宿題よりも読書や家族の時間を 「低学年は宿題なし」の動き広がる

宿題よりも読書や家族の時間を 「低学年は宿題なし」の動き広がる


 全米の学校で、低学年の子どもたちへの宿題を見直す動きが起きている。「宿題の学習効果はほとんどない」という研究結果が出され、家庭でも、宿題のストレスに悩まされることへの不満が高まっているためだ。

 今年度、フロリダ州中部にあるマリオン郡公立小学校では、ほとんどの日に宿題を出さないことにした。同郡の教育長ハイディ・マイヤー氏は、長い間「家族間の夜の口論のきっかけ」となってきた宿題の代わりに、親が子どもたちに毎晩20分間、本を読むことを奨励した。宿題をなくすことは、教師たちにとってもプラスがある。宿題の採点作業から解放されれば、教師たちは本来注力すべきである授業の準備や、教育のための時間を増やすことが出来る、と同氏は話している。

 また、ワシントン州バンクーバーや、テキサス州ヒューストン郊外のケイティ独立教育学区などでも「宿題なしの夜」が静かに広まりつつある。昨年8月、テキサス州ゴッドリー小学校の2年生教諭ブランディ・ヤング氏が、新年度には宿題を出さないと親に手紙を送ったということが、ソーシャルメディアで話題になったこともあった。同氏が家族で夕食を一緒に食べ、本を一緒に読み、外で遊び、子供を早く寝かせるようにフェイスブック上で勧めたところ、それに共感する人たちによって広く投稿が拡散されたのだ。

 一方で、宿題に関する研究は、大部分が高学年の生徒に着目したもので、結論もまちまちと言う現状もある。デューク大学のハリス・クーパー氏は、低学年(幼稚園から小学3年生まで)では確かに「宿題と成績」の間に相互関係はほとんどないが、年齢が上がるにつれて相互関係が強まると指摘。「宿題の肯定的な因果効果」を主張している。同氏は、宿題は子どもの自主性や自制力を強め、時間管理力を高め、家庭と学校の連携を増すなど、他の利点もあるはずだと主張している。

 一部の地域では、「宿題なし」に対する親たちからの揺り戻しもある。ニュージャージー州のウェスト・ウィンザー=プレインズボロ学区では、一昨年に中国・インド・韓国からの移民である親たちが、「これでは我々の子どもたちは将来に対して準備ができない」と教育の「知的レベルの低下」を訴えている。

 長い間、多くの学校は、学年数あたり10分間以上の宿題を課さないという「10分ルール」に賛同してきた。1年生は10分間、9年生は90分間、12年生には2時間相当の宿題というわけだ。スタンフォード大学教育大学院の上級講師デニース・ポープ氏は、このルールは中学校と高校ではうまくいくかもしれないが、これを開発した研究者たちも、小学校レベルでは試行していないと話している。

 「若者への不健康なプレッシャーを減らし、若者の成功についてのより広いビジョンの擁護を目指す」研究と介入のためのプロジェクト「チャレンジ・サクセス」の共同創設者でもある同氏は、子どもたちが健康に育つためには、遊ぶ時間、家族の時間、休憩時間がもっと必要であり、宿題はそれを妨げると言う。高校生には「大人が仕事のミーティングに備えるように」授業の予習が必要だが、低学年では「家庭では他のことが優先されるべきだ」と同氏は語っている。

引用元:Schools ditching homework for younger students in favor of reading, family time
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