最新! アメリカでの日本マンガ&ゲーム事情

最新! アメリカでの日本マンガ&ゲーム事情


 「日本のマンガやゲームは、世界での市民権を得ている」と言われるようになったが、アメリカでも日本のマンガとゲームは市場に浸透し、その地位は着実に確立されつつある。ロサンゼルスの「Anime Expo」にはじまり、ワシントンD.C.の「アニメUSA」、ニューヨークの「Anime NYC」など、各州に必ずひとつはあるといわれる大型イベントを筆頭に、ゲームやマンガ絡みのコンベンション(俗にいうコミケ)は小さな規模も含めれば全米に500近くあるとも言われる。その会場で、スパイダーマンなどで有名なアメリカのアニメ大手「マーベル」と肩を並べる主役は、日本発のものだ。

 BizSeeds編集部のあるシアトルでも、年に一回「SAKURA-CON」というコンベンションが開催されている。1998年には動員数がたった313人だったイベントが年々成長を遂げ、今や毎年2万人以上を集客するまでになった。SAKURA-CON当日は、シアトルの街中にセーラームーンやワンピース、エヴァンゲリオン、バイオハザード、ポケモンにドラゴンボールと、コスプレ族たちで溢れかえる。そういう格好の集団がバスやフェリーなどの公共交通機関を占拠する様子は、もはやシアトル初夏の「風物詩」と言った調子だ。

 権利売買という視点でみても、日本のコンテンツは元気がよい。今年も日本の人気漫画『攻殻機動隊』の実写版、『Ghost in the Shell』が公開されたばかりだが、ハリウッドでも日本のマンガは無視できない存在だ。つい最近も、ワーナー・ブラザーズがハリウッド版『進撃の巨人』を制作する権利を獲得したのではということが、話題になったばかり。来年には『タイタニック』で有名なジェームス・キャメロンが脚本を手掛け、『フォレストガンプ』のロバート・ゼメキスが監督を務める『銃夢』の実写版、『Alita: Battle Angel』も公開が決定している。

 このような流れを支えるひとつが、『OTAKU USA MAGAZINE』という雑誌である。アメリカでは、どこの書店にいっても置かれている人気の隔月雑誌だ。日本のマンガ、ゲーム、ポップカルチャーを知るための必須媒体ともいうべきこの雑誌の編集部は、米東部バージニア州にある。発行部数を電話で問い合わせたところ、実数は教えてはもらえなかったが、購読者層はここ3年ほど、毎年倍増しているそうで、アメリカやカナダだけでなく、世界の英語圏全域に読者がいると自信満々な様子だった。その際、「あなたが注目している日本のアニメで、次にアメリカで流行るものは何だと思うか?」と質問したところ、30分近くも熱弁を振るわれたが、そのスタッフ編集者が、「これぞ、イチ押し!」だと選んだマンガは、佐野菜見氏の『坂本ですが?』(アメリカ版タイトルは”Haven't You Heard? I'm Sakamoto”)だった。

坂本ですが? 1 (HARTA COMIX)

ビジネスに関する記事 >
Bizseedsでは、アメリカの注目新サービスを日本に展開するお手伝いをしています。ご興味のある方はお気軽にお問合せください。

この記事の寄稿者

関連する投稿


野菜は近所で調達! ローカル・フード・ムーブメント

野菜は近所で調達! ローカル・フード・ムーブメント

「サステイナブル(持続可能)」は、今日のアメリカの農業を語る上での、ひとつのキーワードだ。サステイナブルな農業にもいろいろな方法があるが、身近でそれを実現させている注目のサイトを紹介しよう。


日本に居ると分からないアメリカ

日本に居ると分からないアメリカ

シカゴを拠点に、30年近くビジネスを展開する著者が、アメリカに進出したい企業人が知っておくべき常識や、ハイパーニッチで事業開発を加速化する術を指南。岸岡慎一郎のコラム『今こそ、アメリカで勝負!』。2017年はトランプ政権発足により、波乱の幕開けであった。1年が経ち、経済はどのように動いているのか。今年を総括してみたい。


ミレニアムのテレビは「コード・カッティング」

ミレニアムのテレビは「コード・カッティング」

進化を続けるオンライン事情により、日々豊かに変化していく人々の暮らし。そんな世界で賢く生きる術とは? デジタルマーケティング専門家、ティム・ポールが解説するコラム『オンラインと僕らの生活』。最近はアメリカの一般家庭でも自宅用の電話を引かず、携帯電話だけにする人が増えたが、テレビもまたその流れを追っている。


英語が母国語の人にとって最も難解な言語は日本語!

英語が母国語の人にとって最も難解な言語は日本語!

アメリカの外交官などを対象にした外国語教育機関、Foreign Service Institute(FSI)の調べによると、英語が母国語の人にとって、日本語は最も難解な言語であるということが判明した。その理由とは?


アース・ウィンド&ファイヤーとの出会い その2

アース・ウィンド&ファイヤーとの出会い その2

アース・ウィンド&ファイヤーや、メアリー・J・ブライジなど、ビッグネームの舞台を支える著者が見た、エンターテインメントの実際とは? 飯塚登志子がお届ける『アメリカのエンタメ業界、そして私の進む道』。今月は著者のアメリカでのキャリアの出発点となったアース・ウィンド&ファイヤーとの仕事が、いかにして始まったかの続編だ。






最新の投稿


訳が分からないアメリカの不法移民問題

訳が分からないアメリカの不法移民問題

保守とリベラル派の対立が激化し、「分断された」と言われるアメリカだが、実際には中道派も多く存在する。二つの異なる思想の間で様々な思いを抱く中道派の視点で、グッドイヤー・ジュンコが「アメリカ」を語る。1,100万人以上とされるアメリカの不法移民。トランプ政権発足後、取り締まりが強化されているが……。


権利意識が社会を変える:アメリカ女子アイスホッケー(前編)

権利意識が社会を変える:アメリカ女子アイスホッケー(前編)

アイスホッケーの在米コーチである著者が、アメリカのプロスポーツ・ビジネスの構造や考え方、ユース・スポーツの育成、アプローチ方法などを情報満載でお届けする、若林弘紀のコラム『スポーツで知るアメリカ』。平昌オリンピックの開幕まで、あと約1カ月。今回は注目の女子アイスホッケーで、なぜ北米が優位なのかを解説する。


【Red vs Blue】サンフランシスコの慰安婦像 大阪市長が姉妹都市提携の解消を表明

【Red vs Blue】サンフランシスコの慰安婦像 大阪市長が姉妹都市提携の解消を表明

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された記事に各派のアメリカ人が各々見解を披露する。今回はサンフランシスコ市が設置した「慰安婦像」と大阪市の言い分について、保守派とリベラル派が市民目線で見解を述べる。


野菜は近所で調達! ローカル・フード・ムーブメント

野菜は近所で調達! ローカル・フード・ムーブメント

「サステイナブル(持続可能)」は、今日のアメリカの農業を語る上での、ひとつのキーワードだ。サステイナブルな農業にもいろいろな方法があるが、身近でそれを実現させている注目のサイトを紹介しよう。


トランプ大統領は現代のロビン・フッドだ

トランプ大統領は現代のロビン・フッドだ

多様なアメリカでは、暮らす地域によってすべてが異なる。テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、アメリカ国内でも報道されない保守の声をお届け。トランプ支持がなぜ悪い? 西森マリーの「アメリカ保守派の考え方」。先日、新税制改革法を通したばかりのトランプ大統領。彼こそが「現代のロビン・フッド」だと評価する保守派の考え方とは?


アクセスランキング


>>総合人気ランキング