トランスジェンダー生徒の名前を間違えた小学生、校長室に呼び出し

トランスジェンダー生徒の名前を間違えた小学生、校長室に呼び出し


 幼稚園で教師がトランスジェンダーの本を子供達に読んだとして波紋を呼んだカリフォルニア州ロックリン地区のチャータースクール、ロックリン・アカデミー(幼稚園〜高校)が、再びトランスジェンダーに関する問題で保守系メディア『FOXニュース』の槍玉に挙げられている。

 同校の小学1年生の女子生徒が校庭で、幼稚園時代から知っていた同級生に声をかけた。しかし、その子がトランスジェンダーであり、男から女への性別適合医療を受けている最中とは知らずに「元の名前」を呼んでしまった。元の名前で呼ばれたトランスジェンダーの生徒は、教師にそのことを報告。声をかけた女子生徒は校長室に呼び出された。その女子生徒は「いじめ」が目的で元の名前を呼んだのではなく、それは純粋な間違いだった、ということが認められるまで、校長室で約1時間も取り調べを受けることになったと『FOXニュース』は報じている。同テレビ局に情報を提供したのは、キリスト教保守派の公共政策グループ、「キャピトル・リソース」。同グループは、ロックリン・アカデミーでLGBTの課題が子供達に押し付けられているとして憤慨している保護者たちと連携を図っている。子供たちを取り巻くトランスジェンダーの現状を、RedとBlueはどう捉えるのか。

出典『FOX News opinion』
元記事:First grader sent to office for ‘misgendering’ fellow student

RED: カリフォルニアの学校は子供たちが 1 + 1 = 3だと信じることを望んでいる
“California Schools now want kids to believe 1 + 1 = 3”

 トランスジェンダーについてどう考えようと、そのこと自体は各自の勝手だが、子供たちに、「先日まで少年だった子が、実は少女なのだ」と信じさせようとするのは、子供たちに 「1 + 1 = 3だと信じなさい」と言うのと同じことだ。それは、嘘である。思考における暴虐、いや、それよりもっと悪い。

 自分の目に見える事実を無視して、子供が生まれ持った性とは異なる性に変わるというトランスジェンダー空想を信じるようにと6歳の子供に押し付けるのは、ウエストバンクのパレスチナ自治政府の小学校で、小さな子供たちに、第二次世界大戦中にユダヤ人のホロコーストは決して起こらなかったと教えるようなものだ。ホロコーストが起きたことを我々は知っている。それを証明する死体がある。同様に我々は、少年は少女には変われず、少女は少年には変われないことを知っている。それを証明するのは、一目すれば良いだけだ。カリフォルニアの教育制度が、混乱した子供(もしくは混乱しているのは子供の親かもしれない)のトランスジェンダーの空想を信じるか、さもなければ校長室に行って罰を受けなさいと言うのは、小学生に対して「自分が見ているものは真実ではない。嘘の方を信じなさい」と強要するようなものだ。子供達に1 + 1 = 3だと教えることが、学校教師や管理者の仕事ではないはずだ。


BLUE:右翼メディアと右派はトランスジェンダー妄想に取り憑かれている
“Right-wing Media Is Obsessed with Transgender People”

 当コラムで同じ話題をつい先週、取り上げたばかりではないか?! つまり右派は、この話題に固執しているらしい。彼らは一体、何をそんなに恐れているのだろう? 

 右派がトランスジェンダーの人々に対して抱く恐れは、同性愛者に対して抱く恐れと同じであり、白人以外の人々に対して抱く恐れと同じだ。60年前、黒人の子供達が白人と同じ学校に行くようになった時、黒人の子供達は白人の怒りと暴力に直面した。白人に家を放火された黒人家庭もあったほどだ。40年前に、同性愛者がセクシュアリティーを公表し始めると、公表した彼らは殴られ、なかには殺され、いくつものゲイクラブが放火された。こうした暴力は今でも続いている。なぜか? それは右派が、自分達と異なる人々を恐れる理由をねつ造し続けたからだ。同性愛者を攻撃した際には、右派は「同性愛者はストレートの子供を同性愛に変えようとしている」という嘘を広め、黒人たちのことは「凶悪犯罪者」で「怠け者」だと呼んだ。

 今、トランスジェンダーという性は世の中に認識されつつあり、ほとんどの社会では理解を深めようと人々がそれについて学んでいるところだ。しかし、トランスジェンダーの人々は右翼メディアに嘲笑され、街で殴られる。なぜ右派は、自分自身であろうとする人々が「彼らとは異なる」というだけで、そこまで嫌うのだろうか?

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者  
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

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この記事の寄稿者

「市民の声」を分かりやすくお届けする公式企画。分断が進むアメリカで、対立する思想を持つ市民はひとつのニュースをどう読むのか?
 対立する思想を持つ市民たちによって深まるアメリカの「分断」。アメリカには二大政党の共和党(保守)と民主党(リベラル)があるが、それぞれの政党支持者は、どれだけ考え方が異なるのだろう?人口で見ると保守派、リベラル派の比率は約半々で、両者のものの考え方は、水と油ほど異なると言われている。日本からはあまり分からない「普通」のアメリカ人たちの思想の傾向。
 この連載では保守派共和党の公式カラーである赤、リベラル派民主党の青をタイトルに、アメリカ国内で報道された「ひとつの記事」に対して、保守派(赤)とリベラル派(青)のアメリカ人がそれぞれのどんな見解を示すかを対比するBizseedsイチオシの連載・特別企画!

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