シャーロッツビルの差別主義先導者はオバマ支持者?

シャーロッツビルの差別主義先導者はオバマ支持者?


 左翼系の非営利団体、南部貧困法律センター(SPLC)は、バージニア州シャーロッツビルで行われた白人国家主義者集会をオーガナイズ主宰したジェイソン・ケスラー氏の経歴を調べたレポートを発表した。その中で、ケスラー氏は前オバマ大統領の元支持者で、アメリカの金融界に抗議して2011年から12年にかけて行われた「ウォール街を占拠せよ」運動に参加しており、白人国家主義者としての近年の活動は純粋な意図からではなく売名行為目的のように見える、とまとめた。極右系・白人至上主義によるオンラインメディア『ブライトバート』は同レポートをもとに、ケスラー氏が元左翼であり、オバマ大統領支持者であったと報じた。シャーロッツビル事件の責任は誰にあるのか? 

出典『Breitbart』
元記事:Charlottesville Racist Leader Was Former Occupy Activist, Obama Supporter - Breitbart

RED: ワイマール共和国アメリカ
“Weimar America”

 ドナルド・トランプの当選によって、アメリカの暴力的共産主義者、社会主義者、過激派は集団ヒステリーに陥った。その結果、これらの悪党たちによって引き起こされた暴力、騒動、破壊行為は、彼らの仲間である左翼の主流メディアによって公然と支持され、応援されている。歴史的観点からみると、彼らの暴力的な抗議行動には気がかりなパターンがある。おそらく2016年3月のドナルド・トランプのシカゴ政治集会が発端だ。左翼の悪党と扇動者がトランプ支持者を傷つけ、集会を邪魔するために、ヒラリー・クリントン陣営に雇われ、実際にその集会はキャンセルされた。このような政治的な暴力は、アメリカの民主主義に対しての脅威だ。ドナルド・トランプはアメリカ50州の広い範囲で指示をされ選出されたというのに、左翼主義者の暴力団どもは暴力をエスカレートするに至ったのだから。

 いわゆる「極右白人国家主義者とネオナチ」が起こしたシャーロッツビルの事件は、左派活動家としてよく知られたジェイソン・ケスラーが組織し、率いたものだということが明らかになった。これには、ナチ(NAZI)が国家社会主義ドイツ人労働者党の頭文字をとったものであるだけに、納得がいく。ナチは白人至上主義・オルトライトではない。彼らは最も左寄りの共産主義者の仲間だ。唯一の違いは、共産主義は基本的に国際社会主義者であり、ナチは国家社会主義者であることだ。もし、そうでないならば、彼らはどちらも完全なマルクス主義イデオロギーで、本質的には完全に左翼だということだ。ワイマール共和国が狂人の手に落ちたのは、ドイツの街を支配し無残な暴力行為を行った共産党の暴力団に対して無力を感じたドイツの民衆に大きくかかっている。秩序を激しく求めていた人々は、最終的にどんなツケが回ってくるかを理解しないまま、平和と繁栄を約束したリーダーの元に集まったのだ。

 アメリカの警官は、手遅れにならないうちにANTIFA(反ファシズム団体)のようなグループを直ちに取り締まる必要がある。リーダーを逮捕し、資金調達の源を調査し、こうした暴力団に物資を提供するものを起訴するために、RICO(The Racketeer Influenced and Corrupt Organizations Act)刑法を発動するべきだ。アメリカの街において、政治的暴力、脅し、残忍な破壊行動に対しての寛容はあり得ない。これらのグループは法を犯している。地域の役人や州知事は、法の施行を開始する必要がある。


BLUE:結論を求めた結果、ナンセンスがいっぱい
“A Lot of Nonsense in Search of a Conclusion”

 右派は、ジェイソン・ケスラーが彼らの一員ではないことにして、彼をスケープゴートにしようと躍起になっている。この記事は、シャーロッツビルの白人至上主義者たちが、選挙運動中のトランプと同じ格好をしたトランプ支持者たちであること、そして死者まで出したデモをトランプが翌日に非難すらしなかったことに彼らが励まされているという厄介な事実から、人々の注意をそらそうとしているだけだ。

 トーチを掲げた白人至上主義者の右翼集団をケスラーという男が組織したことを、左派のせいにしようとするのは、無責任な空想にすぎない。まるで、アメリカにおいては、みんなが働いている月曜日に皆既日食が起こったのは、バラク・オバマのせいだと言っているようなものだ。ブライトバートの記事はジャーナリズムにおいて最悪の記事とはどんなものかという、よい例だ。右翼の流行語をちりばめ、関連性のない事実と噂を寄せ集めただけのもの。ブライトバートが言う「ニュース」の多くがそうであるように、記事は主題から始まるが、それに対する支持的な議論もなければ、反論も結論もない。

 ケスラーは、「ウォール街の抗議デモには一度だけ参加したが、気に入らなかった」というのが事実であり、あの運動への彼の「関与」はその程度だ。この記事が同社のシニア・エディター(ベテラン編集者)によって書かれたと記載されているのも信じられない。大学一年の時に英語で合格点を取った人なら、こんなものを署名記事として出すのは恥ずかしいはずだ。

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者  
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

シャーロッツビルに関する記事 >

この記事の寄稿者

「市民の声」を分かりやすくお届けする公式企画。分断が進むアメリカで、対立する思想を持つ市民はひとつのニュースをどう読むのか?
 対立する思想を持つ市民たちによって深まるアメリカの「分断」。アメリカには二大政党の共和党(保守)と民主党(リベラル)があるが、それぞれの政党支持者は、どれだけ考え方が異なるのだろう?人口で見ると保守派、リベラル派の比率は約半々で、両者のものの考え方は、水と油ほど異なると言われている。日本からはあまり分からない「普通」のアメリカ人たちの思想の傾向。
 この連載では保守派共和党の公式カラーである赤、リベラル派民主党の青をタイトルに、アメリカ国内で報道された「ひとつの記事」に対して、保守派(赤)とリベラル派(青)のアメリカ人がそれぞれのどんな見解を示すかを対比するBizseedsイチオシの連載・特別企画!

