共和党、民主党のオバマケア廃案採決へ向けて再プッシュ

共和党、民主党のオバマケア廃案採決へ向けて再プッシュ


 今年7月に共和党は、オバマ大統領によって制定された医療保険制度「患者保護並びに医療費負担適正化法PPACA」、通称「オバマケア」の廃止法案の採決にあたって、通常可決には賛成票60票を必要とするところ、期間限定で50票とする特別ルールを設けた。それにもかかわらず7月に行われた採決では、賛否を分ける最後の一票に共和党のマケイン上院議員が反対票を投じ、可決しなかった。その後、共和党のグラハム議員とキャシディー議員が共同でオバマケア改廃法案を新たに作成。この新法案によると数百万人のアメリカ人が医療保険へ加入できなくなると見られている。ちなみに、出典元の記事が書かれた9月中旬には同法案は50票ルール有効期限の終了直前までに議会に持ち込まれる予定だったが、26日に議会は採決を来年に延期することを決定した。RedとBlueの見解はいかに?

出典『Los Angeles Times』
元記事:With a deadline approaching, Republicans last push to roll back Obamacare gains strength


RED: 共和党議員は協力してオバマケアを実際に廃止するべき
“The Republicans in Congress need to get their act together and actually repeal Obamacare”

 オバマケアは最初から悲惨なものなのだ。ナンシー・ペロシのような安っぽい左派政治家の故意の欺瞞と、自ら草案を作ったオバマケアを「増税対策だった」とテレビのインタビューで言ってしまったMITの経済学者、ジョナサン・グルーバーのような信頼におけない人物の手にかかっているのだから。しかもそんな風に問題だらけのものなのに、憲法学教授と名乗っているにもかかわらず、実際のアメリカ憲法については何も知らない愚かな前大統領によって署名されてしまった点で、さらに目も当てられない。

 オバマケアは誰の役にも立っていない。医療保険を必要としているのに経済的に加入するゆとりのない人も当然いるが、以前から加入していた人も保険料が2倍、3倍になり、しかも補償範囲は以前より狭くなるなどの問題が起こっている。オバマケアは、社会主義が良いと考える(社会主義が2、3年後に実際どうなるかはベネズエラを見るがよい)ナイーブな左派政治家のみに利益をもたらし、アメリカの医療保険会社は、オバマケアを公的に支持すれば政策の補助金および支払いとして数十億ドルを支給するだけでなく、国民が安い保険に加入するよう強制できるという、政府のおとぎ話を信じた。

 今、アメリカ人はワシントンD.C.の政治劇や腐敗がどのように機能しているのかを必ずしも理解していないかもしれないが、オバマケアの内容自体を、もう一度しっかり読んでみるべきだろう。これがいかに安っぽい内容か、をはっきり理解できるだろう。

 政府が彼ら自身の利益のために、国民にテレビやビデオ・ストリーミング・サービスを購入するよう強制したと想像してみよう。国民はサービスを購入すると、常に情報を得て、楽しむことができるとする。ところがテレビ自体が安物で粗悪ですぐに壊れるものだったり、ビデオサービスの月々の支払いがとても高く、しかも3つの番組しかなくて、それも見たくもないものばかりだったら、どう思うだろうか。オバマケアは、それと同じだ。まったくのクズで、しかも高い。だれも望まないものだが、アメリカ人は全員加入するように強制され、そうしなければ税金を払わなかった罪で逮捕され、刑務所に送られるというのだ。オバマケアは悪法であり、共和党はそれを廃止する必要がある。


BLUE:共和党は貧しい人々を殺すために頑張っているとしか言えない
“Republicans Work Hard Toward Killing Off the Poor”

 右派はオバマ前大統領への恨みから現行の医療保険を変えようとしているだけで、アメリカ人に利益をもたらす目的からではない。彼らは何年もそれを試みているが、アメリカの医療保険組織はどこも、その考えを支持していない。オバマがアメリカの医療保険システムを変える前は、2,000万人もの人々が救急医療室に駆け込むしか医師に診てもらう手立てはなかった。そして今、共和党はこれらの人々から、ようやく加入できた保険を取り上げるばかりでなく、アメリカのすべての人の基本的な医療へのアクセスさえ減らそうとしている。

 共和党は、彼らの提案だと選択肢が増えて、節約できると言っている。それはまったくのナンセンスだ。トランプが就任して以来、共和党が出したあらゆる医療法案は、加入できる人が今より少なくなり、より多くの費用がかかることが証明されている。

 アメリカの政府が取り組まなければならないのは、国の男女、子供すべての健康管理である。ヘルスケアはきれいな水、食料、空気と同じく、人権として捉えられるべきだ。米国は先進国の中で唯一国民健康保険のない国だが、共和党は、誰が、何のために、いつ医者にかかることができるのかというルールを定めたいと考えている。共和党はテレビ番組を作って、誰が生きて、誰が死ぬのかを抽選発表し、番組放映権を売って政府の予算のバランスをとるようにするかもしれない。新案を推す共和党にしてみれば、出場者の3分の1が死んでも気にしないのだろうが、国民はそうはいかない。

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者  
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

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