
カリフォルニア州議会で、6つの政策決定委員会代表(アジアおよび太平洋諸島民、黒人、ユダヤ人、ラテン系アメリカ人、LGBT、女性)が、「カリフォルニア州民の構造を正確に反映させるため」として先月末、ロビイ活動をする約400の会社や団体に対し、各社のロビイストのデータ提出を依頼する書簡を送った。データの内容には、ロビイストの人種、民族、性別、性的指向などが含まれる。回答は任意だが、同調査を、「男性優位の業界において多様な採用を促進する力になる」と歓迎する団体から、「政府の圧力だ」、「何に使うのか?」と否定的に捉える団体まで様々な波紋が広がっている。
行政の政策決定に多大な影響力を持つロビイストに多様性を求めるカリフォルニア州の動きを、RedとBlueはどう受け止めるか?
出典『Sacrament Bee』
元記事:California Lawmakers Want Data on Lobbyists’ Race, Sexual Orientation
http://www.sacbee.com/news/politics-government/capitol-alert/article160220334.html

“California Lawmakers are hypocritical idiots”
カリフォルニア州という州は単なる狂った左翼の典型だ。性的指向や人種が重要か? そもそも、そんなことは他人の知ったことではないだろう? それがカリフォルニアの左翼議員によると、「はい、重要です」となるらしい。こいつらは、人が異性愛者か同性愛者かを知りたがっている。なぜか? 州政府と共に仕事をするロビイ会社は多様性を反映していなくてはならないというのが理由だそうだ。
それでは次の事実はどうなる? アメリカの市民権は、その人の人種、肌の色、信条、宗教、性に根拠を置くものではない。例えばアメリカのパスポートには、人種は明記されていないし、まして性的指向など気にもかけていない。仕事においては、人種も性別も、その人が誰と寝るかも関係なく、唯一関係するのは、その人がいかによい成績を上げるかだけだ。
このナンセンスを考え出したばか女は、こんなことを言っている。
「正直に言います。このことを心地よく思わない人がいるだろうということは分かっていました」と、書簡に署名をした女性政策決定委員会会長のクリスティーナ・ガルシア女性議員。「我々の友人や支持者の中にもこれについて不愉快に思う人がいるだろうと予想していました。でも、我々は勇気を持って明確な態度を打ち出し、彼ら自身が自らの行動に気づくようにする必要があると決めたのです」
私が考える新しい多様性とは、もしパスポートに印刷されていることであれば聞いてもよい、それだけだ。そうすると、多様性について4つだけ質問できることになる。(1)市民権を持つ国(2)生まれた場所(3)名前(4)性別(男か女か)。以上。

“California Lawmakers Mean Well, but Go Too Far”
トランプ政権は今月、米国50州に各州の選挙民の氏名、住所、投票方法についてデータを出すように要請した。2016年の大統領選挙の投票に不正がなかったかを確認するという崇高な目的に基づくものだと説明しているが、ほとんどの州がその要請を拒否し、要請そのものが結局はキャンセルされた。
それと似たことがカリフォルニア州で起こった。州政府のロビイストが州民を公正に代表しているかを確認するというものだ。そこで州政府は、ロビイストの人種や性別のデータを求めた。これらの発想の問題点は、政府がいったん市民の基礎データを作ると、それが本来の目的以外のことで使われる可能性があるということだ。現カリフォルニア州政府は、ロビイストたちが州にふさわしく多様性に富んでいるかを案じている。しかし、これから数年後に次の州政府はロビイストが多様過ぎたと考え、作成されたリストをもとに、気に入らないロビイストを排除するかもしれない。
企業は人種、性別、信仰を採用の基準にしてはならないと法で定められている。政府は法に従う責任はあるが、スパイ小説のようなリストを作ることが仕事ではない。
寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者
1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。
「市民の声」を分かりやすくお届けする公式企画。分断が進むアメリカで、対立する思想を持つ市民はひとつのニュースをどう読むのか?
対立する思想を持つ市民たちによって深まるアメリカの「分断」。アメリカには二大政党の共和党(保守)と民主党(リベラル)があるが、それぞれの政党支持者は、どれだけ考え方が異なるのだろう?人口で見ると保守派、リベラル派の比率は約半々で、両者のものの考え方は、水と油ほど異なると言われている。日本からはあまり分からない「普通」のアメリカ人たちの思想の傾向。
この連載では保守派共和党の公式カラーである赤、リベラル派民主党の青をタイトルに、アメリカ国内で報道された「ひとつの記事」に対して、保守派(赤)とリベラル派(青)のアメリカ人がそれぞれのどんな見解を示すかを対比するBizseedsイチオシの連載・特別企画!