾンの年末商戦、「子供の目線」のカタログ配布は功を奏すか?

米アマゾンの年末商戦、「子供の目線」のカタログ配布は功を奏すか?

昨年、米アマゾンドットコム社が突如開始したオモチャのカタログ。今年もホリデーシーズンに先駆けて、アメリカ国内の家庭にカタログが届き始めた。しかし昨年とは異なり、今年のアマゾンのカタログのマーケティングにはひねりがある。このカタログは、完全に子供たちに向けたものなのだ。


クレジットカード社会のアメリカらしい、子供向けサービス

クレジットカード社会のアメリカらしい、子供向けサービス

日本とは異なり、アメリカでは50ドル以上の現金を持ち歩く人はとても少ない。「現金はまったく持たず、クレジットカードかデビットカードのみ」という人も大勢いる。そんなカード社会だからこそ重宝されている、子供向けのサービスがある。


アメリカ中のBBQを食べ歩いて1万ドル貰える、おいしい仕事とは?

アメリカ中のBBQを食べ歩いて1万ドル貰える、おいしい仕事とは?

アメリカを代表する肉料理のひとつ、バーベキュー・リブ。どの街にも我こそが一番だと名乗るバーベキュー自慢の店があり、独自のスパイスや焼き方を追求している。そんな中、ある大手企業が「1万ドルを貰って、アメリカで最も美味しいバーベキュー・リブを探してくれる人」という求人広告を出し、大きな話題を呼んでいる。


アメリカで本格派ラーメンの宅配! 若き日本人起業家による新ビジネス

アメリカで本格派ラーメンの宅配! 若き日本人起業家による新ビジネス

アメリカにおける「日本の本格派ラーメン」の人気は年々上昇を続け、ニューヨークやロサンゼルスなどの沿岸大都市では本格派ラーメン店が並ぶ激戦区があるほどだ。地方都市でもラーメン人気が高まる中、若い日本人起業家が考案した「自宅で本格的な日本の味を再現できるラーメンのミール・キット」が話題を呼んでいる。


アヒル型ロボットをがんと戦う子供たちへ

アヒル型ロボットをがんと戦う子供たちへ

医療・がん保険の「アフラック」と聞けば、多くの人はコマーシャルに登場する、コミカルでちょっとトボけたアヒルを思い出すだろう。そのアヒルを模したロボットを、がんの子供たちに届けようという取り組みが始まった。同社がロボテック会社のSproutel社と共に開発したアヒルを紹介しよう。






最新の投稿


米アマゾン本社内のホームレス・シェルター、まもなくオープン

米アマゾン本社内のホームレス・シェルター、まもなくオープン

物価の急上昇と共に増え続けるホームレス。そのことが大きな社会問題になっているシアトルに本社があるアマゾンドットコム社が、同本社内にホームレスの人たちが使用できる宿泊施設をつくり、3月末までにはオープンする予定だ。


元NBAスター選手コービー・ブライアント氏の追悼、米各地で

元NBAスター選手コービー・ブライアント氏の追悼、米各地で

バスケットボール界を代表するNBAスーパースター選手だったコービー・ブライアント氏が26日(日本時間27日)、乗っていたヘリコプターが墜落し、41歳という若さで亡くなったことを受けて、米各地で追悼集会が開かれている。


OKサインはOKじゃない!? アメリカでNGなジェスチャーとは

OKサインはOKじゃない!? アメリカでNGなジェスチャーとは

NYやLAなどの沿岸都市部に比べると、圧倒的に知られていないアメリカ南部。その文化、習慣、宗教観などをケンタッキー州よりジョーンズ千穂が紹介するコラム『アメリカ南部のライフスタイル』。今回は日本ではOKでも、アメリカではOKではないジェスチャーやポーズについて。


今週の神秘ナンバー占い(2020年1月24日~30日)

今週の神秘ナンバー占い(2020年1月24日~30日)

当たりすぎて怖い? ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスがお届けする今週の神秘ナンバー占い。神秘ナンバーとは、東洋数秘術、西洋数秘術、アステカ秘術など複数の占術をベースに導き出す、運気を読み解く数字のこと。あなたの運勢はどのように変化する?!


オーストラリアの大火災と環境保護に逆行する米大統領

オーストラリアの大火災と環境保護に逆行する米大統領

圧倒的にリベラル派が多く住む米西海岸から、トランプ大統領と共和党の政策に真っ向から反対する日系アメリカ人ジャーナリスト、マイク佐藤がお届けする「トランプを支持しない人たちの声」。今回は、世界的な環境保護政策や気候変動への動きに逆行して、そうでないことを推し進めるトランプ大統領と彼に献金する人たちについて。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング