アメリカから分離? カリフォルニア州がアメリカから独立する?

アメリカから分離? カリフォルニア州がアメリカから独立する?


 イギリスがEUから独立したことは記憶に新しいが、実はアメリカ国内では、カリフォルニアが州北部をオレゴンの一部と合体させてジェファーソン州にする、あるいは州を6つに分割する、または米国から州を独立させるなど、異なる案が少なくとも4つ出ていることはご存知だろうか。カリフォルニア独立運動Calexit(カレグジット)の共同発起人の1人マーカス・ルイス・エヴァンスは、2018年11月までに60万人の署名を集めて住民投票に持ち込むための運動をしているが、目標にはほど遠い。しかし、州が国から独立する話は様々な州で繰り返されている事実もあり、分断が進むアメリカでは国家存続の問題の一つとして、大きな焦点にもなっている。RedとBlueは、独立を支持するのだろうか?

元記事『Los Angels Times』:http://www.latimes.com/politics/la-pol-ca-california-secession-20170416-story.html

 妙な時代というのはあるものだ。2014年、スコットランドは英国から独立しようとして失敗した。昨年(2016年)は英国がEUを離脱。続いて米国では州を分割しようとする動きが見られる。今、カリフォルニア州北部の田舎で相当な数の郡が、同州から分離して51番目の州「ジェファーソン」を形成したいと望んでいる。現在カリフォルニアは、州議会、現職知事、上院議員、ワシントンD.C.への議会代表団のほとんどが左派だが、分割は保守党にとって有利な効果を生むことになる。(1)まず米国の上院に加わる2議席はどちらも保守になるはずだから共和党の議席が増える。(2)次に大統領選挙の選挙人団の性質上、現在のカリフォルニアの55票が分割されて一定数が保守党に流れる。そうすると将来、民主党もしくは左派が大統領を選出するチャンスが大幅に減るというわけだ。左派優位のカリフォルニアなのに、彼らは本当にそれでいいのだろうか?

 おや、まただ。テキサスが州から抜けたいとか、ワシントン州東部が西部と分かれて51番目の州になりたいとか、毎年のように聞かされる。
 カリフォルニアは世界で6番目の経済規模を持つが、州またはその一部が米国から分離したとして、一年後のランク付けは? カリフォルニア・ワインは隣のオレゴン州では輸入品? テキサスが州から抜けたら他の49州が原油を押収しようと侵略するのを防げるか? カリフォルニアは北朝鮮にどう対応するのか? などと考えるのは面白い。
 各州政府は、他州との抑制・均衡をはかって統治している。アメリカは様々な主張のせめぎ合いによって繁栄しているのだ。異なる意見がなければ、国は偏りすぎるに違いない。上記の州に行ってみるといい、人々はほぼ満足して生活している。どの投票にも実現のチャンスはない。

記事トピックスは過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

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