Appleの秘密主義に迫る!

Appleの秘密主義に迫る!


 去る9月13日に発表された新iPhone情報。そのニュースを目にしたBizSeeds読者も大勢いるのではないだろうか。なぜ、Apple製品はこんなにも世界中の人々から注目され続けているのか。こうしたインパクトある製品発表が可能になる背景には、Appleの「秘密主義」も大きく関係している。Appleやその社員は、どうやって一般に公開されるまで新製品の秘密を守っているのか? その秘密にまつわるあれこれを、友人のAppleの社員にインタビューし、今回フォーカスをしてみた。

社内でも秘密

 Apple社員は、たとえ家族や友人であっても、自分のプロジェクトの話は絶対にしないし、同じ部署の人間にも自分と違うプロジェクトの社員には、自分の仕事内容を洩らしてはいけない。そんなに秘密主義だと仕事をしづらく感じそうだが、プロジェクトごとに、社員はNDA(Non-disclosure agreement/情報公開をしないという同意書)に必ずサインをしなければならない。NDAにはプロジェクトに関わっている社員の名前がリストアップされており、誰が何の情報を持っていて、誰に何を話せばいいのかが明確なため、仕事の効率が良いそうだ。あまり社交的とは言えないApple社に勤める私の友人は、NDAのお陰で、「無駄にコミュニケーションを取る必要がないので、ありがたい」そうだ(笑)。

秘密を守るためのレクチャーが……?!

 Appleには業務内容をリークしないためのレクチャーがあるそうなのだが、今年6月には、そのレクチャーが盗聴されて、それがインターネットでリークされた事件がおき、Apple社員の笑いのネタとなっている。
An Internal Apple Presentation on How to Stop Leaks was Leaked

Apple社員の情報源

 Apple社員は自分の関わっているプロジェクトのことが分かっていても、新製品全体の情報を知ることができない。そのため、Apple製品の噂やリークした情報を掲載しているウェブサイトで、新製品情報をチェックしている人が多い。なかでも、社員がより情報が正確と一目置いているウェブサイトは9 to 5 MACだそうだ。

Appleの重役はリークのターゲット!

 AppleのCEOティム・クックがツイートした自身の写真から、「彼のポケットに入っているスマートフォンは、従来のスマートフォンより大きい! 未発表の新製品に違いない!」と確信する人が続出。ティム・クックの身長から、彼のポケットに入っているスマートフォンのサイズを導き出して、新製品のサイズを予想する熱狂的なAppleファンがたくさんいるというのには驚きだ。

発売前の商品を自慢できないApple社員

 新製品の開発に関わった一部の社員は、テスト使用の意味もあり、発売前の製品を無料でもらえる。しかし、以前にあるApple社員がiPhoneをバーに置き忘れた際、その場にいた人たちが、それが未発表のiPhoneということに気づき、写真を撮りまくり、情報が漏れてしまった。それからは、発表・発売前の製品はAppleキャンパス外に持ち出すことを禁止されている。

入館制限・撮影禁止

 Apple社員は自分の働いている建物以外への入室ができないようになっており、他の建物はカフェテリアやメイン・ロビー以外は入館禁止だ。また、社員であっても、ゲストであっても、Appleキャンパス内での撮影は全て禁止となっている。そのため、Appleに見学に行っても、実際に入れる場所は限られており、撮影もできないので、「Apple本社へ来た!」という感動が正直薄くなる。しかし、それでも完成間近の自社ビルには、ビジターセンターやスティーブ・ジョブズ・シアターなどが併設されており、写真を撮れる一般公開のエリアもあるので、訪れる方としてはせめてもの救いである。今後はApple本社へ行く楽しみも増えそうだ(※iphone8/Xの発表を行ったスティーブ・ジョブズ・シアターはすでに完成しており、特別なイベントの際のみオープンされる)。

新製品発表の瞬間! Apple社員はどうしているのか?

 世界中の人たちが毎回注目するAppleの新製品発表。その際、Apple社員はカフェテリアやカンフェレンスルームで、発表記者会見をライブで見守り、拍手喝さいを送る。シリコンバレー・エンジニアの中でも特に働き者と言われ、それまで製品の秘密を守り続けたApple社員たちは、この瞬間が一番の喜びだそうだ。

 おしゃべりな私が仮に「秘密主義」のAppleで働いたとしたら、話せないことばかりでストレスになりそうだが、Apple社員の友人は、「この秘密主義を貫いているからこそ、毎回、新製品発表の際には、世界中の人にプレゼントの箱を開けるようなドキドキ・ワクワクを提供できるんだ!」と嬉しそうに話していた。Apple創業者の故スティーブ・ジョブズは「夢を売る」ということを信念にしていた。ジョブズの信念は今も、Apple社員に受けつがれているのだ。

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