メラニア・トランプはネットいじめに反対!でもドナルドはOK?

メラニア・トランプはネットいじめに反対!でもドナルドはOK?


 6月29日トランプ大統領は、ケーブルテレビ局MSNBCの番組『モーニング・ジョー』のキャスター、ミカ・ブレジンスキー氏とジョー・スカボロー氏が大統領に批判的なコメントをしたことから、2人をツイッターで攻撃した。「知能指数の低いクレージー・ミカとサイコ・ジョー」、「シワ取り手術で顔から血を流していた」などと明らかに個人を攻撃した大統領に対し、大統領派の共和党議員からも、さすがにやめて欲しいという声が上がった。
 ネットでの個人攻撃はネットいじめと同じ。メラニア・トランプ大統領夫人は、自身のホワイトハウスでの主要な取り組み課題は「ネットいじめ対策」だと言っているが、夫人のそれにおける目立った活動は今のところ見られないと、ニューズウィーク誌は皮肉たっぷりに報道した。RedとBlueは大統領の「ネットいじめ」をどう捉えるか?

出典『Newsweek』
元記事「Melania Trump Is Against Online Bullies, Except When Donald Is Doing the Bullying」:http://www.newsweek.com/melania-trump-against-online-bullies-except-when-donald-doing-bullying-630062

RED: この記事の主題はメラニアではない
"The article focus is not Melania Trump"

 この記事の主題は、メラニアの言動云々ではなく、『モーニング・ジョー』のキャスター、ミカ・ブレジンスキーをトランプ大統領がツイッターで屈辱したことにある。あまりに唐突で意味不明なツイートに「大統領は何を怒っているんだ?」と誰もが首を傾げただろうし、 ネットという場で女性を屈辱するというのは褒められたことではまったくない。しかも、それが一国の大統領の発言だったわけだから、メディアだけでなく共和党員ですら、これに難色を示すことは当然だろう。

 だからこそ、一度ここで断っておきたい。共和党支持で保守的な考えをする人間が、イコールすべてトランプ大統領の行いすべてを手放しで歓迎するわけではないのだ。我々はトランプ支持者である前に、「保守的」な考え方を支持しているのだ。保守が女性蔑視だというステレオタイプな間違った見解が充満しているが、それは事実ではない。私を含め、私の周囲の保守は女性と対等でありながらも、女性を支え、守ることを忘れない。私達は女性を傷つけない。大統領がこの発言をするに至った背景は、どうでもいい。たとえ実際のミカ・ブレジンスキーがどんなに性悪女であったとしても、そんなものもどうでもいい。ツイートは公然発言。個人への、特に女性へのこうした攻撃はフェアではない。ダメなものはダメだ。


BLUE:完全に偏っている!フェイク・ニュース!なんという不誠実!
"Totally biased." "Fake news." "Such dishonesty!"

 歴代の大統領夫人が、アメリカ人の暮らしの向上の助けになる課題を選び、それに取り組むのは、アメリカの伝統になっている。ローラ・ブッシュは子供の読み書き能力向上の運動に取り組んだ。ミッシェル・オバマは栄養と健康を対象にした。今のところ、トランプ夫人についてはテーマだけは分かっているが、彼女が「基盤作りを熟考しているところ」ということ以外、何も発表されていない。

 昨年、あるインタビューでトランプ夫人は、夫のどの部分を最も改めて欲しいと思うかと聞かれて、「ツイッター」と答えた。一方で、選挙に当選して以来、大統領はツイッターでロンドン市長を攻撃し、ケーブルニュースのキャスターを名指しで愚弄し、前FBI長官をあざけて脅し、何十人という人たちを様々な道徳的および専門性を欠いた理由をもとにして勝手に告発している。トランプは、人を「太った豚」、「ばか」、「嘘つき野郎」とののしる。昨年12月のNYタイムズ紙に「トランプはネットいじめ長官か?」という見出しの記事が掲載された。

 また同紙の他の記事では、トランプが大統領に就任して以来の無礼なツイッターのリストが掲載されていた。驚くほど長いリストだ。トランプ夫人は、このリストをひとつひとつ注意深く吟味している最中なのだろうか? いや、きっと彼女は、こうした夫のやり方に反対する運動を起こすことは、いくらなんでも露骨な偽善になることに気付いたのだろう。

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者  
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

トランプ大統領に関する記事 >

この記事の寄稿者

「市民の声」を分かりやすくお届けする公式企画。分断が進むアメリカで、対立する思想を持つ市民はひとつのニュースをどう読むのか?
 対立する思想を持つ市民たちによって深まるアメリカの「分断」。アメリカには二大政党の共和党(保守)と民主党(リベラル)があるが、それぞれの政党支持者は、どれだけ考え方が異なるのだろう?人口で見ると保守派、リベラル派の比率は約半々で、両者のものの考え方は、水と油ほど異なると言われている。日本からはあまり分からない「普通」のアメリカ人たちの思想の傾向。
 この連載では保守派共和党の公式カラーである赤、リベラル派民主党の青をタイトルに、アメリカ国内で報道された「ひとつの記事」に対して、保守派(赤)とリベラル派(青)のアメリカ人がそれぞれのどんな見解を示すかを対比するBizseedsイチオシの連載・特別企画!

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