中国が「北朝鮮問題は中国の責任」は止めてくれ!

中国が「北朝鮮問題は中国の責任」は止めてくれ!


 北朝鮮が大陸間弾道ミサイルの発射テストに成功し、それが米国アラスカ州と西海岸の一部に到達する可能性があることから、アメリカもこれまでの「対岸の火事」の見物から、我が身に降りかかる火の粉を払う必要性に迫られている。

 トランプ大統領はG20で中国の習近平大統領と会談した際、「もっと北朝鮮に圧力をかけるように」と苛立ちを含めて表明した。中国の外務省報道官、耿爽氏は今月11日の記者会見で関係各国からかかる中国へのプレッシャーについて聞かれ、「朝鮮半島の緊張を高めているのは中国ではないし、解決の糸口を握っているのも北京ではない」と反論。また、「中国はすでに絶え間ない努力を続け、建設的な役割を担っている。他の関係国もそれぞれの役割を担うべきだ。北朝鮮の核問題は大げさに扱われているうえ、それが中国の責任だという意見が目立つ。これには何か秘めた目的があるのではないか」と、中国に全責任を押し付けるべきではないと強調した。この中国の発言をRedとBlueはどう見るか?

出典『共同通信』
元記事「China Says, 'China Responsibility Theory' on North Korea Has to Stop」
https://www.reuters.com/article/us-northkorea-missiles-china-idUSKBN19W0V6

RED: そういう中国は、北朝鮮に対する世界的な通商停止に加わるのか?
"Okay I’ll bite. Will China join a world-wide embargo of North Korea?"

 中国も問題は抱えている。それはわかる。中国は国内に10億人以上の人口を抱え、北京の中央政府はじわじわと下降する7兆ドルの経済に苦戦しているのだから。とは言え、北朝鮮の貿易経済の90%は中国との取引きからなり、2国間の取引は年間50億ドル以上で、北朝鮮にとって中国は最大の貿易国である。もし中国が北朝鮮を経済的に遮断したら、北朝鮮の共産主義独裁者は、不吉な核兵器プログラムを継続するために必要な物資の調達先を見つけるべく苦労することになる。つまり、これは中国の問題なのだ。中国が関わらない限り、国連に認められたどんな経済制裁もほとんど何の効果も持たない。だから、お言葉を返すようだが、中国よ、どうか北朝鮮との通商を停止してくれと言いたい。中国がそうしなければ、世界は60年来の朝鮮半島の実戦紛争の可能性に直面することになるだろう。


BLUE:トランプの北朝鮮計画は計画ではない
"Trump's Plan on North Korea Was Never a Plan"

 トランプは大統領に就任して以来、“トランプのために”北朝鮮に働きかけるよう中国に要請し続けている。ツイッターを使って、「きちんと北朝鮮に対処するよう」習大統領をプッシュするのがトランプの対策だ。そんなことは絶対にうまくいかない。習近平が、アメリカの医療保険危機の解決法を140文字でツイートしたと想像してみてほしい。トランプのツイートの愚かさは、外務省報道官の耿爽氏の言葉である「ほかの者に働けと言って、自分たちは何もしないというのは良くない」に、よく言い表されている。

 いまのところ、トランプの「何もしない」アプローチに関連しているのは、韓国に配備したいくつかのミサイルと、さらにいくつかのツイート。それに韓国の大統領がホワイトハウスで食事をし、何艘かの軍艦が海から海へと移動し北朝鮮に接近したことだ。それぞれの動きが北朝鮮を刺激しているが、外交的な手法はまったく取られていない。新しい方針は何もない。トランプのもっとも最近の動きは、責任を中国に転嫁することだ¬¬。トランプは得意のツイッターで、「北朝鮮に関しての習大統領と中国の努力には非常に感謝しているが、残念ながらうまくいっていない」などとツイートしている。問題は、習大統領が外交政策についてトランプに個人レッスンをする時間でもない限り、トランプには何もできることがないということだ。

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者  
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

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