関連する投稿


米大統領選ガイド(10)「トランプは勝てるのか?」

米大統領選ガイド(10)「トランプは勝てるのか?」

2020年11月3日に実施される米大統領選挙。トランプ現大統領率いる共和党とリベラルな民主党が政権奪回を争う選挙戦は、その後の世界情勢にも大きく影響するが、米大統領選のルールはかなり複雑だ。そこで、米大統領選を2000年から取材しているジャーナリスト・西森マリーによる、どこよりも分かりやすい解説をお届けしよう。


新型コロナウイルスでトランプ叩きをする米大手メディア

新型コロナウイルスでトランプ叩きをする米大手メディア

米テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、米国内でも報道されにくい保守派の声をお届けする、西森マリーの「トランプ支持がなぜ悪い? アメリカ保守派の考え方」。今回はトランプ大統領を嫌っている米大手メディアと民主党によるトランプ・バッシングが、度を超えているという著者の意見を例を挙げて紹介しよう。


バイデンで大丈夫なのか? 失言ばかりのバイデン「迷言集ベスト10」

バイデンで大丈夫なのか? 失言ばかりのバイデン「迷言集ベスト10」

米テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、米国内でも報道されにくい保守派の声をお届けする、西森マリーの「トランプ支持がなぜ悪い? アメリカ保守派の考え方」。今回はトランプ大統領の再選を阻止しようとする民主党代表候補バイデン氏の「失言や物忘れがひどすぎやしないか」という件について。


米大統領選ガイド(9)「スーパー・チューズデーはなぜ重要なのか?」

米大統領選ガイド(9)「スーパー・チューズデーはなぜ重要なのか?」

2020年11月3日に実施される米大統領選挙。トランプ現大統領率いる共和党とリベラルな民主党が政権奪回を争う選挙戦は、その後の世界情勢にも大きく影響するが、米大統領選のルールはかなり複雑だ。そこで、米大統領選を2000年から取材しているジャーナリスト・西森マリーによる、どこよりも分かりやすい解説をお届けしよう。


【Red vs. Blue】トランプの弁護士一家が慈善基金から約71億円も受け取っていた件

【Red vs. Blue】トランプの弁護士一家が慈善基金から約71億円も受け取っていた件

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された新聞記事について各派のアメリカ人が見解を披露する。今回はトランプ大統領のお抱え弁護士であるセクロウ氏と彼の家族が慈善団体から約71億円も受け取っていたことについて。






最新の投稿


米大統領選ガイド(10)「トランプは勝てるのか?」

米大統領選ガイド(10)「トランプは勝てるのか?」

2020年11月3日に実施される米大統領選挙。トランプ現大統領率いる共和党とリベラルな民主党が政権奪回を争う選挙戦は、その後の世界情勢にも大きく影響するが、米大統領選のルールはかなり複雑だ。そこで、米大統領選を2000年から取材しているジャーナリスト・西森マリーによる、どこよりも分かりやすい解説をお届けしよう。


BizSeeds編集部スタッフがお届け!『ロックダウン・アメリカ』スタート

BizSeeds編集部スタッフがお届け!『ロックダウン・アメリカ』スタート

新型コロナウイルス、死者・感染者ともに拡大を見せているアメリカ。ロックダウンが始まって1ケ月今日、アメリカのフツーの人は、どうやってロックダウン生活を過ごしているのか? 


新型コロナウイルスでトランプ叩きをする米大手メディア

新型コロナウイルスでトランプ叩きをする米大手メディア

米テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、米国内でも報道されにくい保守派の声をお届けする、西森マリーの「トランプ支持がなぜ悪い? アメリカ保守派の考え方」。今回はトランプ大統領を嫌っている米大手メディアと民主党によるトランプ・バッシングが、度を超えているという著者の意見を例を挙げて紹介しよう。


コロナウイルスにどう立ち向かう? 12星座「ハリウッド開運術」特別編

コロナウイルスにどう立ち向かう? 12星座「ハリウッド開運術」特別編

ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスが、お届けする開運指南。今月は新型コロナウイルスが猛威を振るう世の中における、今後の動向を星の配置や数秘の観点からお伝えしていきます。


トイレットペーパーを買い溜めても、コロナが招いた問題は解決しない

トイレットペーパーを買い溜めても、コロナが招いた問題は解決しない

圧倒的にリベラル派が多く住む米西海岸から、トランプ大統領と共和党の政策に真っ向から反対する日系アメリカ人ジャーナリスト、マイク佐藤がお届けする「トランプを支持しない人たちの声」。今回は、新型コロナウィルス感染防止で自宅に篭るべく、個々が食料品や雑貨の買い溜めをして備えているが、「忘れられている備え」があることについて。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング