ナチのマスコット・キャラクター作りが中学校の宿題に?!

ナチのマスコット・キャラクター作りが中学校の宿題に?!


 ユダヤ人への迫害は、誰もが知る歴史の一部だ。許されるべきではない非人道的な行為や、その行為がもたらした悲劇については、後世に生きる私たち誰もが学ぶ必要があるだろう。アメリカでも学校教育を通じて、多角的にユダヤ人の歴史を学ぶ機会があるが、米南部ジョージア州にある中学校が信じられないような課題を生徒に出して、非難を浴びている。

 問題となっているのは、同州グウィネット郡にあるShiloh中学校の社会科の授業で取り上げられた「ナチスのマスコット・キャラクターを作る」という課題だ。この課題を「悪気なく」出したという女性教師は、授業で教えたナチス・ドイツによるユダヤ人迫害の歴史の情報を元にし、 1935年にナチスの政治集会で生徒たちが党のマスコット制作を任されたことを想定し、それを完成させるよう指導。カラフルなイラストで描いたマスコットには名前を付け、そのマスコットがなぜ党を代表するものなのかについて説明するようにと生徒に指示した。

 『FOXニュース』のインタビューに答えた生徒の親のひとりは、この課題がアメリカの公立学校で取り上げられるものとして相応しくないと非難した上で、「マスコットは通常、何かを幸せに宣伝するためのツール。何を祝うためにナチスのマスコットを使うと言うのか?」と、困惑を露わにした。また、国内の分断が問題となっているアメリカにおいて、今すべきことは人々の統一であり、人種による差別を助長することを止めることではないかと、疑問を呈した。

 アメリカで暮らすユダヤ人は、人口の約2%。生徒の中には、この課題に痛みを感じた子供もいたかもしれない。思想の違いや人種の問題によって国内の分断が進んでいる現状を踏まえても、特定人種を迫害したナチスをまるで肯定的にとらえると誤解されかねない課題は、教育上、相応しいとはとても言えないだろう。ちなみにアメリカの分断の背景には、特定の過激な思想を掲げる集団が起こす暴動なども色濃く影響しており、その中にはナチスを崇拝する団体も存在している。ひとりの教員の勝手な授業だったかもしれないが、社会科を教える教育者が、こうした社会の現状に意識を向けられなかったのであれば、それはあまりにもお粗末であろう。グウィネット郡学区では、ナチスの歴史を学ぶことはカリキュラムに含まれているものの、マスコットを作るという指導は承認されたものではなく、適当ではないという見解を示しているが、国が急激に変化していく中、社会的にも「今」に即した指導要綱整備が必要なのかもしれない。

 世界は今、不穏な空気に溢れている。北朝鮮問題や、世界各地で増え続けるテロの問題。そんな時代の流れか、日本においても現政権下で憲法九条問題が頻繁に議論されるようになった。「戦争」を意識せざるをえないようなニュースが増え続ける中、教育の現場で行われる「平和理解」の授業の役割は、どんな国でもますます重要になるはずだ。何が正しい歴史見解で、どんな教育を行うことが子供の未来にとって最適なのか。日本の現場は、その問いに今後、どう向っていくのだろうか。

引用元:Georgia teacher allegedly assigns students task of creating Nazi mascot
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