グーグルが新絵文字を発表 決定までに2年も

グーグルが新絵文字を発表 決定までに2年も


 グーグルが次期OS「アンドロイド・オレオ」の発表に伴い、これまでの黄色い絵文字を新デザインに変更した。グーグルの絵文字においては、ここ数年間で最大の変更で、新デザイン決定までには2年もかかったという。言い方は悪いかもしれないが、主要機能の変更ならまだしも、絵文字のデザインで2年……世界企業は、どんな小さなことにも予算とお金をかけられるということなのだろう。

 2013年に登場した黄色い絵文字の「ブロブ」は、焼く前のクッキー生地のようなあいまいな円形をした絵文字だった。日本のデザイン会社ic4designと共にコンセプトづくりに携わったグーグルのデザイナー、サトエ・ハイル氏は、「この絵文字には『ぽにょん』というコードネームをつけていた。かわいいものを作りたかった」と語っている。

 日本においても絵文字はコミュニケーション上、必要不可欠な役割を果たすようになっているが、ここ、アメリカにおいてもその必要性は変わらない。何か問題があれば、細かな修正は都度行われ、改良もされてきた。例えば黄色いブロブのデザインは、他社のプラットフォームとの互換性に問題があり、2014年には、iOSのハートマークが、アンドロイドでは毛の生えたピンクのハートに変換されていた時期もあった。グーグルはブロブをニュートラルなイメージに設定にしていたが、2015年からユニコードが 絵文字の性別や肌の色の多様性を推し進め、同年グーグルはブロブの輪郭をつりがね型に統一し、すべてが正面を向くように再編。2016年には、リアルな人間の絵文字と選択可能な肌の色を導入し、ブロブと共存させた。しかし、二種類の絵文字の不調和は明らかだったため、ブロブの位置づけを再考。2年近いミーティングやデザイン・スプリント(グーグルが開発した高速プロジェクト術)を繰り返して、今回の新しい絵文字が生まれた。

 新しい絵文字は「表情だけを見て探せるように」、左右対称な円形で表情がこれまでよりずっと豊か。完全な円形ではなく、少しひしゃげた形は、ブロブへのささやかなオマージュだ。グーグル全社共通のデザイン言語「マテリアル・デザイン」と、ゆるくつながった基調色のパレットを作り、どんな色の背景でも絵文字が立ち上がるように輪郭が加えられた。システムは一から再構築したため、使い回しが可能な目や口や飾りのパーツを取り換えれば、異なる絵文字を作ることもできる。

 社会や時代の背景が、その時々の絵文字にも反映されると言うのはよく考えれば当然の流れかもしれない。今後も絵文字の形や意味は、さらに変化していくことだろう。

引用元:Say Goodbye to the Blob. Google's New Emoji Have Arrived
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