竹刀と真剣 下積みから得る知識と精神力

竹刀と真剣 下積みから得る知識と精神力


 私は50歳になってから、投資の恩師とよべる人物に出会った。人生も半世紀。生き方の大筋は理解しているつもりだったが、私より一回り以上も若い恩師とまず話したことは、「どう生きたいか?」という問答であった。投資の経済面だけ見ていた私には、そのプロセスは目から鱗の落ちる体験だったので、私は恩師の「道場」に「入門」してみることにした。授業料も時間も、そうとうな覚悟を持って臨まなければならない決断だったが、新しい知識と視点を得てみようと思ったのだ。

 その「道場」であるが、「自信をもって投資をできるまで、いったいどのくらいの時間を勉強したのか?」と聞かれることがよくある。多くの方が興味をもっている事のようなので、ここで私のケースを述べてみたい。

 恩師の授業は、「基本理論をまず徹底的に学ぶ」というやり方で始まった。日中は私も大学での勤務があるので、通勤前に学習時間を取るために朝5時に起床し、毎日2時間を学習に当てることにした。朝稽古だ。そしてほぼ1年、それを自分に課した。

 ここでまた、投資を武道になぞらえてみよう。

 昔の侍は、剣術の稽古に入門する際、まずは道場の雑巾がけを課せられ、竹刀さえ持つことができないと聞いたことがある。私は恩師が用意した学習資料、勧めてくれる本やビデオを踏破し、まずは机上の学習で技術を理解し、覚え、また心構えを学んでいった。
 その後、剣道では竹刀を持たせてもらえ、素振り、練習試合等の稽古を繰り返す。それと同様に、次は実地の取引ではなく、シュミレーションができるシステムを使って、バーチャルな投資をして「稽古」をした。
 「真剣を手にする」、すなわち実地の取引は、確実なものになる自信がついてからである。各自の性格や在り方にもよるだろうが、わりと慎重に周到に用意してから動きたい私にとっても十分な、1年という期間が経とうとしていた時だ。その頃には、すでに多数の投資の技を学んでいて、自分の目的や性格、ライフスタイルに合うものも選択して組み合わせることが出来るだけの知識もあった。動じない精神力も自ずと付いていた。
 投資本などでテクニックや知識を仕入れて少し試してみることもあるだろうが、それは、やっと竹刀に触ることのできる頃だと考えたらよいだろう。それで百戦錬磨の侍の真剣と、一騎打ちできるだろうか? 結果は明らかだ。技も精神も、とてもではないが勝負にならないのがわかるだろう。

 早起きの習慣は恩師の元に入門した頃から定着し、今でもその時間帯を投資とさらなる学習時間に当てている。その「朝稽古」のスケジュールで生活をするようになってから、もちろん経済的にも余裕が出来、それによって私が最も欲しかった「時間」も増えた。そして嬉しいおまけもついてきた。体調が良くなり、体重も落ちたのである!

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